自由なフリーランスをやめ、estie で再びサラリーマンになりました

こんにちは。ひらやま(@rhirayamaaaan)です。
2023年2月より estie でデザインエンジニアとして働くことになりました。

タイトルの通り、2022年8月から入社する2023年1月までの約半年間、私はフリーランスとして本当に本当に自由な生活を送ってきました。
好きな時間に起きて、平日の空いている時間を狙ってふらふらしながらちょっと働いたりして、休日は都会の喧騒を避けるように家でだらっとしながらちょっと働いたりして、まさに夢のような生活でした。

そんな私が、なぜまたサラリーマンに戻ろうと思ったのか、そしてなぜ estie に入社したのかを綴ろうと思います。

プロフィール 平山涼也
2014年4月にデザイナーとしてヤフー株式会社に新卒入社し、Yahoo!ショッピングのマークアップコーディング、UIデザインを担当。2018年ごろからフロントエンドエンジニアとして React / TypeScript を使った UI コンポーネントライブラリ作成やリプレイス業務を担当。
教育業界やこどもに向けたサービスへの関心から、株式会社グロービスと株式会社コドモンにてフロントエンド業務を遂行した後、副業の業務をベースにフリーランスに転身し、2022年8月よりデザインエンジニアとして estie と業務委託契約を締結。
業務を従事していく中で estie への入社を決意し、2023年2月より株式会社estieに入社。
特技は焼き魚をきれいに食べること。趣味はPodcast収録。

フリーランスになる前までのキャリア

キャリアの始まりは、新卒のデザイナーとしてヤフー株式会社に入社するところからとなります。Yahoo!ショッピングのマークアップコーディング、jQuery プラグインの内製を担当していました。そして、時代の移ろいとともに React, TypeScript の実装を担当する方向にシフトし、フロントエンドエンジニアとして働くようになっていきます。
もともと教員免許を取得していることから教育領域に興味があったため、EC領域以外のサービスに関わりたくなり、「教育」「こども」を軸に転職をしていきました。
しかし、教育に携われたとしてもこどもとの接点が遠くなったり、こどもへアプローチができてもプロダクト開発のスタイルに難があったりと、自分の気持ち・思考と環境のミスマッチが相次ぎ、なし崩し的にフリーランスとなりました。

estie との出会い

estie のことを初めて知ったのは、実は 2019 年のことでした。内省がうまくいかず転職活動に悩んでいた時期に、ヤフーで同僚だったしおみさん(@NaitoShiomi)に副業で参加してみてはどうかと教えてもらったのがきっかけです。
当時の私は体調が芳しく無く休むべき状態ではありましたが、歩を前に進められていないことに焦っており、どうにか身体を動かしていないと気が済みませんでした。そんな不安定な状態で携わった estie では、たまたまスキルセットとして HTML/CSS/JS が得意な人がおらず、私が書いたコードにとても感動していただいて、とても嬉しかったのを覚えています。
しかし、ベンチャー企業として力強く前に進んでいる estie のメンバーを見てついていけるか不安になり、1, 2ヶ月ほどで業務委託契約を解除することになってしまいました。

力強いオファー

私の目線から言えば、こんな不安定な状態の私を一時的にでもポジティブに受け入れてくれた estie という会社にとても感謝していました。
しかし、不安定がゆえにいろいろと話を聞いていただいたにも関わらず、仕事としても中途半端な関わり方になってしまって、どうも示しがつかない気持ちでした。

そんな中、現在 VPoD の荒井さんから Twitter 経由でお声がけをいただきました。

シンプルに嬉しかったのを覚えています。短期間の関わりで、大した成果も出せなかった自分に対してお声がけをいただけるのは本当にありがたかったです。

それだけ恩を感じていたにも関わらず、私は前述のとおり「教育」「こども」という軸で職を決めることを諦めきれませんでした。こどもに間接的にでも関与でき、私自身のものづくりのスキルを活かせるところに身を置きたいと願っていました。
しかしそれも叶わず、結局フリーランスとなり、開き直ってこんなツイートをしました。

このツイートを見て、再び連絡をくれたのが荒井さんでした。
申し訳なく思っていた相手からの連絡は本当に嬉しかったです。
私はここで大きく estie に心が傾き、2022年8月に再び業務委託契約を結ぶことになりました。

フリーランスの疎外感

私はもともと副業で業務委託契約をしていて開業届を出していたこともあり、2022年8月のある日、特に不安も抱かず、突発的にサラリーマンを辞めることにしました。また、estie との業務委託契約も決まり、その他にも単発のサイト作成業務を受注したり、高校の非常勤講師の仕事を請け負ったりしていたため、フリーランスとしてそこそこゆとりをもって生活できる状態ではありました。

しかし、本を読んでいて以下の文章に触れます。

大船を降りて、小舟で航海するようになったということです。
でもね、これ、全然気楽じゃないんですよ。
人生に起こるリスクを自分で背負わないといけなくなるから、終始海の様子に気を配り続けなければいけません。[中略]
一見、組織を辞めたほうが、個人の自由が手に入るように見えます。だけど、実際には、人生が不安定になるぶん、必死に世の中についていかなきゃいけなくて、心の個室で安穏としているわけにはいかなくなります。

