MBAって意味あるの?MBAホルダーによるスタートアップでの挑戦

海外MBAホルダーである、CFO 上田さんとクライアントソリューション 曽部さんのお二人に、MBAとは何か、仕事にどのように活きているのかをお話しいただきました。

【プロフィール】

上田 來(うえだ きたる)/写真左

大学卒業後、日興シティグループ証券にて投資銀行業務に従事。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て、アドバンテッジパートナーズにて日本及び東南アジアのバイアウト投資や投資先の経営支援活動に従事。その後ペルミラ・アドバイザーズの東京及び香港拠点にて、国内外のテクノロジー企業へのグロース投資を担当。2022年9月にestieに参画し、同年10月にCFO就任。早稲田大学政治経済学部卒、Wharton MBA(2015年)。

  

曽部 貴弘(そべ たかひろ)/写真右

大学卒業後、2011年に野村證券投資銀行部門に入社。資本市場でのファイナンス業務を担当した後、社費留学に選抜され留学。その後、総合商社・プライベートエクイティ関連のM&Aとファイナンス業務に従事。直近では再生可能エネルギーセクターヘッドを務め、大型案件を複数執行。2021年にベストプラクティス賞を受賞。2022年8月にestieに参画し、現在に至る。東京大学経済学部卒、Columbia MBA(2018年卒)。

MBAは価値創造するための翼を与えてくれる存在

MBAとはなんだと考えますか?

sobe: MBAは端的にいうと学位です。自分にとっては、リーダーになろうと思っている人にとっての、装置だと思っています。MBAで最も重視される概念はLEADERSHIPとよく言われるのですが、それを学ぶことでLEADERになったときにどのように振る舞うべきなのか学ぶ場だと思います。

LEADERSHIPを分解すると、 LEAD(リードする)+ ER(人である) + SHIP(こと)

そしてリードするとは、引っ張ること、前に進めること、を意味する

つまり、LEADERSHIPとは【世界を少しでも前進させ、より良い世界を創造する人であり続けること】

このようなLEADERSHIPを持った人を世の中に生み出し続けること、これがビジネススクールであり、MBAの存在意義なのではないかと思います。特に、日本の教育ではあまりない、ケースの授業が多くあるため、自分の意見をまとめて意思決定につなげられるようになった経験からも感じています。

ueda: MBAは自分の観点をメタ認知的に評価できて、様々な理論的バックボーンを持てるツールを与えてくれる場だと考えています。曽部さんの話にもありましたが、意思決定するのは結構むずかしいことです。MBAではその判断の拠り所となる、ケースなどの先人の教えや、過去の失敗、ファイナンス理論などさまざまな基礎力の底上げができました。

sobe: たしかに、どんな分野でもある程度の回答ができるようになる色々な引き出しが増えるので、知的な基礎体力が向上しますよね。

海外MBAを取得し、グローバルに働く

なぜMBAを取得されたのでしょうか。

ueda: 子供の頃から国境を越えて自由に動ける人になりたいと思っていました。大学時代に行った1年間の交換留学では足りないと感じていたし、投資家時代に自分のロールモデルとなるような人はみんなMBAを持っていたことも影響しています。

sobe: 言語の壁と得意分野の壁を取り払いたいと考えていました。新卒から同じ会社にいたので、もっと視座を広げたいとも感じていました。入学してからの発見は、アジア人として生きていかなければいけないことの重みを強く感じました。人それぞれ違いがあるという開き直りが大切で、日本人として、そのままの自分としてどうしていくかという覚悟が決まった気がします。

自分の可能性を閉じず、チャンスに飛び込む

MBAを取得したことは、転職の意思決定につながっていますか?

sobe: ありました。印象的な授業の1つに、ナポレオンの戦略論があります。戦略を常に持っているのではなく、目の前にチャンスがあればとるべき、と学びました。5年10年のキャリアプランとして持っておくのも大切ですが、目の前に面白いことがあったら飛び込んでみるべきで、自分の可能性を閉じないのが大切なんだと思っています。

