デザインエンジニアMeetup #5 イベントレポート

2026年2月26日に「デザインエンジニアMeetup #5」を開催しました!
デザインとエンジニアリングを横断し、プロダクトのデリバリーやアイデア検証を高速に行う「デザインエンジニア」。この職種はまだ事例が少なく、業務内容やキャリアの実態が語られる機会は多くありません。そこでestieでは、現場の知見をオープンに共有できる場として、Meetupを継続的に開催しています。

第5回のテーマは、「開発スピードを落とさずにUI品質を守る」です。

UIコンポーネントの生成から仕様設計・テスト自動化まで、プロダクト開発のあらゆる場面にAIが入り込みつつある今、デザインエンジニアはどこに価値を発揮していくのか。

今回登壇して頂いたのは、株式会社マネーフォワードのとんがりさん、株式会社LayerXのたらりらさん、株式会社estieのOmoteです。

本レポートでは、そのセッションハイライトと会場の雰囲気をお届けします。

セッションハイライト

AI時代のFrontend Architecture

登壇者:株式会社estie Omote

最初のセッションでは、「AI時代のFrontend Architecture」をテーマに、「作るコストがほぼゼロになった世界で、人間はどこに価値を出すべきか?」という問いから話が始まりました。

体験設計がデザインの主戦場になる

Omoteは、まず現在の状況を次のように整理します。

静的UIや単一コンポーネントであれば、AIが瞬時に高品質で生成できる。「実装スピードの優位性」は急速に失われつつあり、「何を・誰のために作るか」の意思決定こそがボトルネックになっている。

この文脈を踏まえ、Omoteはプロダクト全体を次の3層に整理していました。

  1. 基盤層(認証などのクリティカルユーザージャーニー)
    • 認証や課金など、会社全体として品質を担保すべき領域
    • 組織単位で責任を持ち、共通基盤として守る部分
  2. ストーリー層(ドメインロジックと体験の組み立て)
    • 汎用UIを組み合わせて、「検索」「登録」などの機能単位の体験を構成する層
    • 頻繁に変更が入り、壊れやすい領域であり、ドメイン知識を集約する場所
    • 「人間が介入する唯一のポイント」として設計する
  3. 汎用UI層
    • ボタンや入力フォームなどの一般的なUIコンポーネント
    • AIやUIライブラリ、自動テストで品質を担保し、特定ドメインには極力依存しない設計にする

Omoteは、「汎用UIはAIやコンポーネントライブラリに任せ、体験設計こそがデザインの主戦場になる」と強調していました。

当日のスライドはこちらです。
speakerdeck.com

マルチプロダクト企業でのデザインシステム立ち上げとAIとの未来

登壇者:株式会社マネーフォワード とんがりさん

2つ目のセッションでは、マルチプロダクト企業でのデザインシステム運用とAIとの関係性について、マネーフォワードのとんがりさんにお話しいただきました。

とんがりさんは社内デザインシステム「Money Forward UI(MFUI)」の開発リード兼AI推進リーダーを務めています。マネーフォワードには40以上のプロダクトがあり、そのうち約25プロダクトでMFUIが導入されています。新規プロダクト開発での利用率はほぼ100%とのことです。

「AI時代にこそ、デザインシステムは必須になる」

とんがりさんは「AIとデザインシステムはとても親和性が高い」とし、「AIはデザインシステムがあってこそ、UI開発で本領を発揮できる」と語ります。

  • デザインシステムがない場合

    • AIは「それっぽいUI」をゼロから都度生成する
    • プロダクトごとに微妙に異なるUIが量産される
    • 会社固有のデザインルールやブランディングを知らないため、一般的な知識に基づいたUIになる
  • デザインシステムがある場合

    • 提供されたコンポーネントを再利用でき、一貫したUIを効率よく生成できる
    • 会社のデザインガイドラインを踏まえたコードが自動的に出てくる

この違いから、とんがりさんは次のようにまとめます。

AI時代以前、デザインシステムは「人間のためのUI開発基盤」だった。
これからのAI時代では、「機械のためのUI開発基盤」になっていく。

当日のスライドはこちらです。
speakerdeck.com

AI時代、デザイナーの価値はどこに?

登壇者:株式会社LayerX たらりらさん

最後のセッションでは、「AI時代にデザイナーの価値をどこに見出すか」をテーマに、株式会社LayerX たらりらさんから、プロダクト立ち上げの現場での実践が語られました。

「What / How / QA」のうち、何が加速し、何がボトルネックになっているか

たらりらさんは、プロダクト開発のフェーズをざっくり次の3つに整理します。

  • What:何を作るか(探索・仮説)
  • How:どう作るか(実装・デザイン)
  • QA / Craft:品質をどう担保し、どこまで作り込むか

AIの登場によって「How(実装)」のスピードが飛躍的に上がった一方で、その前後にある「What」と「QA / Craft」がボトルネックになりつつあると指摘します。

開発の各フェーズで「ディレクション」を担う仕事へ

最後にたらりらさんは、「AI時代のデザイナーは何をしているのか」を次のように整理していました。

  • 探索フェーズ
    • What / Why を定義し、チームが前に進めるように状況を整える
  • 実装フェーズ
    • 高速なHowから出てきたアウトプットにクラフトを吹き込み、初期コードベースの品質を底上げする
  • 品質フェーズ
    • チーム全員とともに、触り倒しながら違和感を見つけ、修正していく

これらを通じて、ユーザーがプロダクトに触れ始めてから価値を感じるまでの一連の体験に対し、責任を持って「方向づけ(ディレクション)」していく役割こそが、AI時代のデザイナーの価値なのではないか、と締めくくりました。

当日のスライドはこちらです。
speakerdeck.com

当日の会場の雰囲気

3セッションを通じて、会場では次のようなキーワードが何度も飛び交っていました。

  • 「汎用UIはAIに任せて、人は体験設計に集中する」
  • 「AIに最適化されたデザインシステムが、機械のためのUI基盤になる」
  • 「チーム全員で作って考えるループを回し、その前後をデザイナーがディレクションする」

AI時代の開発について、現在の見立てと予見している未来は3者とも同様の視点を持っていました。一方で、「どこからアプローチするのか」という観点は三者三様で、重なり合う部分と異なる部分があるのがとても印象的でした

LT終了後の懇親会でも、「自社でのAI活用の進め方」「デザインシステムの運用体制」「立ち上げフェーズでの役割分担」などについて、登壇者と参加者の間で活発な議論が続きました。

アンケートでも、「AI時代にデザインエンジニアがどこで価値を出すべきか、具体的なイメージが湧いた」「デザインシステムとAIをどう組み合わせるかの実践例が参考になった」いった声をいただきました。

次回の開催について

デザインエンジニアMeetupは、今後も継続的に開催予定です!
次回は、5月頃に開催を予定しています。
申し込み開始にあわせて、connpassにイベント情報を掲載します。

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ハッシュタグは #デザインエンジニアMeetup です。
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