虎ノ門五丁目のマンション建替え事業が始動　日鉄興和不動産

日鉄興和不動産が参加組合員として推進する「虎ノ門KTビル建替え事業」について、東京都港区からマンション建替組合の設立認可を受けた。同社はマンション建替え事業に注力しており、本件で31件目の建替組合設立認可実績となる。

建替え対象の「虎ノ門KTビル」は1979年5月竣工の地上10階建て、住戸24戸と店舗事務所1区画からなる複合用途マンションだ。2013年の耐震診断で「倒壊または崩壊する危険性が高い」と判定され、建物の老朽化や修繕積立金不足といった課題を抱えていた。2024年12月の建替え決議集会で可決承認され、権利者全員の参加による建替組合設立に至った。

本事業の特徴は、隣接する東側敷地を取り込んだ共同建替えにある。従前建物は敷地約90坪と狭小かつ不整形で、現行法に則った施設計画では工事コストへの影響が大きく合意形成が困難だった。共同建替えにより敷地は約111坪に拡大し、延床面積も約552坪から約855坪へと増加。総戸数は25戸から45戸（すべて住宅）へ拡充される計画だ。建替え後は地上14階建てのRC造マンションとなり、2029年3月の竣工を予定している。

同社は2025年10月にも、千葉県船橋市の576戸大規模マンション建替え事業に参加組合員として着工するなど、建替え分野で存在感を示している（参考記事：船橋で576戸のマンション建替え事業が着工 野村不動産ら）。築40年超のマンションは2030年には約198万戸に達する見通しで、老朽化マンションの再生円滑化が政策課題となるなか、同社は1986年の全国初の純住宅系マンション建替え以降、業界を牽引する取り組みを続けている。

案件概要

• 名称：虎ノ門KTビル建替え事業（建替え後の名称は未定）

• 事業主：虎ノ門KTビルマンション建替組合

• 参加組合員：日鉄興和不動産株式会社

• 所在地：東京都港区虎ノ門五丁目21番3、21番4（地番）

• 最寄駅：東京メトロ日比谷線「神谷町」駅 徒歩1分

• 竣工予定：2029年3月

• 規模：RC造 地上14階

• 面積：敷地面積 約111坪、延床面積 約855坪

• 総戸数（予定）：45戸