大好きなマッキンゼーを辞めて、業界知識ゼロ・職務経験ゼロ・技術知識ゼロのスタートアップで働くことにしたお話

【プロフィール】和田野 祥子(わだの しょうこ)

埼玉県出身。早稲田大学 政治経済学部 国際政治経済学科卒業;University of Michigan, Ross School of Business MBA。
日系化学メーカー(経理)、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経てestieに入社。
旅行とスキーとハイキングが好き。プライベートは基本マイペース。考えごとをするのが好き。

今までのキャリア

「毎度散々考えた結果、無謀なことをやり続けている」 ―これまでのキャリアを一言で言うならば、そういうことかなと思います(笑)。

申し遅れました。estieの和田野と申します。先月からestieでスタートアップ1年生をやっています。

物心がついた頃にはバブルが崩壊し、中学から高校の多感な時期に9.11やそれに続く国際情勢の変化にショックを受けて育った私は、大層平凡な環境で育ったにも関わらず、志だけは偉そうに「日本人の一代表として世界で活躍したい、そして世界をより良い場所にしたい」と漠然と考えていました。

高校時代の目標は国連職員になることでした。ただ、目標に近づくため、学部時代に英国に交換留学をした時の開発学の授業で、民間企業が途上国の発展に与える影響についての講義を聞いて考えを一転、国際機関や政府機関等ではなく、海外事業に携われそうな民間企業で歩んでいこうと決めました。
また「産業の裏側を知りたい」という興味から、ほとんど知見のないB2Bの産業を中心に職を探し、当時リーマンショックの荒波の最中で拾ってくれた日系の化学メーカーに入社します。そして人事による配属面談の日。留学時代の経験から、自分が関東以外の日本をよく知らないことに歯がゆさを覚えていたことから、無謀にも「海の近くならどこでも行きます」と回答。
その結果、当時は縁もゆかりもなかった九州の大分で4年間を過ごし、また何か経営に繋がるスキルを得たいと思ったことから、工場の経理を担当させていただきました。

その後、東京の本社で引き続き経理業務を経験し、漸く仕事にも余裕が出て来る中で、今度はこんなことを考え始めます。「財務諸表に出て来る結果を分析するのは恐らく慎重派な自分には向いている。でもこの先は、この数字そのものを創る仕事(事業企画)がしたい」。とはいえ、経理から、いわゆる新規事業やアライアンス推進をするような企画部への異動は狭き門で、このまま頼み続けているだけでは行けるかどうかもわからない。外に出ようにも、ずっと経理だけやってきた自分をいきなり企画で採用する会社は恐らく皆無。・・・あれ、どうしたら良いんだろう?

そう焦った私が迷走を重ねた思考の末に行きついたのが「海外でMBAを取得して異動/キャリアチェンジを叶える」という荒唐無稽なアイデアでした。
当時は一人で決めたことだったので、周囲にも話せないまま平日夜と休日返上で受験勉強をし、仮に合格してもそこから30代の私が一人で2年間、キャリアも中断して日本を離れ、更にはそれまでコツコツ貯めた貯金を全額はたいても足りない程の学費を捻出しなければならないのか・・・と思うとさすがの私も「無謀すぎる」と立ち止まったりもしました。
しかし結局、能動的にやりたいことを掴むにはそれが一番の近道だろうと、極めてシンプルな理由でとにかくやることにしました。勉強を始めて1年近くすると、有難いことに徐々に周囲の方も味方になり支えてくださったため、何とか留学を叶え、無事卒業することができました。

帰国後は、これまた無謀な挑戦と数々の失敗を経てたまたま縁のあったマッキンゼーで働くことになり、やりたかった事業戦略の世界にどっぷりと浸かることができました。

なぜスタートアップで事業開発をやろうと思ったのか

マッキンゼーは、かつてイベントで出会った人々やカルチャーに一目惚れした会社であり、入社後もそんなメンバーたちとの繋がりが広がり続けていたので、離れるのも名残惜しく思っていました。
一方で、元々「事業を創りたい」との思いで留学という無謀な道を選んだほどだったので、どこかで事業を創る意思決定をする側(事業会社)の世界に戻りたい思いが心を捉えて離さず、卒業を決意しました。また、次は組織は小さくとも、できる限り意思決定側に近いところで、自らが事業を創る感覚を持てるところに行ってみたいとの思いから、スタートアップに行こうと決めました。

最終的には、テクノロジーを通じて世の中をより良くしていくような会社で自分がより重要な意思決定を担いたい、と思っています。それは、最初に入ったメーカーで、日本企業の強み・課題に触れ、もっともっと強みを伸ばしていきたいとの想いを持ったためです。
また、日本のビジネスの世界では未だに女性というマイノリティ側にいる自分が、何らかの責任を負うことを楽しみ、周りにもそれが良いねと思ってもらうことで、将来の世代がもっと生まれや育ちに関係なく自由に活躍できる社会に繋げたいなあと願っています。

そこから逆算して、バランスの取れた意思決定ができるようになるために、経営視点・顧客視点・技術視点の3つが欲しいなと漠然と考えていました。
これまでのキャリアは経理と戦略立案と経営視点に寄せてきたけれど、次のキャリアで顧客視点と技術視点をゼロからでも良いから今のうちにきちんと身につけたい。より具体的には、顧客や業界のニーズを掘り起こしつつ、それを技術でどのように解決できるか、そこをつなぎ合わせて価値を生み出す仕事をしたいと思い、事業開発を志望しました。

