estieは今まで色んな会社と連携して募集情報を集めています。しかし様々な会社や人を経たデータは、どうしても誤りが混ざります。特に不動産のデータはPDFに変換されたり手入力されたりするため、ヒューマンエラーが起こりうる場所がたくさんあります。そこでestieでは自前でデジタイズしたデータも比較検証に活用しています。
例えば募集には、賃料・共益費・礼金・仲介手数料といった項目があります。それぞれが税別なのか、月額総額なのか坪単価なのかは募集によって異なります。用途や床の仕様や引き渡し時期、接道状況や前のテナントの業種、先行や申し込み状況…と数えると、多いものでは100近くの項目を打ち込む必要があります。
打ち込む募集の数が数千あり、1募集あたり数十の項目があり、募集固有の色んな値を精度良く入力し続けるのは大変です。私はなぜかデジタイズが趣味なので毎日8時間デジタイズしていても精神的にはつらくないどころか楽しいくらいですが、「より速く、より正確に、より楽に」打ち込むために、ハードウェア的な環境も改善しました。
Lv. 1:テンキー
まずはテンキーの導入です。不動産データには数字がいっぱい含まれるため、数字専用の入力装置を使うとなんとなくよさそうな気もしますが、念のためhttps://www.e-typing.ne.jp/roma/variety/tenkey.aspを使って計りました。
速度が25%増し、ミスも減ります(n=1)。募集のデータには数字が頻出するため、これで1割早くなれば、(テンキーにしては高い5000円くらいのを買いましたが、)余裕で元が取れます。
Lv. 2:独自ショートカット
高めのテンキーでも会社が必要性を理解してくれたおかげで、F13キーやpage downキーがついたテンキーを導入できました。私は普段F13~F15キーを使わないので、他の入力に割り当てられます。
Satechi Bluetooth 拡張 テンキー スリム 充電式 34キー (シルバー) (iMac, MacBook, iPad など2012以降MacOSデバイス対応) 切り取り(Command + X)などに割り当てるのもいいですが、より適した工夫もあるはずです。BetterTouchToolなどを駆使すると、Command + A → Command + Xなどのシーケンシャルなコマンド入力も可能なので、募集情報にカスタマイズします。
同じ情報元から流れてくる募集情報には傾向があります。例えば「即入居可能で、定借3年(36ヶ月)で、セットアップ情報は載っていない通常区画である。そして保険会社加入必須でOAフロアはあって高さがまちまち」というパターンが8割みたいなこともあります。いちいちこれを手作業で行うと時間がかかるだけでなく、間違えることもあるし、手が疲れます。そこで、F13キーを押したらこの「即入居可能で…OAフロアの高さを入力する場所にカーソルを持って行く」が実現されるように設定すると、1キー操作で終わります。具体的には、「タブ、スペース、タブ、←、←、タブ、…」みたいなパターンを設定しています。
このような頻出パターンをそれぞれF14, F15, …, page downキーまで割り当ててバクソク入力を実現しました。より速く、より正確に、より楽になりました(さっきの例だけでもキー入力が15回減っています)。元々こういう作業が得意なのもありますが、慣れない初日でも2~3倍の速度と噂でした。
Lv. 3:足の活用
今(2024年1月19日)オフィスを見回したところ、足を組んだりスタンディングデスクを使ったりしている人はいても、足をデスクワークに使っている人はいないようです。もったいないですね! ということで私は足も使います。
フットスイッチとは、足元に置くキーが巨大なキーボードみたいなもので、踏むと文字を打つことが出来ます。一般的にはゲーム中にマイクのオンオフを切り替えたり、楽器の演奏中に楽譜をめくる操作に使うらしいですが、今回は募集情報の入力に活用します。
自動車のマニュアル免許を持っている私からすれば、足元を見ずに3ペダルを踏みわけるのは当たり前だと思い、3ペダルのフットスイッチを導入しました。ピアノのペダルだという人もいます。そしてもちろんこれらのキーにも、「入居開始日が文字列型で「相談」である場合」、「仲介手数料が賃料の1ヶ月分で「わかれ」でありADが100%である場合の入力」「天井高が2800 mmで床荷重が300 kg/m2で個別空調でトイレは男女別」…など、情報元によってコマンドを割り当てながらやっています。
ブログを書きながら試しに1つ募集を打ち込んだところ、一般的なショートカットを使っても170操作(キー入力+クリック)が必要なところ、54操作で完了しました。
題名の「Citius, Rectius, Facilius」は、オリンピックのモットーの「Citius, Altius, Fortius」のオマージュです。オリンピックのモットーには、2021年に「 – Communiter(共に)」が追加されました。皆さんも「より速く、より正確に、より楽に、共に」働きませんか?