大企業からスタートアップに転職して半年でやった3つのこと

こんにちは!
estieで製品開発の責任者(VP of Products、略してVPoP)をしているNariです!もうすぐ10ヶ月の息子が家のいろいろなところでつかまり立ちをするようになって、いつ倒れるか心配しつつも毎日癒やされる日々を送ってます😝

去年の10月にestieに入社した際には、半分退社エントリ・半分入社エントリを執筆しました。
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この記事は、エンジニアとして働いていた前職のIndeedのことをかなり宣伝する形となったのですが、今回はestieに入社してからの5ヶ月で何に取り組んだかを紹介し、何が大企業とは違うのか、スタートアップでの働き方・楽しさ・難しさをふまえてお伝えできればと思います!

キャリアパス(特にエンジニア)について悩んでいる方、シリーズA前(創業2年)のスタートアップの日常を知りたい方、不動産テックに興味のある方に参考になれば幸いです。

VPoPってなんだ

突然ですが、製品開発責任者(VP of Products)と聞いて、どんな仕事をイメージするでしょうか? 正直、僕も入社当初は回答できませんでしたが、今では「プロダクトの価値を最大化するためならなんでもやる仕事」と説明しています。

入社時、僕の頭にあったことは「僕が今やると一番レバレッジが効くことってなんだろう?」でした。現在のプロダクトは僕が入社した半年前とは比べ物にならないほど成長していますが、数年で1千億の事業価値を作ろうとしているestieにとって、当時はプロダクトの方向性と足元の取組の関係性が曖昧な部分があると感じていました。「そのプロダクトも含め、全社的なロードマップを整理して共有し、会社という『チーム』で同じ方向に向かうことができれば、この会社はもっとスピードアップできる」と思ったのが、プロダクトの責任者をやりたいと思った理由です。

そこからの5ヶ月を通して、「プロダクト価値の最大化」のために1ヶ月毎(あるいは1週間毎)になにが一番響くかを考えながら注力したのは以下の3つでした。

1. ロードマップ作成
2. ブロッカーの排除
3. チーム・仕組みづくり

メンバーが同じ方向に走るためのロードマップ作成

ロードマップ作成は、予算・営業・事業・人材などをベースに、背中を預けられるestieの仲間たちと協力して仮説を立て、10〜11月で2021年の大枠を考えることができました。現在は、絶賛ロードマップに従って実践中です!

この活動は、日々のプロジェクトも前に進めないといけない中だったのでクタクタになりながらでしたが、不動産業界という経験の浅いドメインの興味深い知見を得ながら必死に動いていきました。創業メンバーが暗黙的に持っている考えを引き出したり、プレシリーズAというフェーズにあった人事戦略を考えたりと、1エンジニアとして働いていた時とは比べ物にならない情報量とカバーする領域の広さで、めちゃくちゃワクワクする経験でした。

仲間たちから出る「え、天才か?」と思うアイディアに驚かされながら一緒に作り上げたロードマップは、現在進行中なので、将来の記事でお伝えできればと思います!

価値提供のブロッカーの排除

11月にロードマップが一段落ついたところで、次に注目したのはプロダクトのリリース速度でした。estieではオフィス賃貸業務を効率化するestie pro(エスティ プロ)というサービスを開発しています。

当時、この開発チームは2週間分の機能開発計画を立て、2週間後にまとめてリリースをする開発体制で、以下のような課題が上がっていました。

  • 業務委託の方も多く、変更が2週間の後半にまとめて入ってくる
  • 2週間後にまとめて行うQA(主に手動の品質保証テスト)が非常に重い
  • リリースの直前にバグや仕様漏れが見つかるとリリースできない可能性がある
  • 機能変更が次々に同じブランチにマージされているため、どの変更がバグを引き起こしているかわからない

このような課題に対し、チームのエンジニアリングマネージャー兼QAエンジニアとして参画して、リリースサイクルを「2週間に1回」から「毎日」に縮めることができました。正確には、「毎日リリースできる」で、現在は週に2,3回程度のリリース頻度となっています。

