はじめまして estie(エスティ) に10月1日からフルジョインしたNariです!
今回は半分退職エントリのような形で、僕の簡単な自己紹介と、なぜIndeedをやめて estie にジョインすることに決めたのか、estie で何をやっていくのかを中心にお話出来たらと思います!
【 プロフィール】
岩成達哉(いわなりたつや、Nari)
1991年島根県出雲市生まれ。
島根県松江工業高等専門学校 情報工学科出身。全国高専プログラミングコンテスト(2010) 課題部門最優秀賞をとり、文部科学大臣賞、情報処理学会若手奨励賞受賞。東京大学工学部 電子情報工学科に編入し、GraphDBのクエリ高速化を研究。また、高専在籍時に開発したプログラミング教育教材(Androidアプリ)をもとにしてプロダクト開発を行い、Android Application Award 2012 学生奨励賞など複数のコンテストで受賞し、仲間を集めて大学在籍中に起業。チームを作ることやプロダクトをスケールさせる難しさを実体験し、「エンジニアリングだけでなくプロダクトを成長させることも難しくて面白い」と思うようになる。
東京大学大学院 情報理工学系研究科に進学し、自然言語処理によりウェブ上のテキストを用いてモノの順序付けを行う研究に取り組み、IJCAI含む複数の学会で発表。その他、グーグルジャパン合同会社やリクルートホールディングス株式会社など複数の企業でインターンを経験。
大学院修了後は、前職となるIndeed Japan株式会社に就職し、3年半ソフトウェアエンジニアとして世界No.1求人検索サイトIndeedのクローラー開発等に従事し、ビジネスも当たり前に考えるエンジニア文化で大きく成長する。
より詳しいプロフィールは岩成 達哉's Wantedly Profile。
estie に入社するまでの経緯
estie との出会い
estie との出会いは今年の初めに、新卒就活当時にお世話になったリクルーター(現在は estie で採用担当)から声をかけられて、詳細も聞かずにオフィスに伺ったのがきっかけです。
そこでCEO平井・CTO宮野から話を聞き、「めっちゃビジネスモデル良いな」と思ったのが第一印象でした。そして、面白そうだったらなんでもやっちゃうたちなのでエンジニアとして業務委託の形でお手伝いすることに決めました。
estie での半年
estie を手伝い始めた当初は、新規ビルをデータベースに追加するパイプラインチームに配属されました。まだまだ開発体制・コードの基盤も整っていない状況だったため、全社的にスクラム開発を導入したりコードテンプレートを整えていったりと、どんどん口を出していったら3月ごろにはエンジニアリングマネージャみたいなことを始めてました。
そこで認められて estie にフルジョインとなった…というわけではなく、実はその時のプロジェクトはチームとしてアウトプットが十分に出なかったため5月頃に解散になりました(笑)
これには非常に悩み、estie の全社員さんと雑談…もとい1on1をする機会をいただくなど、どうやったらもっとうまく出来たのか原因の深堀りをする時間をとりました。その会話の中で、いかに全体を見ずに部分最適な開発をしていたのか、ユーザのことをわかっていなかったのかなどがわかりました。また副産物として、各社員の経歴・価値観・やりたいことなどがわかり、「この会社もっと強くなる」と感じました。
estie での新しいチャンス
新規ビル追加のパイプラインチームが解散した後契約終了とはならず、ありがたいことに次の機会として、より広くデータパイプライン全体をみる新設のデータチームに配属してもらいました。
新しいデータチームでは、前回の失敗を踏まえて、ユーザ(データを顧客に提供するプロダクトチーム)が求めていることをより考えるようになり、チームとしてのやること(そしてやらないこと)の具体化に注力してみました。そうすると少しずつアウトプットが出て、やりたいことが更に見えてきて、という好循環が始まり、気づいたら6月頃にプロダクトマネージャーも兼任するようになっていました。
上記のように、いろいろと自由にさせてもらってますが、ここまであくまでも業務委託です(笑)このあたりで本格的に入社のお誘いをいただきました。
「Indeedもきつかった」?
