【 プロフィール 】 勝田 良介(かつた りょうすけ)
2011年にリクルート (住まい領域) 入社。11年間、一貫して住まい領域にて UX デザイン、商品企画、事業開発、プロダクトグロース、B2B SaaS プロダクトの新規立ち上げ、組織マネジメントなどを経験。
22年 9月に estie に入社し、複数プロダクトのプロダクトマネジメントを担当。
はじめに
クリックしていただきありがとうございます。
この記事はいわゆる入社エントリとなっており、最終的には estie という会社に少しでも興味をもってもらえればという気持ちで書いています。
特に、現職である程度満足はしつつも同時にもっとチャレンジをしてみたいかも…と思っている、少し前の私と同じような方に向けて、不動産領域や Vertical SaaS 領域にどっぷりと浸かることの魅力や雰囲気をお伝えできればと思います。
はじめまして、勝田です
私はリクルート ( 住まい領域 ) を経て estie に Product Manager として 9/1 に入社しました。
前職では約11年、P/L 責任を負った事業開発、B2C プロダクトのグロース、B2B SaaS プロダクトの立ち上げ、組織マネジメントなどを担当してきました。
最終的には部長職として50名以上の素晴らしいメンバーとともに、SUUMO という不動産ポータル事業と、不動産会社向けに業務支援を行うような B2B Vertical SaaS プロダクトの新規立ち上げを担ってきました。
個人的な趣味としては『ずっと真夜中でいいのに。』というアーティストを追いかけており、1 つでも多くのライブに参戦すべく週末は地方へ行ったりしています。ずとまろ ( ずとまよ ファンの愛称 ) です。
不動産領域とわたし
約11年前、前職に新卒入社したあとの配属面談では「住宅領域だけはイメージができないのでやめてくれ、できたら飲食や旅行領域をやりたい」と人事に伝えたにも関わらず、住宅領域へ配属となりました。
それから不動産業界の魅力にハマり 11年以上楽しく仕事を続け、より深く不動産領域の仕事をしたいと思い、オフィス不動産をメインとして不動産会社の様々な業務支援を行う estie に入社しました。
前職でもよく同僚と話していましたが、商業用不動産領域は初めはとっつきにくい印象がありますが、一度触れてみるとどんどん魅力にハマっていきやすいスルメのような領域だと思います。
商業用不動産領域の魅力
私が思う商業用不動産領域の魅力は 2 つあります。
- 商業用不動産は人々の生活に根付いており産業の規模が大きい
- 複雑な構造がゆえに、進化する白地が多分に残されている
規模・インパクト
商業用不動産領域は日本国内においても圧倒的な市場規模を誇ります。
estie では、オフィス、商業施設、物流施設、データセンター、ホテルなどをまとめた商業用不動産 ( Commercial property ) という住宅以外の不動産領域を主な対象にしています。日本は国別で見ると商業用不動産市場規模が世界 3位ですが、実は都市別では東京が約 80兆円の市場で世界 1位となっています。グローバルで日本がここまでプレゼンスを出せている市場はそう多くないので、この点も魅力の 1 つかと思います。
また、私のようにインドアで ( ライブのとき以外は ) 外にあまり出かけず家で動画サービスばかりを見る人にとっても、それらオンラインサービスは全てデータセンターがあって成立している、という事実があります。データセンターは当然物理的な施設であり、これらも商業用不動産に含まれます。
このように、商業用不動産領域は私たちの生活とは切り離せないものであり、産業の規模が大きい領域なのです。
白地の大きさ
その一方で、商業用不動産領域は進化の白地が多分に残されており、これを解決できると大きなインパクトにつながります。
誤解していただきたくないのは、進化の白地が残っている = 業界の人たちがサボっていた、古いやり方にこだわっていた、というわけではないということです。商業用不動産領域はそうなりやすい構造的な理由があります。
例えば、
- 法律の制約や商慣習により情報をオープンにするインセンティブが働きづらい
- 投資家、アセットマネージャー、プロパティマネージャー、リーシングマネージャー、仲介担当者、テナント担当者と登場人物が多い
