事業開発とプロダクトマネージャーは二人で一人

こんにちは。PMと事業開発を担当している中村(ゆーぶん)です。このブログは、6月の estie PM Meetup に向けたブログシリーズとなっており、「PM Blog Week」第4弾 3日目のブログです。<<前回ブログはこちら>>

突然ですが、「CFOとCOOって、いいコンビだな」と思いませんか?

それぞれどういう責務があるかを整理してみると、

  • CFO(Chief Financial Officer)は、会社の未来を信じてくれる人からお金を集める人。資金調達をし、投資家や外部ステークホルダーに対して「この会社なら成長する」「このプロダクトなら伸びる」という約束と計画を提示することで資金調達を実行する。
  • COO(Chief Operating Officer)は、調達した資金を現場でゴリゴリと成果(資産)に変換する人です。組織を動かし、CFOが約束した計画を現実のものに変えていく。

この構図、実はestieにおける事業開発とプロダクトマネージャーの関係にも、そのまま当てはまるなと最近思うようになりました。

もうすぐログラス社主催の「新規事業 PdM vs Bizdev どっちが重要?ガチンコ対決」があり、estieも登壇予定ですので、事業開発(Bizdev)とプロダクトマネージャーの関係性について考えていることをつらつらと書いていこうと思います。

事業開発はCFO:「信用を得ること」が仕事

estieにおいて事業開発を行う場面では”売り物”が手元にないことが基本です。

”売り物”がないのに売上を作っていかなければならないので相当きついことは想像に難くないでしょう。

ではそんなきつい中で実際にestieではどんな仕事があるかというと下記のようなものになります。

  • 事業計画作成
  • 顧客/パートナー企業とのアライアンス提案
  • 営業(新規営業、料金プラン作成)

これらに共通するのは、すべて未来の価値を信じてもらう行為、つまりCFOのような仕事だということです。

「1年後は〇〇円規模の事業になっているので人をアサインしてください」と事業計画を元に経営陣を説得し、
「貴社の〇〇と弊社の〇〇が一緒になれば双方利益となる事業が作れます」とパートナー企業を説得し、
「貴社の〇〇の課題を我々のプロダクトなら解決できます!」と営業をしていくのです。

CFOはもう1,2レイヤー上層の規模で上記を実行していますが、本質的な部分はCFOと同じ動きだなあと私は感じるわけです。

プロダクトマネージャーはCOO:「成果で返す」のが仕事

事業開発がうまくいき、”資金”を調達できたとして、借りたお金は色をつけて返さなければなりません。誰がその資金を返していくのか?というと、それがプロダクトマネージャーなのではないかなと思います。

estieでのプロダクトマネージャーの業務は下記のようになります。

  • 事業計画を遂行するためのロードマップの作成
  • ロードマップからのドキュメント、チケット作成
  • 手を動かす(実装する、データを集める、営業するなどなど)

つまり、信用された未来を、現実の成果に変換する実行責任者。これはまさに、COO的な仕事です。

借りた信用をそのまま返しては貸してくれた人のメリットはないため、何倍かにして返す必要があることも添えておきます。

経営陣が信じた事業計画、パートナー企業が期待した効果、信用して購入してくれた顧客価値を、絵空事で終わらせずにコツコツと現実に変えていくことが求められており、まさしくCOOだなぁと思うわけです。

たくさん借りてきて、たくさん返そう

上記のように捉えたとき、事業開発とプロダクトマネージャーはどういう関係性が健康的なのでしょうか。

事業開発とプロダクトマネージャーが衝突する瞬間は間々あるかと思います(私も経験したことがあります)が、事業がうまく行っていないときに両者どういう感情になっているかと想像すると、下記みたいな感じではないでしょうか。

事業開発「誰が売上作ってきたと思ってるんだ。お客様はこう言ってるんだから文句言わずやれよ!」

プロダクトマネージャー「出来もしないことを約束しやがって、、、そもそも計画に無理がありすぎるんだよ!」

ヤバそうですね。こうなったらおしまいですが、CFOとCOOの関係性として考えてみたとき(極論的に考えたとき)に、下記のようなリスペクトを持つことができるのではないでしょうか?

事業開発「一人ではものを作れないので何もできない。プロダクトマネージャー、ひいては開発チームがいないとすべて私の言葉は嘘になってしまう。プロダクトマネージャーのお陰で信用されるビジネスパーソンでいられる!」

プロダクトマネージャー「ものを作ろうにもそもそもお金と使ってくれる人がいないと始まらない。そんなきっかけを作ってくれる事業開発のお陰で生活ができている!」

美しいですね。上記のような意識を持てると、しんどい事業立ち上げでも踏ん張ってチームで成功を収めることができるのではないかと思います。

更に事業開発とプロダクトマネージャーの関係性が良いと、信頼に対してより大きく返す事ができ、それによって更に信頼され大きな期待をいただく…とより事業を成長させることができます。

両者、良好な関係性を築き、より大きく借り、大きく返せるチームが最強なのです。

最後に:事業開発とプロダクトマネージャー、二人で一人

私自身、estieで事業開発とPMの両方を担当する中で、借金する側(=信用を得る側)と、返す側(=価値をつくる側)を両方経験してきました。

だからこそ強く感じるのは、「信用を得ること」と「信用を裏切らないこと」は、まったく別の筋力だということです。

事業開発として信用を得る力も必要。
PMとしてその信用を守る力も必要。
どちらかだけでも、組織は前には進みません。

どちらもできる人はスーパーマンですが、スーパーマンでないからこそ事業開発とプロダクトマネージャー二人で一人の意識を持ち、信頼関係を築いて事業を推進することこそが成功の正攻法なのだと思います。

事業開発とプロダクトマネージャーどっちが偉いとかはないので、リスペクトを持って仕事に望みたいものですね!

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