転職することを伝えたときにある友人が言ったのが「他のIT企業みたいにIndeedも(仕事)きつかったのか」でした。結論から言うと、「そんなことはなくてIndeedは良い会社」です(笑)退職エントリっぽく待遇などを少しお話しようと思います。
Indeedには新卒から3年半勤めました。厳密に言うと、新卒就活当時Indeed Japanのエンジニア職はリクルートホールディングスからの出向という形で募集されていたため、最初はリクルート籍で働き、真面目にやっているともらえるIndeedからのオファーを2年目に受けて、やることは変わらないもののグループ内転籍した形になります。
何が変わったのかざっくりいうと給与体系と休暇制度です。そもそもリクルート所属Indeed出向というのはとても待遇がよくて、初年度からインターネット上の募集要項にあった「給与600万円強〜」の記載通りでした。またこれはベースで、さらに技術を公平に評価するため、入社面接でのコーディングスキルなどの評価によって、より上の額を提示されている人もいました。
そんな待遇からIndeedに移ってどうなったかというと、給料はあがりました。2019年3月頃はIndeed Japan本体からの新卒採用募集が出ていて、エンジニアで1000万やデータサイエンティストで1150万などがTwitter等で盛り上がってましたがそれは嘘じゃないです。移ることで給与の上限が一気に変わったというところでしょうか。さらに、3年目あたりでは、ちょうど市場的にエンジニアの給与待遇が良くなってきたことや昇進したこともあり、マネージャーでもないいちエンジニアでも手取りでそれくらいになりました。
報酬の話ばかり長々と書いてしまいましたが、「じゃあ激務なのか?」というとそうではなく、「最小限の投資で最大の効果を」という合理的な考え方を追求していて、四半期に設定したチームゴールが達成できるようにコミットすれば、フレックスがしっかりと活用されたワークライフバランス最高の会社でした。極端な例では、朝はジムにいき、12時ごろにオフィスにきてランチを1時間食べ、18,9時くらいまで働いて帰る人も成果を出していました。加えて、Indeedに移って休暇制度も変わったと書きましたが、Open Vacation制度というのがあって、楽しみに使うためであれば制限なく使える有給がつきました(有給残数が勤怠管理システム画面でマイナスになる)。
厳しいコーディング面接をパスしてきているので、同僚は技術的なレベルが担保されていてアルゴリズム・データ構造などの専門用語は当たり前に通じるためコミュニケーションがとても楽でした。同期も良い人ばかりでプライベートでも頻繁に遊ぶ仲です。また、日本オフィスでも日本人は3割弱なこともあって外資文化な会社で「Great!」「Awesome!」とかめっちゃくちゃ褒めてくれたり、心理的安全性が高かったりととても良い環境でした。
そして、なんといっても「We help people get jobs」というミッションをみんなが共有し、それに向かって最大のインパクトを出すことに集中するという場は自分を急成長させてくれました。長くなってしまうのでこれくらいにしますが、他にもいろいろ良いところがあるおすすめの会社です。
なぜ estie に転職することにしたのか
正直な話、半年前までは転職は全く考えていませんでした。上記の給与に加えて、Indeedでは3年後に会社の成長率を掛け算してボーナス(現金)がもらえるユニットというものを役職に応じて毎年もらうのですが、3年在籍したことでそれが来年の1月から毎年払われるところだったので、estie で楽しくやっていたものの、ひとまず1月までは転職自体を考える必要はないと思っていました。
コロナが与えた影響
そのような中で、やはり大きな要因の1つとなったのはコロナでした。3月頃から完全在宅勤務となってオフィスは閉鎖され、会社の人とミーティングでしか会わなくなりました。そうすると、偶発的に起こっていたペアプログラミングとか、何気ない会話から良いアイディアが出てくるとか、そういうことがオフィスに行かないことで生まれにくくなり、だんだんとチームの開発速度も個人の成長速度も遅くなったなと感じました。
僕にとってオフィスは行くだけでわくわくする楽しい場でした。大手IT企業がオフィスにお金をかけて良い環境を作っているのはとても意味があることで、そのような職場だからこそ、より大きな価値を生み出すことができると、この半年で実感しました。「そんな各会社にとって価値を生み出すためのベストなオフィスのマッチングを提供できたらもっと良い世界になるんじゃないか。それができる estie ってすごいんじゃないか」と自分ごと化できたのは大きかったです。「ベストなマッチ」というのは会社ごとに違うと思っていて、例えば新しく会社を起こした人ならオフィスを持ったというだけでテンションが上がるんじゃないでしょうか。コロナが新しい働き方を生むきっかけになっている今だからこそ、オフィスに求められるものも違ってくる面白いタイミングだと estie でデータを見ながら感じています。
キャリアパスの悩み
事実、転職はかなり悩んだので、残ることと移ることの様々な面での pros&cons を考えました。その大きなトピックの1つに「キャリアパス」があります。
