事業責任者、スクラム出てみた

estie の齋藤です。私は2021年にestieに入社し、現在は当社の主力サービスであるestie proの事業責任者をしております。

今回は「事業責任者、スクラム出てみた」ということで、事業責任者および非エンジニア目線でestieのスクラムに出てみて感じたことを書いてみました。

スクラムとは、ソフトウェアをはじめとしたソリューション開発に使われる仕事の進め方で、複雑な問題に対し短期間で振り返りながら、常に「その時重要だと思われる課題」から取り組んでいくフレームワークです。
このフレームワークの背景には、「複雑な問題は完璧に計画して解くのは困難である」「顧客の要望や環境は変わりうる」という考え方があり、環境変化が激しく状況に素早く対応する必要のあるスタートアップ企業に適した開発方法だと言えます。

実際に学んだこと

  • 事業上の取り組むことへの打ち手について時間軸の観点で理解が深まった
  • プロダクト開発においてプロセスを高速化する余地があった
  • モノづくり・事業づくりの楽しさを改めて感じた

結論から言うと、上記の3つを学びとして得ることができました。

私自身の経歴を簡単に紹介させていただきますと、estieに入社する前は不動産業界での不動産実務経験とコンサルティングファームでのコンサルタントとしての経験の2つがキャリアの大きな軸となっており、estie入社後も基本的にはビジネスチーム(クライアント・ソリューション/事業開発)での経験が中心で、いわゆる非エンジニアです。

スクラムに参加したきっかけ

私の今現在の事業責任者としての主な役割は下記の3つです。

1. 事業計画の構想・策定と実現(PL責任)
2. 中長期の事業・プロダクト戦略の思考と投資実行
3. プロダクトマネジメントトライアングルの要としてのチームリード

(※プロダクトマネジメントトライアングルについては、estie社内でもしばしば引用されるこちらの記事をご覧ください。)

昨年5月の就任直後はもともとビジネス部門出身だったこともあり、地続き的に①を中心に行っていましたが、頼れるメンバーが増えたこともあり直近、特に2023年以降は②、③の領域に時間を費やすことができています。

現状、主要なプロダクト作りや開発チームマネジメント等は全面的に事業部CPOやCTOに背中を預けている状態ですが、グループとしてのパフォーマンスをより高めていくためには事業責任者である自分が事業に対してビジネス側面を超えた関わり方をする必要性を感じていました。

このような私自身の課題感があった中で、ひょんなことから事業上スピーディに開発・検証を進めることが求められるプロジェクトが始動しました。

  • 非常に不確実性の高いビジネス仮説に基づいた取組みであったため、不動産業界出身者であり顧客業務に比較的近い私が入ることで、仮説検証プロセスのスピードを上げる
  • 半年~1年後の持続的な成長を実現する重要イシューに関連するため、責任者としてのリスクリターンへの解像度をあげ、グループ全体への説明責任を果たす
  • 非エンジニアである自身の能力開発機会として

私自身が感じていた課題感と共に上記の3つを背景としてスクラムに参加してみることにしました。

スクラムチームの動き

通常のスクラムの動きは、開発・リリースなどを行い反復して開発を行っていく1スプリントを1週間とすることが多いと聞きましたが、本件においてはよりスピーディに進めていくために、変則的に1日、2日などの期間でスプリントを回してみるなど、チームでスクラム運用を工夫しながら開発にあたりました。

チーム内における私の主な役割は4つあり、

  • とにかく早くFigma(プロダクトのインタフェース(画面)等をデザインできるツール。estieでは実際の開発に入る前に使用)上でのプロダクトイメージを固めるべく、一不動産業界出身者/顧客担当者視点でデザイナーにフィードバックをしまくること
  • 新機能の開発となるので、実際にお客様が好意的に受け止めていただけるかどうかの、検証にご協力いただく顧客を獲得するとともに検証プロセスをCS(クライアント・ソリューション)チームと作り上げること
  • 実装上の各種論点に対する方針決定をその場で(重要!)すること
  • よくわからないながらもチームの盛り上がりに貢献すること(できたかどうかは不明)

