住宅領域への挑戦 顧客と共に進む事業開発

【プロフィール】胡田 隼也(えびすだ じゅんや)

大学卒業後、新卒で住友不動産入社。分譲マンションの開発業務を担当。その後リクルート(当時、(株)リクルート住まいカンパニー)で大手デベロッパーへのソリューション営業を担当。 2022年10月にestie参画。アカウントマネージャーを担当した後、3ヶ月の育休を経て、レジリサーチユニットリーダーを担当。

趣味は家探しと筋トレ。

現在、「estie レジリサーチ」という住宅を対象とした新サービスのユニットリーダーを担当しています。

前職はリクルート住まいカンパニーだったのですが、estieに入社した頃、こんなにも早くまた住宅のことを考える日が来るとは思っていませんでした。

後述しますが、「estie レジリサーチ」の構想からリリースまでの激動を振り返り印象的なのは

  • 住宅マーケットに対峙する必要が強くあると感じるほど、顧客の声は熱かった(届いてきた)

  • 「やる」となった時に魂をつぎ込んで、爆速でチャレンジしていけるのはスタートアップの醍醐味

の2点だと感じています。

なぜ住宅領域へ?

estieが対峙するマーケット

まずestieが対峙しているマーケットは、商業用不動産です。商業用不動産とは、オフィス、商業施設、物流施設、ホテルなど経済活動に使われる不動産の総称です。

estieでは商業用不動産業界全体のデジタルインフラ構築を目指しており、早い段階から賃貸住宅の領域も検討しておりました。ただ不動産業界について少しでもご存知の方は、住宅はデータベースとしてペインが強くないのではと思うかもしれません。

例えば創業プロダクトでもある「estie マーケット調査」は、オフィスの賃料データベースを提供しています。オフィス業界は賃料自体が非常にクローズドなものであり、それらを入手するにはどうしても手間がかかります。そういった背景から、「データそのものの価値」がイメージしやすいのではないかと思います。

一方で住宅は、SUUMOをはじめとしたネット上のポータルサイトで一定情報を拾うことができます。そのため私自身、当初は賃貸住宅領域におけるデータベースの必要性にピンときておりませんでした。

顧客と対峙する中で聞こえてきた声

少し話は逸れますが、estieに入社した2022年時はアカウントマネージャーという職種を担当していました。「estie マーケット調査」をご導入いただいている顧客を担当させていただき、実務における活用支援がベースの業務です。 ただ活用支援をするだけではなく「経営・業務課題の中で本当に必要なことは何か。彼らの利益に貢献するにはどうしたらいいか」「既存のプロダクトにとどまらず、どういったソリューションを提供すべきか」など、担当する顧客のアカウントオーナーとして定期的なディスカッションの場を頂戴していました。

既存顧客の中には、オフィスや住宅を含めた複数の領域で(総合型)開発・運用されている方や、今後住宅へ領域を広げていきたいという方もいらっしゃいます。そういった方から、「住宅領域はやらないの?」というお声をいただくことがありました。

なぜ住宅領域のサービスが欲しいのかと、顧客の声を深く聞いていくと、オフィスや物流領域とはまた異なる課題がそこにありました。

  • 他アセットと比較しても住宅は数が多く、必然的に賃料の見立て含めて検討の機会が多い

  • 一定情報がオープンかつ、分析への期待値も高い(南向きだから〜など要因を特定しやすい)

  • とはいえ物件数・変数の情報量自体は膨大である

結果的に幅広い情報を収集・整型・加工・分析するまでの一連の負荷が大きい領域だということがわかりました。

(顧客は、住宅領域のペインを抱えている。解決策を求めている。)

顧客に向き合う中で、住宅領域に本気でチャレンジしていきたいという想いが強くなり、アカウントマネージャーという横断的な立場から、estie レジリサーチを立ち上げるユニットリーダーとしてのチャレンジが始まりました。

estie レジリサーチの開発へ

価値の追求

強いニーズを感じる一方で、まだ半信半疑の部分もありました。それは、他の方から「住宅領域は難しいと思うよ~」「住宅領域は情報あるからね~」など正直ベースで仰っていただく機会も多かったためです。住宅領域の情報収集から分析までの領域にペインがある顧客、ない顧客。どちらも本当なのだと思います。その違いがどこにあるのか、何を本質として求めているのかを特定しにいく必要がありました。

