PLGにおいてはPMはBizDevの役割を内包すべきである

こんにちは。プロダクトマネージャーのyuiです。

この記事は、estieのプロダクトマネージャーによるブログシリーズ「PM Blog Week」第4弾 7日目の記事です。(過去の PM Blog Week の記事は こちら

はじめに

6月24日(火)に「新規事業 PdM vs Bizdev どっちが重要?ガチンコ対決」というテーマでイベントを開催します。今回のBlog Weekはこちらと連動して、「PMとBizDevの違い」や「これから求められるPM像はどんなものか」について一連のシリーズでお送りしています。このイベントのテーマは新規事業ですが、私は現在estieでPLGを前提としたプロダクトの成長戦略に取り組んでいるため、この記事ではPLGという文脈におけるPMとBizDevの役割について自分の主張を書いてみたいと思います。

PLGに取り組む中で書いた過去の記事はこちら: ユーザー行動ログと向き合う技術 - estie inside blog

PLGの前提の整理

PLG(Product-Led Growth)は、文字通り「プロダクト主導の成長戦略」です。SLG(Sales-Led Growth)のビジネスモデルでは主に営業やマーケティングがリード獲得や商談を担い、クロージングして契約に至るというモデルが一般的です。しかしPLGは、その成長をリードするのはプロダクトが生み出すユーザー体験であり、ベースとなるのは「プロダクトそのものが最も効果的な営業担当者であり、マーケターであり、カスタマーサクセスである」という思想です。

主な特徴・戦略としては以下の要素が挙げられます。

  • フリーミアムや無料トライアルを提供している
  • セルフサーブで完結できる設計
  • ユーザーの行動ログを活用した改善と成長
  • 「売る」前に「使ってもらう」戦略

一般的なPMとBizDevの役割・違いの整理

タイトルの主張の前に、前提として一般的なPMとBizDevの役割や違いを整理しておきます。(もちろん、組織規模やプロダクトのフェーズによる違いも大きく影響すると思います。)

PMの役割

PMは「なぜこれを作るのか」「誰のどんな課題をどう解決するのか」を定義し、プロダクトの方向性を定め、開発チームと連携しながら、プロダクトが提供する価値の最大化を目指すことが主な責務です。

  • ユーザー課題の発見と仮説立案
  • プロダクト戦略・ロードマップの策定
  • 開発チームとの要件定義・仕様設計・進行管理
  • プロダクトKPIの設計と分析 など

BizDevの役割

一方でBizDevは、事業を外部との連携を通じて拡大していくことにフォーカスします。市場の模索や理解、販売チャネルやプライシングなどを設計・実行し、プロダクトをユーザーに届け、事業成果に繋げる役目です。

  • マーケット機会の発見と提携交渉
  • 営業戦略・販売チャネルの構築
  • 利用者の声や市場ニーズの収集
  • マネタイズの設計・改善 など

PMがBizDevの役割を内包すべき理由

PLGにおいては、認知から購入(有償転換)、定着までのすベてのプロセスにおいてプロダクトが起点となります。つまり、プロダクト責任者は「ユーザーにプロダクト価値を最大限感じてもらう設計」と「事業として持続可能にする設計」を両立しなければなりません。

料金プラン、オンボーディングフロー、プランの機能差分の線引き、アップグレード動線など、いずれもプロダクト上の体験と密接に関係し、かつ事業的な判断が必要であり、ユーザーに「届ける」「使ってもらう」「定着させる」までのジャーニー全体に責任を持つ必要があります。PLGではPMがその意思決定を主導することで、価値とマネタイズの最適なバランスを実現できるはずです。

カギは実行力と仮説検証のスピード

PLGは”よいプロダクトを作れば自然に売れるスマートな戦略”ではありません。どんなによいプロダクトでも、顧客に届かなければ意味がありません。

正しいターゲットに正しい方法で届けることにこだわり、ユーザーに最大限価値を提供しながらビジネスとしてプロダクトを持続可能にする必要があります。

そのためには、どの立場であっても以下のマインドと行動が必須だと思います。

データを最大限活用する

PLGではハイタッチな営業/サクセスを通さずにユーザー自身がジョブを解決できるストーリーを辿れる設計が重要です。これを実現するためには行動ログを起点とした継続的な観察と改善を行う必要があります。PLGにおいては特に行動ログこそがユーザーの声となるためです。

  • サービス上の行動ログからボトルネックを発見する
  • 無料ユーザーと有料ユーザーの行動差分を分析し、改善に活かす
  • ユーザー自身でゴールに到達できるUI/動線を設計する

小さく試し、素早く学ぶ、仮説→検証→改善の高速ループ

ユーザーから直接フィードバックを受けることが難しいPLGにおいては、プロダクト開発においても、GTMにおける各施策においても以下を意識して実行することが重要です。

  • 小さく作り、早くフィードバックを得る
  • フィードバックを元に次の手を即実行する
  • Biz/Devを問わずチームを超えて検証・改善サイクルを共有する

おわりに

ここまでPLGにおいてはPMはBizDevの役割を内包すべきであるという主張をしてきましたが、本質は「誰がやるか」よりも、「いかに早く実行し、改善・試行回数を回せるか」だと思います。

PM/BizDevどちらの立場であっても、一つ一つの仮説や施策をやりきり、成功/失敗の根拠を集めて最大の学びを得て、次の施策の成功確度を高めていくループをたくさん積み重ねられる人が、プロダクトと事業の成長を牽引する存在になるはずです。

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