技術広報が社内勉強会の火をつける

estieでSWEをしている松本(@matsu7874)です。

開発業務の傍らで技術広報としてプログラミング言語RustのLT会Rust、何もわからない... #11を運営したり、会社のブログを運営したりしています。

技術広報として外向きの発信をしていますが、これらで培ったスキルやネットワークを使って社内勉強会を運営することで、より働きやすい職場、成果が出せるチームを作れるのではないかと考えています。estieで実際に私が運営した勉強会を振り返る形で技術広報の皆さんに新しい提案ができれば嬉しいです。

技術広報と社内勉強会のシナジー

技術広報の業務と社内勉強会の企画はシナジーがあります。

社外に出すべきネタを探しているときに社内のメンバーとたくさんコミュニケーションを取るため、これが必要という仮説を立てやすいです。イベント運営という観点では社外に公開するイベントで使う考え方が流用できます。誰に来てもらってどういう経験をして何を持って帰ってもらうのか、多少他のメンバーよりは引き出しが多いのではありませんか?

私の場合は上記に加えて、今すぐ数値で測れなくても必要だと考えたなら自分の時間を使うのを厭わないタイプです。技術広報を担当されている方の中にも、そういう性格の方は多いのではないかと思います。

社内勉強会

さて、実際の社内勉強会の例を見ていきましょう。

私が運営している社内勉強会はどれも任意参加で、有志が参加している形です。オンラインでの参加者がいる前提で希望者はオフィスの会議室から参加しています。

輪読会

estieは経験者を中心に採用しているため、多様なバックグラウンドを持った人たちが働いています。開発チームに絞ってもスタートアップを渡り歩いてきた人もいれば、大企業から転職してきたり、Webアプリの開発は初めてというメンバーもいます。

estieとして当たり前の水準を高めていくためメンバーの知識レベルを底上げしたり、会社の中で議論しやすくするため新しい語彙を獲得し理解を深める必要があると考え、書籍を使った勉強会をしています。

今年は私が運営したものだけで『システム運用アンチパターン』、『チームトポロジー』『スタッフエンジニア』の輪読会を実施しました。3冊とも想定参加者や目的の違いによって開催方法を変えてみました。

『システム運用アンチパターン』の勉強会

目的 システムの運用を経験したことがないメンバーに知識をインプットする
開催回数 4回
開催頻度 週に1回
1回の時間 各回1時間
形式 3回の輪読会(前半講義、後半ディスカッション)・1回のワークショップ

参加者は書籍を読んでくる。事前に決めた担当者が、作成した要約を使って共有する。サポートメンバーを含め議論したい点を挙げ、全員でディスカッションする。という形式で行いました。

参加者を学習目的のコアメンバーと、コアメンバーの学習を促進させる目的で参加するサポートメンバーに分けて募りました。議論の中でサポートメンバーから知見提供しやすい空気とコアメンの学習圧が高まりました。

『チームトポロジー』の輪読会

目的 システムの運用を経験したことがないメンバーに知識をインプットする
開催回数 5回
開催頻度 2~3週に1回
1回の時間 各回1時間(最初の2回は1.5時間)
形式 前半講義、後半ディスカッション

各輪読会の前半は担当のEMが書籍の要約を作成し講義。後半は内容の理解のための議論や各々の領域で実践するためにはどうすればいいかなどを各々の知見・経験をもとにディスカッション。という形式で行いました。

ワークショップは各チーム視点で関連領域のチームタイプとインタラクションモードを書いてみる内容を行いました。ワークショップのファシリテーターはCTOのNariにお願いしました。

経営・マネジメントのメンバー中心で開発系だけでなく、ビジネス系のメンバーも参加しました。開発組織だけではなく、会社全体で語彙を共有するきっかけになった良い勉強会でした。

『スタッフエンジニア』の輪読会

目的 「スタッフエンジニア」という概念への理解を深める
開催回数 6回
開催頻度 週に1回
1回の時間 各回1時間
形式 前半黙読、後半ディスカッション

kenkooooが1人目のスタッフエンジニアに就任しました でも紹介していますが、今年estieはスタッフエンジニアという職位を導入しました。

私を含め馴染みのない人にスタッフエンジニア概念をインストールしたり、近い将来にスタッフエンジニアになる人にとっても理解を深める機会があったほうが良いだろうと企画したものです。

参加者の負担にならないようにゆるくやるのが良いと考え、30分その場で黙読、30分で議論する形式を取っています。黙読のペースは人によって2倍くらい違いますが、遅い方から2番目くらいの人に合わせて議論の範囲を切るようにしています。

ちょうど5回目が終わったところで、最終回は社内のスタッフエンジニア経験者へのインタビュー回で締めようと考えています。

その他、社内勉強会で意識しているポイント

勉強会の熱量を維持するため下記の3点は意識しています。

  • 社内の広くお知らせすること
  • 明確な終わりを設定すること
  • 貢献する方法を明確にすること

社内勉強会なんてなんぼあっても良いですからね

自力で必要なスキルを獲得していける人間でありたいし、同僚にもそうあってほしいと考えています。その上で、自由参加の社内勉強会はそのハードルを可能な限り下げる取り組みです。自分がちょっと場を作るだけで他のメンバーが仕事しやすくなるならこんなにお得なことはありません。ぜひあなたも社内でやってみてください。

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