こんにちは、estieのデータチームでプロダクトマネージャーを務めるmattsunです。
本ブログはestieにおけるHuman in the loopの取り組みをお伝えするブログ連作の1投稿目となります。取り組みの目的や概況をお伝えできれば幸いです。
AI時代の競争優位はデータの生成力:
estieは、創業以来一貫して不動産業界のためにデータを提供してきました。不動産という複雑で非構造な情報が多い領域において、私たちはデータの整備・構造化・活用に取り組んできました。
そして、AI利活用のハードルが劇的に下がった今、「入力されるデータの質」が事業成否を分ける時代が到来しています。高精度なデータをいかに効率よく、かつスケーラブルに生成できるか——それがestieの競争力になると考えています。
この文脈で、Human in the loop(人と機械の協働)はestieにとって理想的なアプローチです。
AI/MLの力を活用しつつ自動化が難しい処理を人が担うことでコストと品質のバランスを保ったデータ生成の体制を構築しようとしています。
Human in the loopとは?
Human in the loopとはAIや機械学習を活用したプロセスの中に人間の判断や操作を組み込む設計思想を指します。完全自動化ではなく、人間が介在することで精度や信頼性を担保しながら、AIの強みを最大限に引き出す手法です。
estieでは、データ生成・加工の工程においてこの考え方を導入することで高品質なデータ構築を目指しています。
estieにおけるHuman in the loopの取り組み:
estieの主力商品は、不動産業界向けのDaaS(Data as a Service)です。この商品を作るために培われたノウハウをもとにHuman in the loopの取り組みを進めています。
体制:
estieにはデータ生成・加工に関するエンジニアリングチームはもちろんのこと、オペレーションチームも組成されており、両者が協調していることが特徴です。以下で簡単にチームを紹介します。
エンジニアリングチーム:
- プロダクトマネージャー(データ領域のドメイン知識)
- エンジニア(データエンジニアリング・バックエンド・不動産/地理データに強み)
オペレーションチーム:
- オペレーションマネージャー(業務オペレーション構築に強み)
- データ入力オペレーター(データ打ち込み・人手が必要なデータ収集に強み)
取り組みテーマ:
大まかに下記のテーマがあり、そのコンセプトの下で具体的なプロジェクトを推進している形になります。
1) 大量かつ複雑な不動産データの収集・加工オペレーションの構築
- 建物データのプロダクト反映のための重複チェック・同一性判定
- PDF等の非構造データの構造化
2) オペレーションチームの効率向上のためのエンジニアリング
- データ入力ツールの開発・改善
これらに関しては、後日公開のブログで詳細を公開する予定です。
終わりに:
AI利活用のハードルが劇的に下がった中で、モデルそのものはコモディティ化していくと考えています。この方向性はおそらく変え難く、様々な企業が業務効率化や高付加価値化を推進していくものと思われます。
そのような環境の中でestieがお客様・業界全体に対して貢献していくためには、「質の高いデータ」の生成と「それを作れる組織体制の構築」がセンターピンであると考えています。
特に後者についてはまだまだ仲間を募集中ですので、ご興味ある方は下記より応募を検討してみて下さい。カジュアル面談も歓迎です!