この記事は、estieのプロダクトマネージャーによるブログシリーズ「PM Blog Week」第1弾6日目の記事です。前回の記事はestie PM 座談会 〜シニアなPMたちに色々聞いてみた〜です。
こんにちは、estieデータチームPMの松田です。このブログでは、私が日々感じているestieにおけるデータの重要性と難しさについてお話できればと思います。
1. このブログで伝えたいこと
このブログでお伝えしたいことは下記です。
estieではデータが商品!:estieではデータそのものが商品であるため、データに関する開発がビジネスインパクトに直結します
マルチプロダクトに対応するデータ基盤が必要!:estieでは複数のプロダクトを支えるデータ基盤が必要ですが、課題が山積みです
estieは採用中!:estieではデータの重要性を鑑み、データ基盤構築を担う仲間を募集中です!カジュアル面談お待ちしています
2. estieで扱うデータの例
estieでは「estie マーケット調査」や「estie 物流リサーチ」といった不動産データを提供するプロダクト群を提供しています。以下はestieが取り扱う主要なデータの概要です。
建物のデータ
建物の基本情報や仕様に関するデータです。具体的には、所在地、築年数、階数、延床面積、用途(オフィス、商業施設など)などの情報が含まれます。このデータは、物件の評価や市場分析に欠かせない要素となります。
賃貸募集情報のデータ
賃貸市場における空室情報や賃料に関するデータです。オフィスを中心とした様々なアセットの賃料推移、募集状況、共益費といった情報が含まれ、賃貸市場のトレンドや需要予測のために使用されます。空室率の改善や収益性の向上を目指す施策の立案にも重要な役割を果たします。
売買のデータ
物件の売買に関する情報です。成約価格や売却の際の条件などのデータを集約し、投資判断や売買戦略の基盤となります。市場における資産価値の変動を捉えるための分析に不可欠な情報です。
登記簿のデータ
登記情報から取得する法的なデータです。物件の所有者や権利関係、登記名義人の変更履歴などが含まれるため、所有者や建物の正確な情報の把握に用いることができます。
3. estieにおけるデータの重要性
estieでは不動産市場に関するデータを整理した上で、Webアプリのユーザー体験に落とし込み商品として提供しています。つまり「データ即商品」であり、データの品質向上や効率的な管理はサービスの価値、ひいては売上に直結する極めて重要な取り組みとなっています。
これは私がestieで特に面白いなと思っていることです。データの収集・整理・活用が社内に閉じることなく社外に提供する商品となっている会社やプロダクトはなかなか珍しいのでは、と思います。
4. 不動産データの難しさ
整理された不動産データが商品になる!というのは事実なのですが、なぜ商品になるかというとデータの整理が難しいからです。我々も日々悪戦苦闘して勝ったり負けたりを繰り返しています。以下は、私が特に難しいなあと思った例です。
多様な情報源からのデータの整理
不動産に関するデータは50以上のさまざまな情報源から収集されますが、これらのデータの整理・統合に不動産に関するドメイン知識とそれを表現するアルゴリズムの考案と実装が必要です。
正確さや鮮度のばらつきへの対応
収集されるデータには正確なものもあれば、不正確なものもあります。また古い情報と最新の情報も入り交じっています。どういった状態であれば信頼できる情報なのか、正解がない中で判断基準を持ち実装していくことが必要です。
これらを読んで「うわあ…」と思った方もいらっしゃるかもしれません。正直、どの問題も一筋縄ではいきませんし、この情報整理をやり切れているプレイヤーは我々含めて未だ存在しません。しかし、estieはそのポテンシャルを持っていますし、やり切った際には不動産市場で特異なポジションを得ることになるはずです。
また、不動産の状態を表すデータモデルやアルゴリズムの開発などは確かに困難を伴いますが、同僚と一緒にああでもない、こうでもないと試行錯誤するのは知的な好奇心を満たされる体験でもあります。私の場合はPMなので実装まで行うことはまれですが、問題の解き方についてエンジニアと議論することは刺激的な時間です。未踏の問題に腕まくりしながら取り組める方はestieに向いていると思います。
5. 現状の課題
estieでは上記のような不動産データの整理統合の取り組みをマルチプロダクト展開に対応させるべく、データ基盤の強化を進めていますが、課題は山積みです。
例えば現状のデータ基盤は主力製品には対応できているものの、複数のプロダクトを一貫してサポートする体制にはなっていません。具体的にはプロダクトごとに異なる技術スタック・アーキテクチャが採用されていますし、複数のプロダクトで共通する機能がそれぞれ個別に開発されています。
6. あるべき姿を目指して進めている取り組み
estieが目指しているのはマルチプロダクトの環境においても効率よく開発できる体制・アーキテクチャの構築です。そのためにデータチームでは次のような取り組みを進めています。
a. 統一的なアーキテクチャ設計の推進
複数のプロダクトがスムーズに連携できるよう、統一的なデータアーキテクチャの設計を担う専門のチームを編成しました。これにより、プロダクトが異なっていても一貫性のあるデータ基盤を目指します。
b. 優先順位付けの仕組みづくり
複数プロダクトのデータ開発を同時に進めるのは現実的に困難なため、プロダクトごとの優先順位を決定する仕組みを構築しています。これを通じてリソースを効果的に配分し、効率を最大化します。
…とはいえ、上記もまだ推進しきれていませんし、多くの領域がまだ白紙の状態です。よりよいプロダクトを作るために、今まさにチームを拡大中です。「データ✖️ビジネスインパクト」というテーマに興味のある方は是非カジュアル面談しましょう!
estieでは現状下記のデータ系職種のポジションが空いています。上記の内容に興味を持っていただいた方がいらっしゃれば、ぜひ応募してみてください。もちろんカジュアル面談も大歓迎です!
また、estieの雰囲気が知りたい方は下記のイベントがありますので、ぜひ応募してみてください。