5年目の在職エントリ(丸島: ソフトウェアエンジニア)

こんにちは。estieでエンジニアをしている丸島です。

カジュアル面談などで候補者の方とお話しする機会が増え、自身の経歴やestieで何をしているのかについてお話しすることが多くなったなあと思っています。せっかくなのでその内容を一度整理し、estieという会社やそこでの働き方についてお伝えするため、本記事を書こうと思った次第です。よろしければお付き合いください。

辞めるつもりのなかった前職時代

estieとの出会いは知人からの紹介でした。前職在籍中にestieで副業を始め、かなり早い段階から「正社員にならない?」と誘われていたのですが、当時の私は転職を積極的に考えていたわけではなかったので、のらりくらりと断り続ける日々が数か月続きました。後に聞いた話では「気を持たせるだけ持たせて入社してくれなさそう」と思われていたそうです(笑)。その節はマジですみませんw

というのも、前職の居心地が良すぎたというのが要因としては大きいなと。新卒で入社したヤフー株式会社では、約4年半、データ統括本部という会社のデータ基盤を支える部署に所属していました。私が担当していたのは、全社のデータ活用を可能にするための基盤開発です。ありがたいことにヤフーのユーザ数はかなり多いので負荷もそれなりに高く、その負荷を自社技術で安定的に支えるためチーム一丸で奮闘する、やりがいの大きいプロジェクトでした。

技術的な挑戦ができる環境もさることながら、何よりチームに恵まれていました。優秀で人柄の良いメンバーに囲まれ、このチームで働き続けたいと心から思えるほど、充実した日々を送っていたというのは正直なところです(ちょっと恥ずかしいね)。思い返せば、当時の私に「ヤフーを辞める」という選択肢はほとんどありませんでした。

それでも結局入社した

それでも、副業で約9ヶ月間にわたりestieと関わる中で、ここで働くのも良いと思えるようになりました。理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は、事業と組織のフェーズがもたらす「チャレンジングな環境」です。

思えば私は昔から「しんどいけれど成長できる選択肢」を選ぶ傾向がありました。思い返すと、estieに入社することを決めた当時の私は、30歳を目前にその欲求がピークに達していたように思います。

そして、当時のestieは「主力事業が一つ生まれつつある」くらいのフェーズでした。漠然としたチャレンジ欲が膨らむにつれて、先行きが見えない中で試行錯誤する環境がすごく魅力的に見えました。

そして2つ目の理由は、一緒に働く「人」の魅力です。どちらかといえば、理由としてはこちらの方が大きいかもしれません。

estieには、業務後に役職に関係なく交流するカルチャーがありました。64のスマブラで遊んだり、お酒を飲んだりする中で、メンバーの人柄やチームとしての一体感に強く惹かれました。

意識が低くて恥ずかしい話なのですが、当時の私は事業の将来性などを深く分析していたわけではなく、「仮にこの船が泥船だったとしても、この仲間とならば一緒に沈みたい」と思えるほどの魅力をestieに感じていた……というのが最終的に入社を決めた理由です。

当時、同じように副業からestieに惹かれて入社した仲間が、今でも多く活躍しています。同期入社を指して、社内で「スマブラ採用」の世代とされています(笑)(ちなみにスマブラはヘタクソです)

これまでの担当業務

入社してからの私の役割は、会社の事業フェーズに合わせて変化してきました。

1.オフィス事業のEMから、物流事業の立ち上げへ

入社後は、主力事業である『estie マーケット調査』のデータ基盤チームに配属され、EMに近い役割を担いました。EMと言っても当時は明確な職務領域もなかったため、人事評価もするし、スクラムも回すし、自分で開発もするしと、何でも屋のような働き方でした。

2.勘違いから始まった新規事業立ち上げ

当時の新規事業である『estie 物流リサーチ』の立ち上げタイミングで「立ち上げメンバーが足らないので手伝ってくれ」と言われ「サポートメンバーの募集」だと思って二つ返事で承諾したところ、実は「専任者の募集」だったことが後から判明しました。結果としてマネージャーも一時辞めることになったので最初は「思ってたのと違った!」と思いましたが(笑)、結局 PdM、デザインエンジニア、そして私の3名で、ゼロからプロダクトを創ることになりました。

サービスの新規立ち上げは初めての経験で、データパイプライン構築のために外部データの特性と格闘したり、ユーザにとって価値となるプロダクトとは?を3人で背中を合わせながら手探りで開発を進めたりと、とにかく泥臭い毎日でした。だからこそ、創り上げたプロダクトで初めてお客様にご導入いただいた時の喜びは忘れられません。

