事業開発の頃の私に改めて伝えたい当たり前のこと

estieのHRを担当してます山本絢子と申します。estieには事業開発として2021年4月に入社し、2022年1月から人事を担当しております。

入社当初は「事業開発」という名前はついてたものの、ビジネス部門には3名しかいなかったため、半分が今のestieの「クライアントソリューション」ポジションが担当している既存顧客へのカスタマーサクセス、契約継続及びアップセル交渉、そしてもう半分は新規事業開発といった業務を担当しておりました。

HRになってからは幅広いHR業務に携わってきましたが、2022年1月にシリーズAの資金調達をおこなったタイミングと重なったこともあり、組織を急拡大するフェーズに入ったため、採用業務が業務の大部分を占めてきました。

採用業務を進める中で、会社へのプロダクト・サービスの導入を検討する機会が増え、自分がビジネス部門にいたときの反省がいくつもあったので、改めてどんなことに気づいたのかこのブログに記しておきたいと思います。以下の内容は、顧客対応に関わっているポジションの方(営業・カスタマーサクセス・事業開発等)に是非読んでいただければと思っております。

そもそも採用業務ってどんな業務?

ここで、採用業務を進める中で、どんなプロダクト・サービスの導入が必要かイメージを持っていただきやすいよう、そもそもの業務について説明します(estieでは中途採用しか行っていないため、中途採用業務の説明になります)。人員計画・要件固め→母集団形成の計画・実行→候補者の選考実施→内定→内定者フォロー→入社といった流れで採用プロセスは進みます。例えば1人採用するのに、100人と会う必要があれば、100人との接点づくり、100人との面談の日程調整、100人との面談を実施、といった形で非常にオペレーティブな性質もありつつ、要件設計や母集団形成方法の検討等は戦略的な性質もある業務です。

この業務を進める上で、母集団形成のためには採用媒体やエージェントとの契約、面談調整や面談実施のためには管理ツールやRPO会社との契約等、日々各種プロダクトやサービスとの新規契約・契約更新が発生します。

estieは2022年1月時点で32名の体制でしたが、8月時点で53名の体制となりました。年末に向けては84名の体制を目指しておりますが、2-3カ月単位で採用業務の課題は変化しており、その時々で何かしらのプロダクトやサービスを導入しております。下図は2022年1月以降、採用チームとして検討・導入したプロダクト・サービスの変遷です(プロダクト・サービス名は伏せます)。

出来事
2月 媒体継続契約
3月 媒体継続契約・ツール継続契約
4月 媒体新規/継続契約・RPO契約
5月 媒体継続契約・エージェント契約
6月 ツール新規契約
7月 エージェント契約・ツール継続契約
8月 RPO契約・ツール新規契約

プロダクト・サービス導入をする側に立ってみて

プロダクト・サービスを売る側・デリバリーする側は多く経験してきましたが、前職を含めても会社へのプロダクト・サービスの導入をこんなにも頻繁に行うことは初めてでした。事業開発担当をしていた時は、「なぜこんなにいいプロダクトなのにすぐに顧客に伝わらないのか」「なぜ真剣に検討してもらえないのか」等と思うことばかりでした。導入を推進する立場になると、当たり前のことばかりですが、「顧客」がどのように営業・カスタマーサクセスを受け止めているのか改めて見つめ直すことができたため、営業・カスタマーサクセスの工数は度外視で一度あるべきを書いていきたいと思います。

顧客は日々の業務で忙しい

まず本当に当たり前ですが、何かプロダクト・サービスを導入する=会社が何かしらに投資することになるので、その意思決定をするにあたっては、現場及び決裁者がその投資に意義があることを理解し、進めたいと思う必要があります。そのためには、説明を聞く時間を設け、もらった資料を読み込み、論点を整理し、打ち合わせを再度し、契約書を確認し、稟議書を書き、社内説明・合意形成を行う必要があります。そもそも、別の業務で週5、1日8時間の予定が組まれていたところ、上記の時間をとるために時間を捻出するという業務も発生します。

そこで、顧客対応をしている人は、以下2つ徹底する必要があると改めて認識させられました。

①顧客のスケジュール管理

採用業務の中でプロダクト・サービスの導入を検討するにあたり、3つくらい自分の状況パターンがありました。

  1. その導入を進めなければ業務が前に進まない/目標達成できない
  2. 中長期的にその導入が必要であることはわかっているが、他の業務と比較するとなかなか優先度が上げられない
  3. そもそも導入効果に対して懐疑的であり、優先度を上げる気もない

もちろんプロダクト作りの教科書的には、そのプロダクトの導入を検討される際に1と認識されていることが理想だと思いますが、導入先の会社の状況・担当者・決裁者によっては必ずしもそうならないことが現実だと思います。顧客担当をしている人は、2の状態にある顧客と如何に現実的なスケジュールを合意し、検討のマイルストン設計ができるかが重要になると思います。

実際に2の状態で検討し始めたプロダクト・サービスでも先方担当者がスケジュールを一緒に決めてくださり、進捗管理含めて伴走していただけたプロダクト・サービスについては後回しにせず期間内の意思決定をすることができました。

②ROIの説明に必要なデータ提供

結局導入を進める上で、必ず求められるのがROIの説明だと思います。ROIを説明するための材料は出せるものは全て出した方がよいですし、そのために必要なデータ整備は常にしておくべきでしょう。また、導入推進者が現場の担当者であれば、決裁者からの想定問答を徹底的に聞き出し、それに答えられるような準備を手伝ってあげることでより早く検討を進められる状態になるかと思います。

実際、社内説明上必要な情報・データを依頼し、すぐに多角的な情報を出していただけたケースでは、改めて検討し直すと本来想定していたプランより、一つ上のプランの方がニーズに合うことがわかるケースもあり、プロダクト・サービス提供者からするとアップセルの可能性にもつながるかと思います。

真剣に検討してもらえるまでコアニーズは言語化されない

当然ながら、プロダクト・サービスの導入を検討していると、あんな機能もあった方がいい、こんな機能があると便利、といった”ニーズ”はたくさん出てきます。一方で、本当にこの投資を進めたいと思ったときには、わかりやすく社内にプロダクト・サービスのROIを伝え、理解を促す必要があるため、こういった枝葉の議論は一切しなくなり、何を求めているのか、言葉がどんどん研ぎ澄まされていきます。

仮に自社のプロダクト・サービスが導入されないという結果になったとしても、顧客にニーズの言語化をさせるプロセスは非常に重要だと思っており、次回検討するためには何が必要か明確にするためのステップでもあると思います。逆に、曖昧な提供価値の認識で導入されてしまったプロダクト・サービスは契約更新のタイミングで、そのROIが厳しく検証され、契約解消となってしまう可能性が高いでしょう。

まとめ

ここまで書いてきたことは本当にイケている営業の方、カスタマーサクセスの方にとっては当然のことばかりだと思いますが、私個人としては、頭では理解しつつも、ここまで鮮明にこの感覚を味わえたのは今のHRポジションを務めるようになってからでした。

特にスタートアップのプロダクト・サービスは新しい価値を生み出しているため、顧客の既存業務から考えると最初から「ないと困る」という状態になるのは非常に難易度が高いと思っています。その際に、この記事について少しでも思い出していただき、顧客の立場に立った上でのプロダクト・サービス導入を行ってもらえると良いかもしれません。

最後に

「顧客の立場に立った上でのプロダクト・サービス導入」という思想に近い概念として、estieでは、「アナタシテン」という言葉をValuesの一つとして設けております。

この記事を読んで共感・興味を持っていただいた方は是非カジュアル面談にてお話ししましょう!

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