PMとデザイナーが協働してプロダクトを最速で立ち上げるための一つのメソッド

こんにちは。
estieでプロダクトマネージャー(PM)をしている三橋です。
estie PM blog weekの2日目を担当します。

9/27にファインディ株式会社さんが主催したこちらのイベントに、同じチームで半年以上一緒に働いているデザイナーと登壇してきました。

前回のLTでは持ち時間が7分だったのでお話ししきれないところがありました。折角なのでこの場でもう少し詳しくお話ししたいと思います。前回のイベントに参加された方にも、楽しんでいただける内容だと思います。

【プロフィール】三橋 佳明
DeNAでECマーケットプレイスのプロダクトマネジメントを経験後、KDDIグループ会社にてDX推進部長、DX本部副本部長などを担当。2023年にプロダクトマネージャーとしてestieに参画。大手デベロッパーのDX案件を担当する。

はじめに

一口にプロダクトと言ってもそのフェーズは様々で、フェーズによりPMやデザイナーの役割は変化していきます。前回のイベントでは、プロダクトフェーズは以下の5つであると説明しました。

図1:プロダクトのフェーズとPM・デザイナーの役割

本来はデザイナーの役割についてもぜひお話ししたいのですが、今回はPM blog weekなのであえてPMにフォーカスして話します。しかし、PMの役割の変化は本当に激しく、「PMの役割はxxです。」と一言で表すことは非常に難しいと考えています。

100人のPMに「PMの役割は何だと思いますか?」と聞いたら、

  • プロダクトのビジョンや戦略を策定すること
  • 開発チームと連携してプロダクトの開発をリードすること
  • ユーザーニーズを把握するために市場調査を行い、その結果を分析・活用すること
  • ステークホルダーなどの関係者とコミュニケーションを取り、ビジネス目標と同期すること

といった具合に、意見がかなり分かれるのではないでしょうか。
もちろん、その一つ一つは真実だと思いますし、実際にそのような役割が求められることはあると思っています。
ただし、前に述べたようにPMの役割はフェーズによって変わり非常に多岐にわたるので、フェーズを特定せずに一言で表すことは困難を極めます。
どうしても一言で表さなければならないとするのであれば、

プロダクトを売るために何でもする人

という言葉が一番しっくりきます。

売れるプロダクトにするために開発チームのリードもしますし、プロダクトを自分で売り歩くこともある。それら全てがPMに求められることだと思っています。
とはいえ、そんな話を全てしていたらキリがないので、今回は、

  1. チーム立ち上げ期
  2. 初期プロダクト開発期

の2つのフェーズに絞って、estieのPMとデザイナーはこんな風に働いているよ、という話をしていきます。

この記事で私が伝えたいことは大きく3点です。

1.目指すべき世界観をデザイナーと共有しろ

PMであるあなたは、実現したいプロダクトの全体像を理想ベースで描きデザイナーと共有していますか?私は、どんなプロダクトにしたいのか?という未来の姿をデザイナー(に限らずチームメンバー)と共有することは非常に大切だと思っており、プロダクトの形が見えない初期フェーズこそ、その未来の姿をデザイナーと共通認識にすべきだと思っています。

例えば、PMとデザイナーでそのプロダクトが関わる業務内容を深掘りしたり、開発スコープの範囲やその優先順位について議論をすることは日常茶飯事でしょう。

でも、将来的に作りたい機能の全体像やその各機能の接続点、そして、それらによって生まれる最終的なプロダクトの世界観までPMとデザイナーでしっかり話しているよ、というケースは少ないのではないでしょうか?

詳細は後述しますが、PMはデザイナーを信じきり、デザイナーに多くの裁量を与え、そのデザイナーのポテンシャルを最大限引き出せる環境を用意すべきだと思っています。

そのためには、「PMとデザイナーがゴールイメージの共通認識を取れている状態」が非常に重要です。それがないと、毎日密に仕様のすり合わせをしないといけないし、細かなことばかりが論点になってしまいます。逆を言えば、ゴールイメージが共通認識になっていれば、PMとデザイナーの間で細かなHowが論点になることは大きく減るのです。

現在私がいるチームでは、最初のプロダクトを作る前から、図2をもとに、「こんな世界を作りたいんだ!」ということを何度も話していました。

図2:実際にチームで共有した、目指すべきプロダクトの全体像

この図を簡単に説明すると、ターゲットが抱える課題とその業務を、将来的に必要になるであろう機能ベースで構造化し、最終的に中心に基本機能を置き、4方向に概念的な価値提供を示すマンダラチャートを描いたものです。

我々のチームに関して言えば、この最終的に成し遂げたい世界観があったことで、全員の目指すべき方向が一致し、猛スピードで開発が進んだと思っています。

2.デザインドリブンでチームを前に進めろ

2つ目は、実際に同じチームのデザイナーが言っていたことなのですが、

壊す前提の荒いデザインで議論を進める
です。

自分の胸に手を当てて振り返ってみてください。

デザイナーが作ったデザインを忖度していませんか?
PMとして自分が言いたいことは、全てデザイナーに言えていますか?

少しでも心当たりがある方は、ぜひ一度デザイナーと話合ってみることをお勧めします。
今、私がいるチームは、チーム全体が下図のようにデザインドリブンで動いており、顧客に対してもエンジニアに対しても、デザインを用いて議論を進めています。

図3:私のチームのデザインの使い方

3.オーバーラップして自分の領域をはみ出せ

最後に伝えたいことは、前述したこととやや矛盾する点もありますが、PMもデザイナーも自分の領域をどんどんはみ出して行動せよ、ということです。

図4:同じチームで働くデザイナーと私(PM)の役割イメージ

以前私が勤めていた会社では、Whyをビジネス担当が、WhatをPMが、Howをディレクター・デザイナーがそれぞれ担当するという具合に、役割が分断されて開発を行っていたことがありました。

当然、各プロセスごとに成果物の作成・すり合わせ・レビューが必要になるため、コミュニケーションコストは非常に高くなります。そのような状態では、チームとして最高の成果を出しているとはとても言えません。

PMやデザイナーに限らず、BizDevやエンジニアも領域を越えて協力する。

でもその中心には常にデザインがあり、全員がデザインを起点に動き回り、どんどんデザインを進化させていく。これが一番シンプルです。もちろん、そういった動きを取る前に、PMとして本当にそれをやるべきなのか?と言うWhyはその前に追求してチーム全員で話します。

言うなれば以下のイメージで、デザインを軸にみんなのコミュニケーションが滑らかになるのです。

図5:デザインを中心にあらゆる動きを滑らかに

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回はあくまでも今私がいるチームの「PMとデザイナーが協働してプロダクトを最速で立ち上げるための一つのメソッド」をご紹介させていただきましたが、メソッドは本当に様々だと思いますので、ぜひ、estie PM Meetupまたはカジュアル面談で直接お話しをしましょう!

デザイナーの方も大歓迎です!!

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