PdMがよく「売り上げは全てを濯(そそ)ぐ」と言っていたのですが、まさにその通りでした。同時に、初めて我々のプロダクトに価値を見い出してくれた人の期待に応えなければというプレッシャーもありました。この喜びとプレッシャーを燃料にして、メンバー一人ひとりが自走しながら事業を動かす楽しさが、スタートアップの醍醐味なんじゃないかと思います。

3.再びマネージャーへ。二つの事業を横断するからこその課題

estie 物流リサーチが軌道に乗り、今年の1月からは二つの事業を管掌するチームのマネージャーとして、再びマネジメントの役割を担っています。事業を横断して見るようになったからこそ、直面している課題もあります。課題を上げ始めるときりがありませんが、特に課題感に感じているのは事業をまたぐことによる関心の分散です。

当然といえば当然なのですが、複数の事業を横断するということは知らなければいけないことも増えますし、対応しなければいけないことも増えます。一つの事業のことを考えていたら次はもう一つの方、次は横断、差し込みでまた片方の事業…といったように、一つの事業・プロダクトを見ている頃と比較して思考のスイッチが圧倒的に増えます。このコストはそのまま開発時の負担につながります。

我々がコンパウンドスタートアップとして複数のプロダクトを提供していくうえでは、この課題は避けて通れません。開発スピードが速い姿はestieの強みではありますが、社員が増えるスピードより速くプロダクトがリリースされていき、気がついたら足回りが遅くなっている、なんてことも冗談ではなく将来的に起こり得ます。

商業用不動産業界のデータの流通をなめらかかつシンプルに、というのが我々estieの解きたい課題のひとつですが、チーム・社内の情報流通や知識伝搬をなめらかかつシンプルにすることでチーム全体が必要な開発にフォーカスし、最大パフォーマンスで複数のプロダクトを開発できる体制を整えることも私の重要なミッションのひとつだなと捉えています。

私から見た今のestieと今後の展望

現在の組織の状況、そして私自身の課題認識や展望についても軽く触れたいと思います。

まず、estieの良さは、今も昔も「人」にあると考えています。相変わらず良い人が集まっていますし、各領域に専門性を持つ優秀なメンバーが以前より多く集まっていて、安心して背中を預けられる信頼関係があります。何か課題があれば、ポジションに関わらず建設的な議論ができるカルチャーです。

私が入社した当時と変わったことと言えば、企業規模の拡大に伴い、社員同士が近すぎず遠すぎず、適切な距離感でコミュニケーションできる企業になったことでしょうか。当時は組織が小さいのもあって距離がもっと近かったのですが(近すぎるぐらいだったかも)、今はより多くの人にとって働きやすい環境になってきたなと感じます。

個人的な野望としては、estieが保有するデータを活用し、「土地の利活用の最適化」というテーマに挑戦したいなあと漠然と考えています。

estieはオフィス、物流、住居と、複数の不動産アセットのデータを扱っています。これらのデータを横断的に分析することで、「特定の土地において、どのアセットの建物を建築することが事業価値を最大化するのか」という問いに、データドリブンで答えを導き出す。これは、不動産業界の意思決定そのものをエンパワーできる、インパクトの大きい挑戦だと考えています。

と、意識高そうに言うんですが、正直に言えばデータ見ながらお酒を飲むの純粋に好きなんですよね。estieのプロダクト上にあらゆる不動産に関わるデータが表示されていて、「ここにコレ作ったら面白くね?」とか、「ここにコレあるのってこういう意図なんだろうね多分」みたいな話をしながらお酒をクイッとするの楽しそうじゃないですか?アセット単独で見ても面白いのだから、横断して見れたら絶対楽しいですよ。きっとね。

最後に

estieの新規プロダクト開発は、現在も少人数でスタートすることが基本です。そのため、自ら課題を発見し、あるべき姿を定義し、開発を推進できる自走力が求められます。

一方で、私がestie 物流リサーチを立ち上げた頃と比較すると、社内に立ち上げ経験者が増え、サポートを受けやすい体制が整ってきているなと感じます。この記事では挑戦という側面を強調しましたが、私自身、将来的には家庭を持ち、働き方のバランスを取ることも考えています。estieは、そうした個人のライフステージの変化にも柔軟な組織だと感じています。

本記事が、estieという会社や、ここで働くエンジニアのキャリアについて理解を深める一助となれば幸いです。ご興味を持っていただけましたら、ぜひ一度お話しできればと思います!

ではまた!

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