製品機会発見〜芋づるを探せ〜


この記事は、estieのプロダクトマネージャーによるブログシリーズ「PM Blog Week」第2弾2日目の記事です。<<前回の記事はこちら>>

こんにちは。estie PMの冨田です。1月のestie PM Meetupに向けたBlogシリーズを今年もやっていきます! (昨年書いた記事 自分の仕事のインパクトを肌で感じ取れるエンタープライズSaaSとは? - estie inside blogも是非ごらんください)

さて、今回はBtoB市場におけるプロダクトディスカバリーをテーマに書きます。

プロダクトディスカバリーとは

プロダクトディスカバリーとは製品(を世に打ち出す)機会を発見・検証する事を目的としたプロダクトマネジメントの初期にあたるステップです。探索プロセスと検証プロセスの2つのプロセスがあります。本日は主に探索プロセス(下図の左側)のお話です。

図1.プロダクトディスカバリーサイクル

効果的なFBの引き出し方はウォークスルーに帰着する

プロダクトマネージャーは社内においてはお客様と課題、解決策を一番広く知っている人物だと思います。しかし一歩外に出れば業務と課題を一番深く知っているのはお客様です。餅は餅屋ですから、課題についてはお客様にお譲りするとしましょう。それでは、残る解決策を一番よく知っているのは?プロダクトマネージャーではありませんね。解決策を一番深く知っているのはエンジニア/デザイナーです。あれ、プロダクトマネージャーは何に詳しい人なのでしょうか?私は「フィードバックを効果的に引き出すことに詳しい人」だと思っています。

それでは、課題にも解決策にも一番詳しくないプロダクトマネージャーが効果的に課題/解決策をお客様/デザイナー/エンジニアから引き出す方法とは何でしょうか?それは、多面的なウォークスルーではないでしょうか。

多面的なウォークスルー

多面的なウォークスルーとは、様々な俯瞰資料を使って、複数の視点から、フィードバックを収集する手法です。プロダクトディスカバリーの初期フェーズでは以下の要素があります。

俯瞰資料

  • フロー
    • 業務フロー
    • データフロー
    • 状態遷移図
    • ユーザージャーニーマップ
    • カスタマージャーニーマップ
    • ライフサイクル
    • システム構成
    • スケジュール
    • ステークホルダー
    • 状態一覧
    • ロール一覧
    • 権限一覧

複数の視点

  • お客様

    • 情報システム部門
    • 企画部門
    • 現場
    • 経営者
  • サービス提供チーム

    • エンジニア
    • デザイナー
    • QA
    • カスタマーサクセス
    • 営業

いつ、何をインプットにどの資料を作成し、その資料を使って誰とウォークスルーを行うのか。そこで得られたフィードバックを何に反映し、何の確度を高める/確定させるのか。この順序の組み立てこそがプロダクトマネージャーだけに与えられた、そしてプロダクトディスカバリーにとって最大のレバーなのではないでしょうか。

効果的なコラボレーション

前述の通り、ウォークスルーに用いられる資料は多岐にわたり、そこに参画する可能性のある人物も多種多様です。全ての組み合わせをやりきることは事実上不可能と言って良いでしょう。それでは、どのように効率良く進めるのでしょうか。言い換えると、効果的なコラボレーションとはどのようなものでしょうか。それは芋づるに沿って多軸で進めることです。


芋掘りでは太い芋づるを探します。太い芋づるの先には大きな芋が複数つきます。細い芋づるにはつきません。ウォークスルーも同じです。太いユースケースに沿ってウォークスルーをすれば大きなフィードバックが得られます。細いユースケースでは得られません。

太いユースケースの特徴:

  • 売上・利益に関わる
  • 多人数が関わる
  • 時間を要する
  • 失敗したときの痛みが大きい
  • 法的な制約がある
  • コストが掛かる
  • 心理的負担が大きい
  • 後続プロセスがある
  • ストック情報を生成する

これらの特徴を具備するユースケースを太いユースケースと見なして探索を集中させ、効果的なフィードバックを多軸(複数の観点、つまり複数の職能立場から)&多数引き出せば強い製品機会を発見できると筆者は考えています。

検証プロセスも芋づる式

芋づる式の話は探索プロセスだけではありません。検証プロセスも同様です。太いユースケースに沿って探索と検証を繰り返すことで骨太なプロダクトが出来上がります。初期は探索が主体となり、終期は検証が主体となります。

図2. 時間の経過とプロダクトディスカバリーサイクルの焦点

estieではどうか

estieでは効果的なフィードバックが常に行われています。そのお陰で創業6年目にして輩出した製品の数は10(未公表含む)にもなりました。これからも爆速で製品を世に出していきます!

例)プロトタイプ

例)システムフロー/状態遷移/ロールなど

これは容易に始められることでは無く、これまで時間を掛けて社内の開発体制やお客様との信頼感・関係性を培ってきたestieだからこそ出来る事だと感じています。このような俯瞰資料・プロトタイプ・動作可能なプロトタイプ・製品と言ったものを適時使い分けて準備あるいは開発し、多様な役割の方とコラボレーションしながら最速最短で学んでいける、それがestieの強みであり、estieで働くことの魅力の1つです。

最後に

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hrmos.co


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