不動産版エムスリーを創る!

【プロフィール】
2010年エムスリーに新卒1期として入社、製薬会社のマーケティング支援に従事。複数の製薬会社と戦略的、包括的なアライアンスの締結および実行をリードする傍ら提携先スタートアップのバリューアップに携わる。ヘルスケア系スタートアップを経て2023年にestieに参画、現在デベロッパー/仲介事業者間の情報流通の強化に向けた事業開発を担当。慶應義塾大学卒

今までのキャリア

新卒でエムスリーに入社し10年弱事業成長のために没頭する

新卒1期としてエムスリーに入社し、主にアカウントマネジメントのようなポジションで製薬企業と医師の間における情報の流通を滑らかにすることに取り組んでいました。

エムスリー時代、新たなビジネスモデルへの転換を推し進めたことが印象に残っています。

前提として、私は「非連続的なこと」への挑戦を生きがいに感じていました。自分じゃなくても会社が120%成長することはできるかもしれないが、その成長をさらに2倍、3倍にする変曲点を生み出すコトを成したいという思いがあったのです。

そうしたことから、単なるサービス提供者ではなく、自分たちが主体的に顧客のプロダクトにコミットすることで、エムスリー・顧客の製薬会社双方にとってより大きな成果を出す成果連動型のビジネスへの転換を目指すプロジェクトになります。
その結果、金額規模的にも新規性としても大きく意義のある契約の締結につながり、現在では同様のモデルが他の製薬会社でも展開されるまでに至りました。この取り組みは、エムスリーを製薬企業の情報を医師に届けるエージェント的な役割から、より多くの医療機関・患者さんに扱う薬を届けることをコミットしていく主体的な立ち位置へ押し上げた、大きな意義を持つものだったと考えています。まさに「非連続的なこと」を実現できた瞬間でした。

「手触り感のある事業に取り組みたい」と少しづつ思い始め、転職を検討

そんな充実した毎日を送っていた一方で、新卒からエムスリーに入社したため、大きなインパクトを残せたのは自分のいる環境があったからではないかという思いも抱えていました。そして、自分で最初からやったらどうなるのかチャレンジしたいという気持ちが芽生え転職を考え始めました。また、実際の医療現場での成果が見えにくいと感じており、つぶさに成果が感じられる手触り感のある事業に取り組みたいという思いもありました。

そのため、医療現場に近いところで、大きな看板をおろして挑戦できるという軸で、オンライン診療のスタートアップに転職し、医師と患者をデジタルでつなぐ、より医療現場に近い領域で仕事をしていました。

これまでの経験から、ヘルスケアの企業で大きな成長を成すには、国(保険)か製薬会社という2つのマネタイズの方法しかないのだと感じるに至りました。当時取り組んでいた事業開発の方向性は、製薬企業からのマネタイズであり、その多くを占めるのは広告でした。そうなると、この先5年を見据えた時、その事業を伸ばしていくためには、エムスリー時代にやっていたことの後追いをするという既視感を覚え、ヘルスケア業界において自分にできること、やりたいことはやり切ったのではないかと感じました。

そこで、業界を変えて自分の再現性をもってチャレンジしてみたいと思い、転職を考え始めました。

業界や企業の選び方

業界を変えたスタートアップでの転職を考える際に、vertical軸かhorizontal軸で迷いました。

horizontalは各業界に広く提供できるからこそ、効率的に最大公約数の利益を実現できるという良さがありますが、最終的に自分が本気で取り組みたいと思ったのは、個々のより具体的な課題を解決できるverticalでした。

不動産と医療業界の類似性とポテンシャルを感じるポジショニング

  • 規模

    不動産市場は売上ベースで約45兆円、うち、estieが現在タックルしている市場は不動産賃貸料+不動産仲介料の付加価値額16兆円というオーダーです。
    一方、医療は、国民医療費ベースで30兆円、うち医療用医薬品が10兆円という規模感です。もちろん、プレーヤーの数、寡占率などの差異はあれど、扱うテーマとしての金額感としては過去の経験と遜色なく、また、解くイメージの湧く規模感でした。

  • 構造

    産業の器としての不動産があり、その上に経済活動が成り立つと考えると、医療業界における医師30万人の先に1億2000万人の健康があるというレバレッジの観点で共通しています。
    さらに分解して考えてみると、多額の投資をして商品を開発するオーナー(貸主or商品を持つ製薬企業)が、媒介(仲介会社or医師)を経由し、多数のエンド(テナントor人々)に価値を届けているという、リボン図の構造も類似しています。
    estieに入社すれば、これまで製薬会社の医師への情報提供を最適化することで社会にインパクトを与えてきた成功体験をベースに、不動産業界にも類似のアプローチを持ち込むことができると考えました。

  • ポジショニング

    情報の流れを考えると、オーナー→仲介→テナントという不動産の情報の流れは、製薬会社→医師→患者という医療業界のケースと似ています。
    また、オーナーと仲介をつなぐestieのポジションが、製薬会社と医師をつなぐエムスリーの立ち位置と似ているところも、ポテンシャルを測る上では、とても興味深いと感じています。

伝統産業で培ってきたモノをより強化し、世の中へ還元する

私自身、もともとビルがめちゃくちゃ好きだったというわけではありません。

しかし、ヘルスケア業界にて製薬企業と医師の間、医師と患者の間という上流と下流、両方の関係をつなぐビジネスを経験したからこそ、不動産業界で下流となる仲介とテナントを結ぶ「オフィス探し」だけではなく、上流部分であるオーナーと仲介の部分でもビジネスを加速させているestieのフィールドに惹かれています。

さらに、情報流通やデジタル化という観点でも不動産業界には構造的な負がまだまだ残っており、自分の経験が生かせる余地があると感じています。伝統産業で培ってきたものをより強化・進化させて世の中に還元していくテーマはハードルは高いものの、インパクトの大きさからみた期待値は極めて高いものだと思っています。

そこに対して、estieは単なるサービスベンダーという立ち位置ではなく、業界の各ステークホルダーの皆様と一緒によりよい業界、価値を世に還元していく業界に変えていける稀有なポジションにいます。

人生という有限な時間の中で、医療業界でこれまで通り続けることで生み出せる価値よりも、不動産というまっさらなフィールドにその知見を持ち込む方が面白そうだと思っています。今考えると、新卒1期でエムスリーに飛び込んだことやエムスリーという大きな看板がない状態でチャレンジしたいという思いと、不動産業界のカオスな状態に飛び込んでいく姿勢が一致していたのかもしれません。これからに不安感はなく、むしろこの先の地図は粗いながらも見えている中で、これまでの経験を活かせることにワクワクしています。

最後に

estieは「産業の真価を、さらに拓く。」をいうpurposeを掲げています。全ての産業は商業用不動産という土台の上に成り立っており(ITですら従業員のWorkplaceやデータセンターとして不動産との関わりがある)、我々がその最適化・発展に貢献することで、多くの産業、その先の人々にインパクトを与えられると信じているからです。 と考えると、estieが成すことはverticalに深い問題解決、しかしインパクトはhorizontalに広がっていくという、ビジネスパーソンにとってとてもやり甲斐のあるテーマだと思っています。

ぜひ、本記事がスタートアップに挑戦したい、と思っている方々に届き、estieを選択肢に入れてもらえるきっかけになると嬉しく思っています。求む同志!!

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