です。

ストーリーポイントを見積もる    わからないことを質問するとたにしくん(SWE)が優しく教えてくれる

事業責任者がスクラムに参加して得た学び

1-2年の事業上の取組みテーマに対する打ち手(投資)について特に時間軸の観点で理解がより立体的になった

事業責任者の齋藤としての学びはこの点が最も大きかったと思っています。

estieの数ある業務の中で営業・事業開発については自分自身が直接体験してきた領域であり解像度が高い一方で、プロダクト開発については特定テーマの開発にどれくらいの投資(ヒト・モノ・カネ)を要するかについては中々見積もるのが難しいなと常々感じていました。

そのため特に事業計画の策定等、事業の中長期計画を立てる際は、ややSalesドリブンに「半期~通期で積み上げられる顧客数/MRRってどれくらいだろ?」とボトムアップで考えてしまいがちな点が自分自身の課題感として存在していました。

今回とあるスクラムに断片的でなく、一定期間毎日参加し続けることで開発に要する期間の概念や、実現難易度への理解が高まったことでより大胆に高い成長計画を考えることができる!と思っております。

プロダクト開発における仮説構築~顧客に価値を届ける(収益を上げる)までの一連のプロセスにおいて、顧客に近いメンバーが参画することでプロセスをより高速化する余地がある

これは今回の参画前から持っていたぼんやりとした課題意識だったのですが、より強く意識しました。

私が参画したことで創出できた時間はそれなりにあったように感じており、積み重ねるとそれなりの時間の短縮化に貢献できたのではないかと思います。(当然私がいないならいないなりに工夫してスピーディーにやってくれるチームではあるのですが)

特に、開発側のタイムラインとビジネスチームが顧客に届けるタイムラインの共有化と高速化(下記の④)に関しては取組インパクトが大きく、今後のチーム編成上の工夫という形で早速改善を図っていきたいと思っています。

プロセス リードタイム長期化の要因例 発生時間
①ユースケース整理 適切な対象業務が不明なため、別途、ビジネスチームの時間を取ってヒアリング実施 (調整含め)1-2営業日
②プロダクトデザイン 不動産業界の顧客にとって心地よいデータの見せ方がわからずちょっと迷う(→わかりそうな人を捕まえてSlackで相談する) 半日くらい
③実装・開発 当初計画通り機能の実装をこのまま進めるべきか/よりスピードアップを取るべきかスクラム内で議論 半日くらい
④営業チームへの接続/顧客へのデリバリー リリース日以降にビジネスチームに開発の背景含め説明し、顧客に提案するアポを取る 1週間以上

モノづくり・事業づくりって楽しい(から皆様是非やってみて欲しい)

私はこれまでのキャリアでコンサルタントとして事業戦略・DX系のテーマに数多く関わってきたのですが、いずれもStrategy & Operationの領域での取り組みがほとんどで、実際に動く何かを作る/顧客が実際にプロダクトを使うところを見るという経験はなかなかできていませんでした。

今回、スクラムに参加することで自分たちで考えたプロダクトを実際にお客さんが触って「いいね、使いやすい!」という生の声を現場でいただいたときは最高でした!

世の中の多くのビジネス系の職種(営業・企画・コンサルタント等々・・・・)の中でもここまでモノづくりに関われる仕事ってあまりないのでは?オススメです!!!(PR)

最後に

最後までお読み頂き有難うございました。

今回私がスクラムに参画するきっかけでもあったのですが、2020年のestie pro のプロダクトリリースから約3年というタイミングを迎える中で、現在グループでは顧客へのシームレスかつスピーディーな体験価値の提供や、チームの開発者体験の向上の実現に向けて、プロダクトのリニューアル含む、これまでの延長線上ではない取組みを検討しています。

今回の計画の成功にあたってはビジネス/開発ともにより一層の強いチーム作りが必須です。

estieでは引き続き様々な職種で募集をしておりますので、「どんな計画をしているの?」など、気になった方は是非カジュアルにお話ししましょう。

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