Rust、何もわからない... #8 イベントレポート

エンジニアのhishikiです。2023年5月22日に『Rust、何もわからない... #8』を行いました。本イベントはチュートリアル卒業後に実務でRustを使っていく中で得た知見の共有を目的とした中級者向けのイベントです。8回目となる今回は株式会社ゆめみ Kai Fukushimaさん、株式会社ティアフォー 高野祐輝さんにゲストLTをしていただきました。各LTの内容を紹介します。

「Rustの会社といえばゆめみにするぞ」と言われて

ゆめみ株式会社のFukushimaさんからは社内でのRust活用事例と、社内メンバーの教育に関してのお話をいただきました。

BFFでのRust活用事例についてはRust,とGraphQLの型システムを生かすことでバグが少ない、かつcrateの分離によって依存関係の制御を行いやすいアプリケーションを作ることができたという内容でした。

また社内での研修においては勉強会といった形で終わることなく、実際にジョブボードを作成する実践的な内容となっており、ゆめみ社の育成に関する意識の高さを伺い知ることができました。

async_graphqlのguardが便利だった話

speakerdeck.com

estieのhigeさんからはasync_graphqlを用いたGraphQLへの移行についてお話いただきました。

async_graphqlのguardを利用することで各Fieldが誰に対して公開可能なのかというロジックを可読性と柔軟性を保ちながら表現できるところは確かにメリットですね。特に登場人物が多いシステムでは権限管理が煩雑になりがちなので今回のguardの利用方法は勉強になった方も多いと感じました。

またお土産として sqlx + async_graphqlの環境を提供してくださいました。ぜひasync_graphqlに関して興味がある方は触ってみてください!

github.com

Rustでつくるロボットソフトウェア

株式会社ティアフォーの高野さんからはロボット向けのミドルウェアRobot Operationg System2(ROS2)向けのRust版クライアントライブラリに関する内容でした。

既存のC++からRustライブラリへ移行することで、Segmentation Faultや不要な変数の共有に起因するバグをなくし可能な限り安全なソフトウェアの実現を目指しており、自動運転ならではのソフトウェアに対する要求が垣間見れました。

またQAセッションでは今後公道を走る際にはISO、SOTIFなどの認証系に従った安全性基準を満たす必要がありその際にもRustでの安全性が生かすことができるとのことでした。

人の命に関わるソフトウェアを開発することの難しさとそういった場面で活用されるRustの魅力を感じられるスピーチでした。

最後に

今後も『Rust、何もわからない...』は定期開催していきたいと考えています。ご興味のある方はconnpassページをフォローして告知を受け取れるようにしてみてください。

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