引用:東畑開人「聞く技術 聞いてもらう技術」ちくま新書 一一四頁

ここに書かれていることを、生活をしていく中でひしひしと感じていました。
自由気ままに行動できるのはもちろん利点ですが、誰とも話さない日が続くと、徐々に社会からの孤立を感じます。
また、ゆとりをもって生活できるとは思っていても、いつ仕事の契約が切れるかわからないし、切れそうになったら次の仕事を取りに行かなければなりません。
そして、私は全く器用ではないので、さまざまな仕事をしていると、その仕事の数だけ、人との関わりがそれなりに希薄になります。希薄がゆえに状況把握があまりできず、パフォーマンスも出ず、申し訳ない気持ちが募るのも感じました。

フリーランスという生き方は向き不向きがあると感じました。仕事でもプライベートでもいろいろなところに出向き、いろいろな人と出会えたためとても充実していましたが、この日々がずっと続くとなることにあまりイメージが湧きませんでした。そして、いずれはどこか企業に所属したほうが良さそうだという考えが立ち上がっていきました。

信念の抽象化

そんなことを思いながら estie で業務委託をしていく中で、estie という会社の魅力にどんどん気づいていきます。
2019年より圧倒的に大きくなった estie は、文化の大事な部分は全く変わっていないにも関わらず、開発の底力が爆発的に上がっていました。
私がアサインされたプロジェクトは、開発に対する熱量が高く、次々に機能がリリースされていっていました。
なし崩し的に辞めた前職では、開発者側が催促しなければ永久にリリースしないのではないかと思わさせられるような状況に深く悩まされていたため、余計にこの光景が輝かしく見えました。
また estie で働いていく中で、フロントエンド領域においてのコンポーネントの設計や UI デザインの実装部分で悩んでいる状況であることを知り、そこに対して自分が力になれるイメージも湧いたことから、さらに魅力に感じました。

そのように思いながらも、やはり元から思っていた自分のやりたいことへの折り合いがどうしてもつきませんでした。
今まで「こどものことを!」と公言し続けていたことへの示しがつかないという変なプライドと、estie への魅力に揺れていました。
しかし、揺れているということは、逆に捉えれば自分が持つ信念と estie が持つ信念に何かしらの共通する部分があるのではないかと心の片隅で思いはじめていきました。

estie の Purpose は「産業の真価を、さらに拓く。」です。私はこの「拓く」というワードを置いているところに魅力を感じました。
現在はオフィス不動産の領域でサービスを展開している estie は、価値のある場(不動産)と、その価値を最大限に引き出せる人(テナント)を効果的につなげることで、産業を拓いていこうしています。
これは「自分たちが産業を制する」という利己的な態度ではなく、まさしく人々に拓いていこうとするベースとなる姿勢から、この Purpose が生まれたのだろうと私は解釈しています。

それと同時に私自身のことも考えていくと、「教育をする」という言葉に違和感を感じていることに気づきます。あくまでも「こどもが学ぶ」というのがベースとしてあり、それをサポートするのが筋だろうと考えています。つまり「学びをひらく」ことをしたい。

「ひらく」というのは、人々に可能性の余白を生むことなのだと思います。健康な状態であれば、人は主体的なはずです。その主体性をつぶさない、ひらかれた社会づくりをしたいと願っているのだと気づきました。
それをこどもという領域に閉じてしまっていましたが、年齢に関わらずひらいて良いと思えるようになりました。さらに言うなら人に閉じることもないのかもしれません。

こうして自分の固執した考えを、少しばかり解くことができ、estie への入社を決めました。

ユーザと対にならない関係

ビジネスとしてものを作っていると、そのつくったものを提供するという考え方になります。
何かしら課題があり、それを解決するためにプロダクトを作る。そして提供する。
この視点でものづくりを捉えると、ユーザは受け手になりがちです。サービスを提供するものと受けるものという対の関係が生まれてくるはずです。

しかし、ユーザに主体性がひらかれていれば、そのサービスを使った先に何かの課題を解決することもあるはずです。作り手には知り得ない、未知なる課題を解決する可能性が十二分にあると思うのです。
つまり、ユーザと作り手がサービスを媒介としてともに歩を進めることができるのだろうと思います。そしてそれを estie は実現しようとしているのだろうと私は感じています。

ただの課題解決ではなく、ユーザとともに社会に働きかけていけるよう、私も estie とともに歩を進め、あらゆる変化を楽しんでいけたらと思っていますし、そのような態度を持った上でものづくりをしたい方は、一緒に仕事ができたら楽しいなだろうなと思っています。

また、estie ではデザインとエンジニアリングの狭間の溝から生まれてしまうクオリティの限界を破ろうとしています。デザイン領域とフロントエンド領域が重なる部分のスキルを活かしたい方や、その職能の在り方を考えていきたい方とぜひ仕事を通してともに歩んでいきたいので、そんな方々とお会いできたらとても嬉しいです。

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