- 取引件数が少ないためシステム化が根付きづらく手動運用で回避しがち
- 物理的な建物を扱うが故に、特殊なデータの持ち方をせざるを得ないケースが頻発する
など挙げればキリがありません。
4 点目については例えば、メザニン階と呼ばれる 1 階と 2 階のあいだにある中二階という概念をどのように保持・表現すべきかというテーマがあります。
またオフィス不動産における募集では、募集状況が芳しくない場合に区画を途中で分割する ( または統合する ) など、募集をどのような概念で取り扱うべきかといったテーマもあります。
Vertical SaaS の魅力
次に Vertical SaaS の魅力についてです。
スタートアップだけでなく、世の中のあらゆるサービスが SaaS 化しているのは特に目新しいことではないと思います。SaaS は主に Horizontal と Vertical の 2 つに大別されますが後者の魅力について書いてみます。
最大の魅力は、Vertical 領域の SaaS プロダクトを通して得られるデータ、業界からの信頼、業界への深い理解などを通じて、周辺領域へ拡張していくことで加速度的に業界の発展に寄与できうることです。
例えば、不動産会社の賃料設定業務やリーシング業務などを効率化するだけに留まらず、それらの支援を通じて得られたデータを業界へ還元し、アセットマネジメント業の効率化や、機関投資家以外に不動産投資の門戸を広げアクセシビリティを高めるなども可能だと思います。
最終的には、商業用不動産の取引をオンライン化し、投資家、アセットマネージャー、プロパティマネージャー、リーシングマネージャー、仲介担当者、テナント担当者の全員が同じ基盤でコミュニケーションや取引を行う、果ては国外のプレイヤーが国内の取引にスムーズに関与する、といった世界観を目指したいと個人的には思っています。
このように、単なる業務効率化ツールという枠組みを超えて、実業そのものをリデザインするポテンシャルがあるのが、Vertical SaaS の魅力だと思います。
商業用不動産 x Vertical SaaS をやる意義
前述した通り、商業用不動産領域自体の魅力と、Vertical SaaS の魅力の 2 つが掛け算となってそれだけでも十分に楽しい環境ではありますが、さらにそれを estie で取り組む意義が 2 つあります。
- マーケットリーダーが不在
- アメリカに先行事例がある
マーケットリーダーが不在
現在 estie が主に取り扱っているオフィス不動産の領域では、オフィス不動産のマーケットプレイスや業務支援 SaaS プロダクトは少しずつ出てき始めておりますがが、まだ国内に圧倒的 No.1 プレイヤーがいる状態ではありません。
今の estie は estie pro というオフィス不動産のマーケット調査を支援するプロダクトが主力サービスですが、これを基軸にマルチプロダクト戦略に則り複数の Vertical SaaS プロダクトを生み出していこうとしております。
アメリカの先行事例
また、アメリカでは商業用不動産のサービスとして代表的な CoStar というサービスが30年以上前から既にあります。このサービスは市場に浸透しており CoStar の時価総額は 2022 年 11 月時点で 320 億ドル ( 約 4.7 兆円 ) を超える規模になっています。
もちろん、アメリカと日本では法律や商習慣が異なる面もあるため一概に同じことが言えるわけではありませんが、先行しているこれらのプロダクトをベンチマークしつつ顧客課題に向き合うことで日々プロダクトや事業を伸ばしています。
不動産領域の知見がなくても大丈夫な理由
とはいっても、不動産領域があまりにも身近ではなくピンとこない人も多いかと思います。
しかしそんな小難しいことを考える必要は全くありません。不動産というのは要するに、土地と建物で構成されており、みなさんが仕事や買い物をしたり遊んだりするときに必ず接点がある日常的な存在です。ですので、不動産領域の仕事は日常の延長にあると言えます。
そもそも、不動産領域と Tech の知見の両方を持っている人はほとんどいません。また、Tech 関連の仕事をしている人のなかで、はじめから不動産領域に強い興味を持っている人も現実的には少ないです。
