【雰囲気レポ】estie PM Meetup #6 「ドメイン知識の壁とその突破法」を開催しました

はじめに

この前の木曜日、通勤ラッシュの時間に日比谷線に乗りました。
スマホも取り出せない満員電車の混雑の中、視線を上げると、ドアの上に東京メトロの路線図が掲示されているのが目に入ります。
私はこの路線図を見ると、「まだ降りたことがない駅」を探してしまいます。
ぱっと思いつくのは錦糸町。日比谷線も秋葉原から北千住は全滅かもしれません。東京に住んでなんやかんや10年以上経ちますが、未だに都心部にも未開拓の駅があるものです。 みなさんの「降りたことがない駅」はどこですか?

それらの駅でアポがあるとして、初めて降りるときのことを想像しましょう。どうでしょう。理想的なルートで目的地にたどり着けそうでしょうか。
Googleマップは使えるのに、地上に出てもどうにも眼の前の景色と、手元の地図がうまく噛み合わない。何か目印になるコンビニかチェーンの飲食店はないか……と目線を往復させる時間。目的のバス乗り場があった!と思ったら逆の車線で、一度駅に戻って出口からやり直しになることもよくあります。

estieに入社して、未経験ドメインの不動産のプロダクトを考えるのは、この感覚に近いものがありました。入社直後の難易度は、旅行で初めて訪れた海外のターミナル駅での乗り降りくらい。それからちょっとずつ慣れてきて、それでもまだ大江戸線の新宿駅くらいの感覚です。
東京に住む地図音痴にしか伝わらない喩えは、これくらいにしておきましょう。

estie PM Meetup #6

というわけで、こんにちは。プロダクトマネージャーの高橋です。11月12日、第6回目のestie PM Meetupを開催しました。

[増枠] estie PM Meetup #6 ドメイン知識の壁とその突破法 - connpass

本イベントは、プロダクトマネジメントに関する知見や経験を共有し、PM同士が交流できる場として不定期に開催しています。
今回のテーマは、「ドメイン知識の壁とその突破法」です。プロダクトを通じて、未知のドメインのユーザーにどのように価値を届けるのか。知らない街で迷子になっているプロダクトマネージャーが最速で最短距離を走れるようになるには、一体何をすればよいのか。
Vertical SaaS 領域で活躍する3名のPMをゲストにお招きし、LT発表とパネルディスカッションを行いました。

登壇者は、株式会社ヘンリー CEO 逆瀬川 光人さん、株式会社 Shippio Director of Product 伊井 壮太郎 さん、SORABITO 株式会社 COO 角谷 峻平 さん、パネルディスカッションのモデレーターは株式会社estie VP of Products 勝田 良介でした。

発表内容とイベントの雰囲気をご紹介します。

LT1 ドメインの壁は、組織で乗り越えろ!過去の失敗から学んだ組織的アプローチ(ヘンリー 逆瀬川さん)

電子カルテプロダクトを提供するヘンリーの向き合うドメインはずばり医療。医療ドメインには想像を絶する非常に複雑な業務とルールが存在します。ドメインエキスパートやプロダクトマネージャーだけがドメインに深く向き合い開発を進めた過去の失敗を経て、「つくるものをつくる人が理解してつくる」という原点に立ち返ることにしたそう。エンジニアも含めたチーム全体でプロダクトマネジメントを実践する組織的アプローチをご紹介いただきました。

参加者からは、「自社でもチーム全体でプロダクトマネジメントをする重要性を訴えていきたい」「ヘンリー社が困難な壁を切り開いた先の課題解決の行く末が楽しみ」などの声が寄せられました。
医療ドメインへの逆瀬川さんの熱い思いが会場にも伝わっている様子でした。

LT2 ドメインの壁はAIがなんとかしてくれる、という幻想から脱出した話(Shippio 伊井さん)

国際物流のDXを推進するプラットフォームを提供するShippioの伊井さんからは、AIによる通関書類の自動読み取り機能の開発の失敗エピソードを紹介いただきました。リサーチを重ね、現場に週1で通う中で、理想的な“正しさ”と、現場で実際に行われている“最適”の間にはギャップがあることを理解し、完璧さよりも確認・修正しやすい設計へと方針転換することで大きな成果を得られたそうです。「本当に芯を食ったものを作るには、人と仕事を深く知る以外に近道はない」と発表を締めくくりました。

プロダクト開発者が思う理想的な “正しさ” と、現場のユーザーの“最適” の差は多くのプロダクトマネージャーが頭ではわかっていても回避できない “罠” です。伊井さんのお話を聴きながら、苦い顔で大きく頷く参加者の姿が散見されました。

LT3 ドメイン知識の壁、突破のカギは仮説思考力!(SORABITO 角谷さん)

角谷さんからは、建機レンタルや建設現場のDXを推進するSORABITOのプロダクト開発を通じて、ドメイン知識の壁を乗り越えるための仮説思考の重要性を紹介いただきました。法律や業務ルールの調査を踏まえた上で仮説を立て、それをヒアリングで検証するプロセスを重視することで、より本質的な課題発見とプロダクト精度の向上につながったそうです。「仮説があるからこそ違和感に気づき、深い課題にたどり着ける。ベースシナリオがなければプロダクトが歪んでいたかもしれない」と現場のプロダクトマネージャーの声を紹介し、仮説思考力の大切さを強調されました。

参加者からは「今まさに、インタビューや前職知識にひっぱられすぎて苦しんでいたので、仮説に立ち戻る重要性を痛感している」との声が寄せられ、共感と学びの多いセッションとなりました。

パネルディスカッション

最後に、登壇者3名にモデレーターとしてestie VPoPの勝田を加えてパネルディスカッションを行いました。
「こだわりの入社オンボーディング」から話題がスタート。実際にユーザー企業の現場で職場体験をする機会を設けているShippio、ロールプレイングやクイズなどチームで楽しく学ぼうとするヘンリー、案件を通じて「なぜ」を深めていくSORABITO、と三社三様の取り組みが紹介されました。

「AI活用どうしてる?」の話題では、あちこちのドキュメントに散らばったドメイン知識を Notion AI でまとめ直すことで有効活用できた、という話題に「それ、うちもやってみようかな」と登壇者同士で盛り上がる場面も。

「ホリゾンタルプレイヤーに負けないための一手」では、やはり各社AIの登場に危機感は感じつつも、ドメインの壁の高さに加えて、自社で持っているデータによる差別化も可能なのではないか、という議論がなされました。

懇親会

パネルディスカッション後の懇親会では、estieのプロダクトマネージャーも参加し、登壇者や参加者同士が立食形式で自由に会話しました。

開催後のアンケートでは、

  • ドメインの壁の克服に銀の弾丸はないことを痛いほど理解できた
  • 知識がないことを言い訳にせず、仮説思考で深堀りすることを忘れないようにしたい
  • バーティカルSaaSというテーマが特徴的で、知らない業界の話が聞けて面白かった

などポジティブな声が多く、多くの参加者の方々にご満足いただけたようです。

編集後記

ドメイン知識の壁を突破する"銀の弾丸“はやはりないようです。AI活用が進む今だからこそ、かえって現場にどっぷり浸かり、仮説検証する重要性が見直されているように感じました。

estie Product Manager Meetupは、今後もオフラインだからこその学びの場を提供していきます。
次回以降のイベント詳細はconnpassでお知らせしますので、ぜひグループメンバーに登録してお待ちください。

https://estie.connpass.com/

estieでは、引き続きプロダクトマネージャーや開発メンバーを募集しています。
不動産ドメインという複雑な駅で迷子になりながらユーザーに向き合ってみたいあなた、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう!

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