麻布十番のオフィスビルを取得、大栄不動産
大栄不動産は2025年3月、麻布十番のオフィスビルを株式会社東亜商館より取得した。対象物件は麻布十番駅から徒歩2分に位置し、1971年竣工の鉄筋コンクリート造6階建。築年数は50年以上に達するが、近年の都心部再活性化の潮流に沿った資産再生投資の一環とみられる。
物件周辺は、老舗商店街やカフェ、インバウンド向けのブティックが集積し、近年では外資系企業やベンチャー企業のオフィス立地としても人気が高い。徒歩圏には六本木ヒルズや元麻布ヒルズなどの高層開発も広がり、都心の利便性と落ち着いた環境を兼ね備える希少エリアとして評価されている。
本物件の延床面積は約212坪で、1フロア約30〜36坪の構成。スモールオフィス需要を想定したフロアプランであり、分割賃貸やSOHO系テナントの誘致が見込まれる。築古ではあるものの、近年はエリアの需給逼迫を背景に、築年数よりも立地優先で物件を選定する傾向が強まりつつある。特に港区・渋谷区・中央区のオフィスストックは空室率が低位で推移しており、再生余地のある築古ビルへの注目が高まっている。
買主の大栄不動産は、築古物件のバリューアップによる利回り向上を得意としており、近年はホテルなどの開発案件にも取り組む。エリア特性を活かした投資を積極展開しているが、本件取得もその一環である。本件の収益化のフェーズにおいては、立地ポテンシャルを活かした高稼働維持が可能と見られ、将来的な私募REITへの組み入れや私募ファンド経由での出口戦略が視野に入る。
物件概要
物件名称:東亜ビル
買主:大栄不動産株式会社
売主:株式会社東亜商館
取引価格:非公表
所在地:東京都港区麻布十番1-11-3
最寄駅:都営大江戸線・東京メトロ南北線 麻布十番駅 徒歩2分
竣工年月:1971年11月
規模:地上6階
面積:延床面積 約212坪