ハッカソン『第1回 estie UNLOCK DAY』イベントレポート

こんにちは estie VPoEの青木です。 estieでは先日、社外の皆さんに参加いただくハッカソンを初めて開催しました。

「データでさらに拓くオフィスビルの価値」というテーマで、各チーム素晴らしい発表をしていただきました。 本記事では、各チームの成果や当日の様子をお伝えしたいと思います。

開催背景

estieでは技術的な鍛錬を積むとともにプロダクトや業務を改善する機会として、社内ハッカソンを開催していました。

社内ハッカソンは、いつもとは違う視点から分析アプローチを試す場であり、データの価値を拓く場であり、あったらいいなを作る場となっています。

発表も盛り上がり楽しい時間となるため、せっかくならば社外の方にも一緒に取り組んでいただいて、より新鮮な目線でのアイデアにも出会えないかと考え、公募形式のハッカソン「estie UNLOCK DAY」を開催することとなりました。

estie UNLOCK DAYについて

今回は以下の概要で開催しました。

  • estieが整備しているオフィス不動産データを提供
  • 1週間の開発期間の後、オンラインにて各チームのデモ発表を実施
  • デモ内容を元に、CTO岩成を含む3名の審査員が以下の基準で審査
    • unlock: オフィスビルのデータの持つ価値をさらに拓いていること
    • tech: テクノロジーやデータを有効活用していること
    • fun: 視聴者に楽しく価値を伝える工夫があること
  • 最優秀賞には20万円分のAmazonギフトカード!
    • 特別賞には4万円分のAmazonギフトカード

当日の様子

皆さん本業ではない中で、非同期で作業を進めていただく形になるため、「作り途中の試行錯誤の共有」のような形も多いのかな?と想像しながら企画したのですが、これは完全に杞憂で、各チーム完全に作り込んだ成果を発表していただきました。

発表者以外の参加者の方が質問・感想をZoomのチャット欄に多くコメントしてくれて、オンラインであるからこそのわいわいとした盛り上がり方を見せていました。

👆「参加者のコメントがスライドに投影される」という、わいわいと盛り上がる仕組み作りをしてデモしていただいたチームもありました。

イベント終了後のオンライン交流会(任意参加)にも多くの方が参加してくださり、他チームの発表について技術的な質問をしたり、取り組んで難しかった点についてアプローチを振り返ったりと、初対面の方が多いとは思えない和気あいあいとした雰囲気で楽しい時間となりました。

受賞チームの紹介

どのチームの成果も素晴らしかったのですが、今回は受賞したチームの成果にフォーカスしてご紹介します。

最優秀賞: 「名は体を表す!? -オフィスビルにおけるテキストデータの価値発掘-」

最優秀賞は、分析の対象となることが少ない「ビル名」のデータ分析を中心にデモ発表した「サンハイムゼンラ」チームでした。(チーム名の由来は後述)

賃料や面積、竣工年など数値の項目が多くある中で、分析の対象となることが少ないテキスト形式項目である「ビル名」が秘めている価値に注目し、いくつかの鋭い示唆と分析を発表しました。

  • ワードクラウドを用いてビル名を年代別に分析
    • 年代ごとに名前の付け方が違っていて面白い
    • このデータを不動産企業出身者が見ると「この時代はこういうことがあって…」といった話がいろいろ出てきてさらに面白い

(確かに右側の方が、タワー・スクエア・テラスなど「モダンな感じ」がありますね)

  • ビル名クラスター分析
    • ビル名を基に、ビルの規模/グレードといった分布との相関を分析し、以下のような傾向を分析しました
      • 人名がついていると想定されるビルは小さいビルが多め
      • スタンダードカタカナ系が入っているビルは大きいビルが多め

  • ビル名生成AI
    • ビル名のデータセットを学習して、ビル名を生成するAIを作成しました
    • ありそう!でもなんか惜しい!という名前がたくさん
    • チーム名の「サンハイムゼンラ」もこのAIが生成した架空のビル名でした

(ついに謎が回収された…!)