元々事業サイドへの興味と、経営者志向もあったので、もっと事業寄りになるかCFOの道を目指すかを迷った時に、まだまだ自分の力でドライブさせて作っていきたいと考えていた時に、偶然人の紹介でestieというチャンスが目の前にあったので、飛び込んでみました。

ueda: 本当にその授業に感銘を受けたのですね。僕は開発金融機関で途上国への融資をやりたいと思っていたので、そちらのキャリア追求に邁進しており、当時テックの勉強会とかもスルー気味でした。曽部さんがさっき言ってた偶然の出会い、つまりセレンディピティみたいなものは今振り返ると活かしきれていなかったと思います。MBAってすごくオポチュニティに溢れていると思いますね。

sobe: MBA卒業生と話をしていると、MBAに入る前に描いていたキャリアと違うキャリアを歩んでいる方が結構多い印象があります。MBA在校生にはもっと色々試してみませんかと伝えたいですね。今の時代どこにいても誰とでもzoomで面談することができるので、気になることがあれば気軽にアポを取ってみるといいと思います。

お二人とも留学前はグローバルに働くというこだわりがあったかと思うのですが、日本で働くことにしたのはなぜでしょうか。

sobe: 企業選びの際に言語という軸はありませんでした。入社エントリーでも少し触れたのですが、人とプロダクトという軸でestieを選びました。会社が大きく成長していくにつれて、海外と繋がる時は必ず来ます。それは役員だけではなくメンバーもそうで、ビジネススケールが大きくなっていくにつれて最終的には英語を使わなければいけない場面があると思い、転職段階では重要視していなかったですね。特にestieがターゲットとする日本の不動産市場は大きく、海外の機関投資家からの注目もあるので、良いサービスを作れば自ずと海外の機関投資家との取引が生まれます。

ueda: 私はestie転職前は前職の社内異動や海外投資先への転職も含めて、北米就職も同じくらいの選択肢として考えていました。しかし、一般名詞としての『海外で働く』ことは極端に言うといつでもできますが、この瞬間のestieで、今いる素敵なメンバーと今の距離感で一緒に働く機会は今しかないと感じて飛び込みました。会社のパーパスや投資家のチームにも強く惹かれました。ちなみにCFOとして入社して、実際は海外の投資家と英語で話しているので海外との関わりは常にありますね。

なおestieが「産業の真価を、さらに拓く」ことで、オフィスを含む社会インフラ整備が海外マネーを巻き込む形で進んでいく将来を想像しています。海外投資家がさらに日本に投資をする状態を作ることができます。estieでの仕事を通じて、日本を世界の中心へと押し上げるような働きをしていきたいです。

曽部さんの入社ブログにも「日本をまたNO.1」にみたいなことが書いていましたが、そういう目標を持った仲間と働けることもまたestieの魅力ですね。

実践することで、深まる学び

MBAの経験がスタートアップで活かされていることはなんでしょうか。

ueda: MBAでは色々な学びがありましたが、実はリアルなビジネスに勝る学びはないなと思っています。MBAでは将来リーダーになる心構えを身につけますが、スタートアップでは実際に経営者として振る舞うので、学びもさらに深くなりました。スタートアップでは人が少ないこともあり、CXOでなくともオーナーシップを持って仕事をするので、これは大なり小なり誰にでも当てはまるかもしれません。

sobe: estieでWhole product戦略を実行していく上で、責任のある仕事を任されていて、一人ひとりリーダーであることを求められています。MBAで培ったリーダーシップが活かされているなと感じます。

また、人とのつながりも活きているなと思っています。普段会うことができないエグゼクティブな方たちに、「卒業生だから」「留学生だから」「現地にいた日本人だから」という理由でお会いできます。実際に商談に進むケースもありますし、そのような方々と対等に議論を進めることで自分の視座が高められるなと思いますね。

ueda: ネットワークも重要ですよね。同時期にMBAを取得した仲間たちの活躍を見たり、話を聞くことで刺激を受けて、いいモチベーションアップになっています。

お話しいただきありがとうございました。海外MBAで得たものを最大限活用し、活躍されているお二人ですが、スタートアップでの働き方やキャリアの考え方にご興味があればお気軽にお声がけください。

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