やったことは、【ユーザに価値を届けるバグの無いコードを毎日リリースできるチーム】を標語として掲げ、毎日リリースすることの嬉しさ(個別の機能変更をテストすればよく、バグの原因究明が容易など)を共有して、リリースマネジメントを手動し、QAのお手本を見せながらフローを仕組み化しました。

その結果、毎日のリリースが当たり前になったことで「今日はどれリリースする?」みたいな会話が聞こえるだけでなく、「QA段階ではバグがあるものと思ってください」とまで言われた状況から大きく改善されました。

カスタマイズ版ではありますが、このQA体制は僕がIndeedで学んだものです。フェーズの進んだ企業で培った経験・ベストプラクティスは、様々な場面で他の企業でも役立つことを実感しています。今回も、最初は社内wikiにフローをまとめつつ、自分でQAをしていき、徐々に各メンバーが行うように引き継ぐことでやっと実現することができました。やはり、理論だけでなく「経験に基づいてやって見せる」は大事だなとわかりました。

1エンジニアからコミットメントが大きくなるスタートアップに転職し、自分の経験・知識を生かして、会社に大きなインパクトを残せるのもワクワクする嬉しい経験です。また、学んできたものを共有するだけでは足りず、より上を目指しアンラーニングすることを全員が求められるところがestieの刺激的なところだなと思っています。(でもみんなめっちゃ褒めてくれるので褒められて伸びてます☺️)

強いチームを作ってもっとユーザに価値を提供したい

もうすでに記事がだいぶ長くなってしまったので、これから僕がestieでやりたいことを日々の業務を紹介しながらまとめたいと思います!

現在、僕の日々の業務は、VPoPとして「estie【物件掲載数No.1】|オフィス探しをシンプルに。」と「オフィス賃貸業務を効率化する estie pro(エスティ プロ)」のプロダクトマネージャーを束ねて一緒にプロダクトを先に進めることです。しかし、様々なデータソースからの情報をその2つのサービスに届けるデータパイプラインを構築する「データチーム」のプロダクトマネージャー・エンジニアリングマネージャー・エンジニアも兼ねています。

estieは「商業用不動産の最高のデータプラットフォーマー」を目指し、すでに様々な企業と提携してデータを集め、それらのデータからさらなる価値を生んで提供しています。例えば、オフィス賃貸は住宅賃貸と違って、賃料情報が殆ど世に公開されていないことが大きな特徴なのですが、estieはビル情報を入力すると集めたデータを元に「今いくらで借りられるか、今いくらで貸せるか」を弾き出す成約賃料の予測モデルを作っています。

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データが生む価値は非常に大きく、「今estieが持っているデータだけでもあんなことやこんなことができる!」と日々夢を膨らませていますし、もっと違う角度のデータが集まれば、さらにできることが増えるとワクワクしてます。その一方で、ウェブアプリなどとは異なり、フレームワークが存在しない「データパイプライン」の構築に四苦八苦しているところです。また、プロダクトマネージャーとしてはまだまだ業界解像度が低いので、学びが絶えない日々です。(最近は、お客様のところに伺い業務を体験させてもらう経験もして非常に興味深かったです)

僕は「たとえどんなに強いエンジニアでも、一人で出せるアウトプットには限界があり、チームで出せる爆発力には敵わない」と考えています。チーム・仕組みづくりとして、以前のinside blogでも紹介したestieエンジニア成長(プロダクトマネージャーも同様に勉強会をしています)の仕組みにかなり投資していますし、estieの仲間には助けてもらいっぱなしです。

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ユーザにもっともっと早く価値を届けられるように強いチームを作っていきたいので、興味を持たれた方はぜひ一緒に働きましょう!

ソフトウェアエンジニア・QAエンジニア・事業開発担当などなど全方位採用中なので、TwitterのDMよりぜひお気軽にお問い合わせください!
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