このようにいくつものアプローチから、普段注目が向きづらいテキスト形式のビル名のデータから最大限価値を模索し、拓いていました。

発表中、分析結果の裏にある不動産業界の動向を紐付けて推測したり、AIに生成されたビル名について「これありそう」といった声が上がったり、聴講者の間で今回の発表を基に議論が活発に巻き起こっていました。

審査員コメント
数値データではなくあえて文字データを活用するなど、まさにデータの新しい価値を拓く(unlock)発想力と、実際に複数の分析・アウトプットを作り出す技術力(tech)、そしてそれらをまとめてビル名を生成するモデルで遊ぶ楽しさ(fun)をすべて体現されていました。

特別賞: 「ビルメシ」

マネージドサービスをフル活用したアーキテクチャ選択と、ユーザーストーリーマッピングを用いた提供機能の整理を元に、「早く価値を届ける」ことを意識した開発を進めた「六本木グランドタワー」チームが特別賞を受賞しました。

ユーザーストーリーでの整理を基に作成することに決定したのは「同じオフィスで働いている人と交流できるランチ口コミアプリ」です。

以前社内のランチ用wikiを基にコミュニケーションが盛り上がったという体験をベースに、「同じビルで働いている」人だけしか見られないという内輪感がキーだそうです。

(たしかにこういうアングラ感ワクワクしますよね)

1週間という短い期間でここまで開発を高速に進めるために、フルマネージドサービスを多く採用したアーキテクチャ選択をしたとのこと

  • FE/BE: Next.js + Prisma
  • infra: Vercel
  • 認証: Auth0
  • DB: supabase
  • などなど

当日は、開発者のlocalのアプリケーションの様子や動画を画面共有で見せていただくだけではなく、サーバー上にデプロイされ参加者もユーザ登録して手元で試すことが出来る状態でデモを実施していました。 デモでありながら、認証までしっかりと用意された状態で登録できるのは新鮮でワクワクしました。

実際に口コミの閲覧や投稿も出来る状態で、「内輪感」があって楽しく使われるイメージが湧きました。

(サービスの画面で雰囲気伝わってきますでしょうか!?)

ここまで、すごい成果発表だったのですが、実はさらにこのサービスには裏コンセプトがあるとのこと。

このようなサービスを作ることになった背景として、estieの提供データを眺める中で入居テナント(Occupier)が最新ではないデータがあることや、入居テナントを取得できていないビルがあることに気付いたことがあり、 、estie目線でも完全ではない入居テナントデータを拡充することが出来るという狙いもあるとのことです。

(考え抜かれている…)

審査員コメント
認証基盤の利用や実際にデプロイされているという、アプリケーションとしてそのままプロダクションに出せるような作り込みを1週間という短い期間で行われていたことがまず素晴らしかったです。また、Occupierデータ拡充の方針を考えるというビジネスに直結するアイディアを考えているところが、事業インパクトを意識するestieとしては高く評価させていただきました。

振り返り

今回ご紹介したチーム以外にも「周辺の飲食店を見ながらオフィスビルを探せる」というテーマで素敵なデザインのアプリケーションをデモしたチーム、1人参加でありながら「質問を元にオフィスビルを当てるオフィス版アキネーター」の構築に挑戦して面白いデモ形式で発表したチームなど、得意な領域を生かした個性豊かな発表が多かったです。 当初想定していた審査時間を超過するほどの大盛り上がりの審査員議論を経て受賞者が決定しましたが、「どのチームが受賞していてもおかしくない」という高レベルの大会となりました。

主催したestieとしても、社員だけでは出ないようなアイデアに刺激を受けるとともに、あらためてオフィス不動産データが「産業の真価を、さらに拓く」ポテンシャルを持っていることをより強く感じる会となりました。 お忙しいなか、ご参加いただき素晴らしい発表をしていただいた参加者の皆さん、ありがとうございました。

最後に

オフィス不動産データの価値を基に「産業の真価を、さらに拓く」ことに興味ある方、是非ご連絡ください。

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