Indeed 入社当初は手いっぱいになるくらい新しいことがどんどん学べていましたが、3年ほどやって仕事が苦労なく回せるようになりました。すると、「確かに今の企業にいてまだまだ学ぶこともあるし、生活も困らない。だけど、本当にこのまま30年とか同じようにエンジニアをやっていくんだろうか」と、なんだか満たされない気持ちがあり、ずっと悩んでいました。そんなときにSNSを見ると、イケてるスタートアップに行った友人たちが華やかな投稿をしている。「なんか楽しそう。僕ももっとできるはず」。そういう嫉妬心みたいなのがあったんだと思います。大企業にいると「良い会社に入ったね」と言われますが、僕は作り手として「Xというプロダクトを作ってます」と言いたいと常々思ってました。例えば、「Googleで働いてます」よりも「Chromeを作ってます」のほうが良いなと思うんです。作り手とプロダクトが近く、個人のコミットがダイレクトに大きく響くのはスタートアップの大きな魅力だと思います。
また、裁量権の大きいスタートアップなら役職の枠にとらわれないで多様な方法でプロダクトの成長に寄与できることが半年の estie での経験で見えてきました。僕はエンジニアリングだけでなくビジネスを踏まえたプロダクトの方向づけも楽しそうと感じるので、そういうことが経験できれば不連続な急成長ができて市場価値も上がり、留まる3年よりも踏み出す3年のほうが実りが大きいのでは思うようになりました。
金銭的な条件
良い企業からスタートアップに移るときにもちろん気になるのは金銭面・イグジット戦略だと思います。ステージにもよりますが、例えばスタートアップで最初から年収1000万というのは、その人がそれだけ稼ぐとか正当な理由がなければ会社の首を締めるだけです。じゃあ、年収以外に何を求めるのかといえば、ストックオプションとそれに密接に関連するイグジット戦略、例えば「いつまでにいくらの評価額で上場を目指すのか」です。
その点で言えば、「estie は3年後の上場を目指している」というCEO平井の言葉に謎の説得力を感じたのがオファーを受けようと思った1つの理由です。それなら「コロナで成長率が下がって少なくなったボーナス数百万が出る1月をIndeedでなんとなく待つよりも、早く estie に参加して3年を2年に縮められるくらい頑張ったほうが、大企業で過ごす数年よりも楽しくなるんじゃないか」と思ってしまいました。
仕事に限りませんが、ゴールが明確であるというのは非常に重要なことで、ゴールがあればメンバーも一緒に同じ方向に向かっていけます。「今のステージでは年収はぐっと下がっても、3年後が見えるなら成功するほうに賭けてみても良いかもしれないし、むしろ成功するように自分が貢献しよう」、estie はそう思わせてくれる会社でした。
どう決断したのか
ここに書いていないことも含めて自分の中で条件は出揃いました。いろいろと考えてどちらもそれぞれの pros&cons があり、どちらも個人的にありかもしれないと思い始めた自分への最後の問いは「今転職するのとしないの、人生で後悔するのはどっちか」でした。綺麗事を言ってもスタートアップはギャンブルです。失敗するかもしれません。失敗したときの後悔と、行かなかったときの後悔どちらが大きいんだろうと。
最終的に出たのは「あー、これで行かないでキャリアに悶々と悩むほうが絶対後悔する」でした。成功するかどうかはわかりませんが、成功するように最善を尽くすだけのことです。10月からの入社を決めました。
estie で何をやっていくのか
上述しましたが、estie では業務委託でいちエンジニアとして関わり始め、データチームのエンジニアリングマネージャー(EM)、プロダクトマネージャー(PM)を兼ねていきました。
これは、製品部門でどこに自分の時間をかけると一番響くのかを考えた結果で、自分の得意なエンジニアリングを基盤に自分も含めた各個人を成長させてチーム(会社)に返していく体制づくりに注力するために EM、そしてプロダクトが向かっていく方向を共有することがチームのスピードをあげ長期的にインパクトが大きくなると考えて PM、とそれぞれの意義を捉えています。
この2つを兼ねるのは大変ですが「この人はこういうことをやりたがってるし、それは長期的に見てこの人のために今やっておくべき。お、よく考えたら会社としてそれに関係するプロジェクトやりたかったからやり始めちゃえば良いかも」と、PM の職権を濫用しながら EM で個人のキャリアパスを考えることができて結構楽しいものでした。これは入ってからもひとまず続けて、自分も含めて急成長できる良いチームを作っていきます。
それに加え、入社後に何を自分がやったら会社に一番響くかと、自分がやってみたいことはなにかを考えて、VP of Product としてプロダクトを見る立場に挑戦することにしました。この職の役割は一言でいうと「プロダクトの価値最大化」で、ステージごとにやるべきことは変わってくると今は考えています。そのため、まだまだ足りない不動産業界の知識をつけてプロダクトの方向性を見出すことももちろんですが、必要なステージではコードも書くことになると思っています(今は書いてます)。
estie の製品開発部門ははっきり言って全然これからです。ただ、数ヶ月前と比べようのないくらい良くなっているし、これからも各個人が急成長できる楽しい環境をチームで作っていきます。複数のエンジニアポジションの募集を行っているのでぜひご応募ください!