5つのプロダクトステージで求められるPdMの働き


こんにちは。estieでPdMをしている三橋です。
先日、estiePdMチームとして初のMeetupをオフィスで開催し、PdMに関わる様々なトピックについて議論をしました。その中で非常に興味深いPdMならではの疑問が提起され、「PdM難易度高すぎじゃね?」と思ったので、今日はその疑問について私の意見を述べたいと思います。

どんな疑問?

Meetup内でいただいた数多のコメントの中で、今でも強く覚えているのがPdMの評価に関わる下記2つの意見です。

  1. プロダクトの規模が大きくなると巻き込む範囲が広くなり、成功してもPdMの成果を見極めにくくなる

  2. プロダクトを立ち上げるまでのプロセスこそPdMが最も力を発揮・活躍できるが、そのプロセスだけでは売上が伴わないので評価されない。一方でいざプロダクトが売れ始めるとそれは営業の成果となり、PdM の成果にはならない

日々PdMとして働くみなさんは、この2つの意見を読んで何を思ったでしょうか?

私が思ったことは、2つの意見ともにプロダクトの立ち上げステージを乗り越えプロダクトを販売するステージに移行しており、プロダクトとしては一定の成功を収め続けている=PdMとしても成果を出しているのではないか?ということです。

例えば、そのプロダクトの価値が社内で認識されていない状態のまま営業部門で広くセールス活動を開始することはないでしょう。なぜなら、価値が定まらないプロダクトに営業リソースを割くことは効率が悪いから。その点この2つの事例ではプロダクトとして価値が定まり、営業部門でのセールス活動にまで至っています。

また、このように実際に成果を出しているPdMの方々が自身の評価について悩みを抱えているということもポイントです。これを「その会社の評価の仕組みが悪い」「そのような評価をしているその方の上司が悪い」と問題を単純化することは簡単です。しかし、私は実際に活躍されているPdMの方々がこのような疑問を抱く背景には、もっと深い問題が潜んでいると思っています。

そして、私はその背景に潜んでいる問題は、

  • PdMはプロダクトのステージごとに求められる役割が異なること

  • その役割が社内で言語化されていないこと

であると考えています。
そしてこの問題こそが、本記事のタイトルである「PdM難易度高すぎじゃね?」につながるのです。

PdMの役割はどう変わっていくのか

会社によりステージや役割の定義は異なると思いますが、一般的に私はプロダクトのステージに応じてPdMが求められる役割は下図のように変わっていくと思っています。ここでは、特にSaaSプロダクトをイメージして書いています。

図1. 私が考える5つのステージとPdMの役割

実際にはこれらすべての役割を一人でこなすわけではなくて、その役割を持つ人が実際にチームに加わって動くことが多いのですが、それでもプロダクトのステージに応じてPdMが動き方を変えることは必須です。

例えば、まだBの「初期プロダクト開発期」にいるのに、Dの「チャーンされないプロダクト作り期」で求められるようなきめ細かな改善をしても意味はないでしょう。

逆に、Dの「チャーンされないプロダクト作り期」の活動が不十分な状態のままEの「GTM戦略実行期」に移ることも、営業リソースの無駄遣いになるので避けなければなりません。

そして、このようにステージによって異なる人格を求められることこそが、冒頭でご紹介した下記2つの疑問の原因の一つではないかとも思うのです。

  1. プロダクトの規模が大きくなると巻き込む範囲が広くなり、成功してもPdMの成果を見極めにくくなる

  2. プロダクトを立ち上げるまでのプロセスこそPdMが最も力を発揮・活躍できるが、そのプロセスだけでは売上が伴わないので評価されない。一方でいざプロダクトが売れ始めるとそれは営業の成果となり、PdM の成果にはならない。

まとめ

上記2つの疑問に対する私の見解をまとめます。上記のような疑問を抱く背景には、もしかしたら社内の評価の仕組みが悪いという原因もあるかもしれません。ただし、それは本質的な課題とは言えません。なぜならば、その評価の仕組みを改善したとして、PdMに求められるステージごとの役割が共通認識になっていなければ、結局何を持って成果とするのか?評価するのか?の軸が定まらないからです。

もしあなたが今同じような疑問を抱いているのであれば、上記の図で示したような「プロダクトのステージごとのPdMの役割」をまずはご自身の視点で作り、社内で議論してみてください。きっとそれぞれの会社に応じたステージごとの役割があるはずですし、それを言語化していく過程でPdMの評価をどのようにすべきか?という答えも見えてくると思います。

最後に

ここまで自由に述べてきましたが、今回の疑問について、私自身明確な答えを持っているわけではありません。このブログをきっかけに同僚のPdMやVPoPとも議論して、今後自身がもっと納得できるような回答を探していく予定です。

この記事を読んだ方で、「私はこういう風に考えているよ」「こんな悩みもあったよ」という方は、ぜひ一度カジュアルにお話しましょう!!

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