estie には業界出身のドメインエキスパートが多数いるだけでなく、Business Development や Client Solution などの Ops メンバーが顧客接点を深く持つなど、不動産領域の知見を深めやすい組織です。
これは入社してから気づきましたが、社内がそのような構造になっているか否かで事業推進スピードは何倍も変わるなと感じます。これは estie の MOAT の 1 つだと確信しています。
また、他業界での成功体験を抽象化・類推し不動産領域に適用するといった発想が役立つことも多いです。
estie のカルチャーとメンバー
最後に、商業用不動産 x Vertical SaaS という大きな山を estie という会社で挑むことについてです。
estie には素晴らしいカルチャーがあり、素敵なメンバーばかりです。
まず、カルチャーとして独特だなと思うのは、ドキュメンテーションと褒め合うことの 2 つです。
ドキュメンテーションカルチャー
経営陣も現場メンバーも分け隔てなく、社員全員がドキュメンテーションすることの価値を信じており実行を徹底しています。会議 1つとっても Confluence でページを用意し、議事録を複数人が協力しその場でどんどん作成しています。最後の 5分で決定事項と To Do を棚卸しし、To Do は次回の会議の冒頭で進捗を報告します。
これにより温度感まで含めてミーティングに出ていない人でもキャッチアップしやすくなります。中途入社が増えるフェーズであるほど、この方法はスケーラビリティがあり良いなと思います。
また、たとえ内容の品質が多少不十分だったとしても、とにかくたたき台をつくる人が偉いという価値観も浸透しています。
これらは特段目新しいことではないかもしれませんが、徹底することは難しいものでもあります。2022年 11月時点で estie は 50名以上の社員がおりますが、このカルチャーを維持できている点はユニークだなと思います。
褒め合うカルチャー
estie に入社して一番カルチャー GAP があった点が褒め合うカルチャーです。ただ褒め合うだけでなく、どんなに小さなことでもいいので大げさに褒め合うのが estie の特徴です。
正直、入社したばかりのときは少し気恥ずかしい、と気後れしてしまうほどだったのですが、褒められて嫌な人はあまりいないわけでして、今ではこのカルチャーをとても気に入っています。
これによって心理的安全性が担保されるだけでなく、気持ちが前向きになりもっと仕事をがんばろう、周りや事業に貢献しようとなります。
具体的には Slack に [ # zzz_homete ] というチャンネルがありそこで日々褒め合いがあります。ちなみにアメリカの Teenager の間ではお互いを褒め合う GAS というアプリが流行っているらしく、我々は流行を先取りしていたぞ!と社内で話題になりました。笑
まとめ
色々と書きましたが私がお伝えしたいことは、不動産領域について初めから興味や知見がないことは当たり前であり、それよりも
- 数年をかけてチャレンジする価値があるほど大きな山があること
- estie が向き合っている商業用不動産領域には勝ち筋があること
- estie は強い組織カルチャーとメンバーがあること
といった点を魅力に思っていただけるといいなと思います。
なお、estie が成功する確率が高そうかどうかということについては、estieをワールドクラスの会社にする覚悟 - estie inside blogが参考になりますのであわせてお読みください。
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
不動産領域の魅力、Vertical SaaS の魅力、estie の魅力などを色々と語ってきましたが、同時に日々向き合う課題は泥臭く、また頭を抱えたくなるような壁も多いです。それを一緒に楽しみながら乗り越えていってくれるような人が 1 人でも増えるとうれしいなと思います。
その一方で、いきなり明日からカジュアル面談に進もうという人は現実的には少ないかと思います。
ですので、少しでも興味をもっていただきましたら、ぜひ、代表と会社の Twitter のフォローをお願いします…! ( 3 秒で終わります )
もちろん、カジュアル面談もぜひお願いします。お待ちしてます!