自分の仕事のインパクトを肌で感じ取れるエンタープライズSaaSとは?


こんにちは。初めましての方は初めまして。estieでPMをしている冨田と申します。

僕は新卒でコンサル、SEと肩書き立場は変わりつつも常にエンタープライズ規模の会社で使われる業務システムを開発してきました。コンサルとしてお客様だけのオンリーワンなシステムをスクラッチで作り上げる、社内SEとして自社で使うオンリーワンな業務・基幹システムを作り上げる、どれもとても刺激的で楽しい経験でした。そして今は肩書きをPMに変えて、複数のエンタープライズ規模のお客様に使っていただくSaaSをestieで企画・構想・開発・導入しています。

エンタープライズなお客様専用のSaaSとは

一口にSaaSといってもいろいろあります。よく言われるのはバーティカル・ホライゾンタルでしょう。この記事では顧客の規模に着目して、所謂エンタープライズ企業に特化したSaaSについて書きます。

エンタープライズなお客様の特徴とは一体なんでしょうか?

僕が感じているのは下記の通りです。

  • 会社の規模が大きい
  • 事業の規模が大きい
  • 業務の規模が大きい
  • 故に既に業務の標準化・高度化が既に一定程度取り組まれている
  • そのために、企画部門と実行部門が分離している

この業務の標準化・高度化の末、同業であったとしても業務が異なる進化を遂げました。その結果、日本のエンタープライズ企業は海外と比べてカスタム(フルスクラッチ)される業務・基幹システムが多いと言われています。コンサルティングファーム時代は要件定義だけで億単位の費用をお客様から頂戴していました。構築も合わせると十億円を越えることが一般的な大規模開発が多い印象です。

そして、そのようなフルスクラッチの業務システムはestieが舞台にする不動産業界も同様にこれまで存在していきました。しかし、そのようなフルスクラッチの業務システムは業界俯瞰で見ればサイロ化しており、生成AIなどの最新のテクノロジーを反映することが難しいようです。僕は今、エンタープライズなお客様がスクラッチで作り込んできた業務システムを再定義し、ヘビーな業務プロセスをサポートできる機能性とSaaSならではの頻繁な機能拡張を両立するエンタープライズ専用のSaaSの開発に取り組んでいます。

課題の見つけ方で工夫していること

estieが取り組んでいる商業不動産領域もまさにエンタープライズ企業が多く存在する非常に巨大な市場です。その中で、高々社員100人程度、シリーズBベンチャーであるestieはどのようにこのエンタープライズ企業向け業務SaaSに取り組んでいるのか、僕の工夫をご紹介したいと思います。

エンタープライズ企業のお客様に対してこのアプローチを取る際に僕が意識していることは、お客様が大企業である縦割りであると言うことです。大企業はその特徴故に企画部門と実行部門が分離していることが多いです。そして、製品導入あるいは製品企画をコンサルやSaaSベンダーに持ち込むのはこの企画部門です。企画部門は全体を俯瞰して効率を上げる立場にあるが故に、逆に現場のことに疎いことが多いです。一方で、現場部門は自分たちの仕事に精一杯で新しいことを始める余力はありませんし、現場全体を俯瞰をしていないので自分が欲しいものは分かっても現場全員が欲しいものが分からないことが多い印象です。(図. 1)

そこで、僕ができる工夫として、企画部門と現場の両方とやりとりをさせていただいて、効果が出る範囲が広くて深い領域を探索して、これをお客様に教えて差し上げています。企画部門に相談された課題について現場部門に壁打ちをさせていただく、そこで発生したアイディアを企画部門に還元する。その繰り返しの中で効果が出る範囲が広くて深い、所謂インパクトの大きい製品仮説に辿り着くまでこれを繰り返します。