複数のユーザーインタビューを重ねながら出来上がった、MVP(試作品)。 論点は「このサービスに価値があるのか?」ということでした。

すごく良さそうなサービスであることと、そのサービスにお金を払い続けることは大きく異なります。本当に価値があるのか。どうしたら価値があるのかを確かめ続けることが命題でした。

濃厚な商談で顧客と一緒にプロダクトを強くした

結論、「estie レジリサーチ」は爆発的なスピードでご導入いただくことができました。手前味噌ですが、estie 社内史上最速で成長を遂げているプロダクトになっています。

ただ初めからスムーズなわけではなく、「期待に届いていない」など厳しいご意見をたくさんいただきました。にも関わらず成長できたのは、確実に顧客と一緒に強くできたからという自負があります。綺麗な商談を重ねたわけではなく、むしろねっとりとした濃厚な商談ばかりでした。

僕らがやりたいのは、住宅領域におけるペインの解消です。顧客と一緒に課題に向き合い、時には足りない部分は一緒にホワイトボードを囲んで一緒に図示をしてすり合わせるようなシーンもありました。時には物件の内覧会をestie向けに開いていただき、開発メンバーも含めて実際の住宅現物を見せていただいたこともありました。

少しでも顧客の業務を知るために、可能な範囲で彼らのやりたいアウトプットを共有してもらい、「なぜそれをやりたいのか?」のしつこい問いに対して丁寧に答えていただきました。そして対話を重ねれば重ねるほど、住宅領域におけるリアルなペインがどんどん見えてきました。例えば、物件購入検討の場面では以下の3つを高速に行い検討する必要があります。

  • 膨大な情報を、多方面から網羅的に集める
  • 集めた情報を、加工しやすいようにまとめる
  • 重要な投資判断のために、さまざまな分析を施し示唆を出す

これらを短期間かつ少人数でこなすには、まだまだ住宅領域のデータベースの整備は追いついていませんでした。(本当に大変すぎて、夜な夜な音楽を聴きながら無心で作業されているという方もいらっしゃいました)

このペインに辿り着くために行ったことはシンプルで、提案する→ヒアリングする→社内で揉んで開発→提案する→ヒアリングする→社内で......を何度も何度も繰り返しました。

このサイクルをいかに速く回してアウトカムを最大化できるかが重要だと思っており、とにかく思考しながら試行することを続けました。

顧客の大切な時間をいただいていることもあり、「顧客の声」を聞きまくるというのは必ずしも正ではないと思っています。読者の皆さんも、「本質的なペインは何?」と聞かれてもすぐに正しく言語化するのは難しいですよね?聞こうと思ってすぐ「顧客の声」は聞けるものではありません。

だからこそ初期は提案型ヒアリングが重要だと思っており、MVP(試作品)があればより捗ります。会話だけでペインの解消を図るのではなく、よりリアルにペインを解消する術(時には動くプロダクトを見せる)を見せることで本気で解消できそうかを言語化してくれると思ってます。

「estie レジリサーチ」の爆発的な成長スピードは、常に爆速で進化を遂げるプロダクトをもとにした提案型ヒアリングで実現してきました。

これからのestie レジリサーチ

サービスの提供は開始しましたが、まだまだ顧客のペインは解消し尽くせていません。彼らの業務を知れば知るほど、必要なものがどんどん見えてきます。これからも一緒に、顧客にとって良いもの・業界にとって良いもの・社会にとって良いものを作っていきたいです!!

最後に

冒頭お伝えしたようにestieの魅力は

  • 不動産領域はまだまだペインが大きく、それを求める熱い顧客の声も多い

  • やるぜとなった時に魂をつぎ込んで、爆速でチャレンジしていけるのはスタートアップの醍醐味

だと思ってます。

これだけやりたいことを、スピード感持ってチームでやれるフェーズはなかなかないと思います。ご興味ある方、ぜひ以下のフォームからご応募お待ちしております!!

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