なぜestieであったか

上記を踏まえ、意思決定に近いレイヤーで働けそうな比較的若いテックスタートアップで、かつ顧客と技術を繋ぐ経験を任せてもらえそうな会社、という視点で候補を検討しました。
一方、どのような業界でも価値を生み出す機会はあると考え、何の事業をしているかは正直なところ、ほとんど気にしていませんでした。

30社近くのスタートアップと面談をしましたが、その際に比較軸として最も意識していたのは、創業者と目指すゴールの方向性やレベル感について目線が合いそうか、それは他の経営メンバーも同じ考えか、そして何より、チーム全体のカルチャーが自分に合いそうか、という点でした。

他にも魅力的な会社はあったものの、初回カジュアル面談から内定後の懇親会まで一貫してこれらの点で圧倒的な納得感があったのがestieでした。
面接の際、異なる社員がそれぞれ自分の言葉で会社の目指す姿を語ってくれたこと、それが表現は多少異なれど本質の部分で一致しておりかつ自分とも共鳴するなと思えたこと、また懇親ディナーの会話の中で、社員が平井に「それは違うと思います」をフランクに言える、言われた平井もやり取りを経て「そっか確かに」とフィードバックを受け止める、そんなやり取りが自然に起きていたところにとても安心感があり、最終的にestieを選択することにしました。

不安や迷いはなかったか

estieについて言えば、上記の理由から組織についての不安は皆無であったものの、自分がestieに加わることで更に価値を出せる部分があるのか、ということはずっと自問自答し続けました。
なぜなら、メンバーと話せば話すほど、圧倒的に優秀なメンバーが揃っていることを確信したからです。対する私は不動産業界での経験ゼロ、営業経験もゼロ、コーディングスキルもほぼゼロという有様。冒頭の話に戻りますが、また性懲りもなく無謀な選択をしようとしているわけです(笑)。

それでも、「(和田野の)目指すゴールやマインドセットがestieに合うと思っている、今後学んでいくポテンシャルにも期待しているし、いずれできると思っている」と繰り返し伝えてもらい、たとえ困難でも、いや困難な道なら猶更、ここで挑戦してみたいと思い始めました。 そして何より、良い意味で私に高いボールを投げ続けてくれそうな、しかし一方で困ったときにはきっと手を差し伸べてくれそうな、自立と協調性を備えた強いチームだと感じられたため、最終的にestieに飛び込むことを決意しました。

あとは結局、考えに考えて結局無謀に見える道を選ぶことが、まあ自分らしいな、という謎の納得感もあったのかもしれません。振り返ると、2度の留学も、マッキンゼー時代も、過去の知識や経験だけではまるで歯が立たない世界でした。日々自分の不甲斐なさに直面し心中は半泣き(笑)。それでも「無理ーっ(涙)」という脳内の叫びを振り切って目の前のコトに向かい続けていると、意外と誰かが察して味方になってくれて、お陰でまあそれなりに何とかなってきて、そしてふと気づくと1年前には全く見えていなかった景色が目の前に開けていて、人に頼ってばかりだった自分が誰かに頼ってもらえたりもしている。そんなことの繰り返しだったので、今回もまあ、きっとなんとかなるんだろうと頭の片隅では楽観的に考えています。

これからしていくこと

そういうわけで腹は括ったものの、上記の通り、これから勉強すべきこと、経験を積むべきことは山積みです。入社前の休暇期間では、多少リフレッシュはしつつも、業界本のお勧めを聞いて読み漁り、営業基礎についてのYouTubeを視聴し、順次社内リソースへのアクセス権も得て、膨大な資料や日々流れてくるSlackのメッセージに目を通すことから始めました。

これでも目標量には到底及びませんが、もう入社してしまったので逃げ場はありません(笑)。入社してからは、日々お客さんの商談に同席したり、プロジェクトについて考えたりしながら、新たな発見と気づきの日々を生きています。引き続き、業界のこともお客さんのことも事業のことも、前のめりに、貪欲に学んでいきたいと思っています。

入社1日目からずっと、2か月目に突入した今も変わらず実感できているのは、朝、estieのオフィスに向かうのが素直に楽しいことです。

日々が嵐のようであり、毎日何度も自分の知識やスキルや時間の壁にぶつかり愕然としつつも、隣で高いオーナーシップを持ったメンバーが、事業をより前に進めよう・会社をより良くしようと走り続けているので、良い意味で一緒に走ることに集中できる感覚な気がします。決して平坦な道ではないと思いますが、初心を胸に、まずは事業開発としてチームの信頼を得られるよう、邁進したいと思っています。

最後に

不動産の知識や求められる職種での実績、スタートアップでの経験がない又は足りない気がする、でもestieにちょっと興味ある!未経験領域でも挑戦したい気持ちはある!という方、お話だけでもしてみませんか?
このブログを書いた無謀な人と、とりあえずキャリアについてざっくばらんに話してみたいなというリクエストも大歓迎ですので、是非まずはカジュアル面談でお会いできたら嬉しいです。ご応募お待ちしております!

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