図1.効果が出る範囲と深さに対する企画/現場部門の得意

ただ繰り返し議論をするだけではここにたどり着く事は出来ません。お客様が知らない事実、お客様が知らない技法・お客様が知らないIT知識といったお客様にとってWowのあるような、お客様に驚きを与えるような新鮮さを提供できなければ、態々社内のことに関して素人同然の外部業者を関わらせる意味がありません。この工夫については文字にするには紙面が足りなさすぎるので、興味のある方は是非estie PM Meetupで冨田にお声がけを頂ければと思います。

estieならではのアプローチ

estieならではのアプローチというものもあります。1つはestieがコンパウンド・スタートアップであるという特徴から起きているように思います。

図2. estieのWhole Product構想とサービスラインナップ

スクラッチ・カスタムアプローチ・完全0->1のアプローチであれば課題にひたすらタックルする他ないかもしれません。しかし、estieはコンパウンド・スタートアップです。製品を細かく分割して開発し、小さな製品同士のシナジーを効かせています。シナジーの鍵はデータの流通です。これがエンタープライズ領域にも効いてきます。

例えば、製品を細かく分割して開発するという側面で言うと、小さな会社でも行っている業務をより高度化させた業務がエンタープライズ企業にあれば、「小規模企業向けのプロダクトコンパウンドを再利用して素早くモック・あるいは製品そのものを完成させる」「小規模企業とエンタープライズ企業同士の似た業務を抽象化して双方の開発速度を上げる」と言ったものです。顧客規模の大小によらず製品シナジーを効かせられるところが大企業を相手にするPMにとって有り難い点であるとともに非常に面白みを感じるestieならではの魅力です。「え、もうできちゃったの?」とお客様が驚かされる様は見ていてとても嬉しくなります。

また他にもestieならではのアプローチがあります。それは大企業向けに大胆にもアジャイルアプローチをとることです。通常、大企業が欲しがる製品は例外処理まで含めてシステムで担保できる複雑で大規模なものです。それをアジャイルのアプローチで作るのは納期と工数見積もりの点でリスクがあります。しかし、僕のチームではあえてアジャイルのアプローチを採用しています。お客様の業務ドメイン知識とestieならではの製品開発ノウハウ・商業用不動産データベースの知識を合わせることでこれまでにない発明が出来ると信じているからです。先に要件を決めてしまうウォーターフォール型のアプローチを取らず、あえてアジャイルなアプローチでこれまでに無い革新的な製品を創ろうとしています。このようなアプローチを取らせて頂けるのは不動産業界のDaaS/SaaSといったらestieという信頼を築いて来られたからであって、その信頼の先に製品を立ち上げることを期待されている事はPMとしてとても有り難いことだと感じています。

かつては世界最大の独立系ITコンサルティングファームで巨大な製品の企画をしていましたが、今estieという何千分の一の規模の会社にいても、同等以上のスピード感で仕事をしている実感があります。そうすると、自分の一挙手一投足が仕事に、お客様に、成果に与えるインパクトが何千倍にも大きくなったような感覚を覚えて、とても楽しんで仕事をしています。

仕事が楽しいと言えば入社エントリーでも別の角度から記事を書いていますのでご覧頂けると嬉しいです。

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エンタープライズ企業をお客様にする時ならではの喜び

そして、また、お客様の顔がハッキリ見えることもエンタープライズ企業をお客様にした時に僕が喜びを感じる点です。お客様の規模が小さくなるとどうしても多数のお客様に製品を買って頂かなければ経済が成り立ちません。しかし、エンタープライズ規模のお客様をターゲットにした製品は小さな企業よりも少ない社数で経済が成り立ちます。そうすると、PMとしてより少数のお客様と深く関わり合うことが出来ます。僕は購買社数という数字が増えることよりも、一緒に製品機会を行脚してきた目の前のお客様の笑顔が好きなタイプなので、エンタープライズ企業と仕事をさせて頂いていて幸せだなと感じています。

最後に

エンタープライズSaaSに興味がある方/自分の仕事のインパクトを感じたい方、ぜひ直接お会いしてお話ししましょう。estie PM Meetupまたはカジュアル面談でお待ちしております。

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