オンボーディングを変革する: プロセス改善の誘い

はじめに


こんにちは。この記事は estie 真夏のアドベントカレンダー 2日目の記事です!

これまでさまざまなSaaSやiPaaSソリューションを活用し(必要に応じてスクリプトも書いて)、業務の合理化と効率化を図ってきました。estieにおける改善の一部を、このブログでご紹介したいと思います。

入社当初、重要な仕事のプロセスの多くがまだ手作業で処理されており、その積み重ねが組織の生産性を妨げていることに気づきました。これは当社に限っての話ではなく、多くのスタートアップ企業に見られる現象です。(そこにこそ、改善の大きなチャンスがありますね!)

改善の経緯と開始まで


早速、私のチームが実施した最もインパクトのあるプロセス改善の具体例をお見せしましょう。ひとつは、新入社員の採用における入社管理でした。社会人である多くの方にはイメージに容易いことかと思いますが、このプロセスには様々や労務手続きや社内で利用するアカウントの準備などが含まれます。担当者は新入社員がスムーズに入社し活躍できるように、期限内に準備を完了しなければなりません。

旧プロセスでは、これらの一連のプロセスは手作業で管理されており、担当者が主にJiraとExcelを使ってタスクを遂行していました。メイン担当者は2名ほどで、おおよそ月2〜3名の入社者を迎えていました。

すでにこの時点でも業務は逼迫気味であったのですが、新規採用者数は今後半年で倍増することを予測しており、これらの担当者では処理しきれない作業量になることは明確でした。

ここで会社は選択を迫られます。1つはプロセス管理のために今より更に人員を増やすか、もう1つはプロセスを最適化する方法を見つけるかということです。

改善内容


もちろん、私のチームは後者を選択しました。まずはプロセスを整備し、絶対に外せないポイント(このケースでは手続き期限)を明確にし、各コミュニケーションをアドホックでなく一連のプロセスが流れていくように構築しました。

当社ではコミュニケーションの大半をSlackで行っています。それを前提にして担当者の通知などは全てSlackで自動的に受領できるようにしました。また、入社者への連絡もSlackで行っていたのですが、チャンネル開設→メッセージ投稿という手作業は全て自動化しました。

担当者がボタンを押せば、各入社者とのチャンネルにメッセージが流れます。

1. 担当者がステータス管理およびボタンを押すページ

2. 受入に必要なアカウントタスク別に期限・担当者を一元管理できるページ。1.で担当者が指示を出すと、自動でJiraタスクが生成される

Slack appを自作して、チャンネル開設・関係者招集・メッセージ投稿という役割を担ってもらっています。大活躍です。メッセージの投稿はSlackのWebhook APIを介して行います。

Slackには従来、ワークスペースごとのIncoming Webhookという機能があったのですがそれが廃止され、Slack appに移行されました。慣れるまでは少し分かりづらいのですが、簡易的に書くとapp自体に認証および機能を持たせてそれがmethodを実行するという形式です。

今回は標準のWeb APIを利用しています。指示はscriptでも良いと思いますが今回はZapierを利用しました。

本当は入社者のワークスペースへの招待についても自動で行うプロセスにしたかったのですが、当社が利用しているPlanでは適用がなく、泣く泣くそこは手動対応にしました…Slack Enterprise Gridを導入している企業の方はぜひやってみてください(羨ましい!)

成果は非常に大きいものとなりました。入社に関する月に数百もの業務を自動化してそれに費やす作業時間を大幅に節約しています。更にこのプロセスは新規入社者が2倍になっても3倍になっても対応が可能で、随時進化できる仕組みなのです。

最後にプロセスの旧・新の対照を見てみましょう。

最後に


今日ご紹介した改善はごく一例です。その他にも、コーポレート部門のみならずセールス部門、また全社にまたがるプロセスの効率化を日々進めています。今後より拡大する事業と組織に合わせて、もっと複雑なプロセスに取り組みたいと思っています。最適な解決策を導くために、AIを含む新しい技術やサービスを試すことに前向きです。

  

エンジニアや組織の仕事効率化に興味が有る方がいらっしゃればどなたでも、ぜひカジュアルに面談しましょう!様々なプロセス改善のお話ができることを楽しみにしています。

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