大阪・阿波座のオフィスビルを取得、大和ハウス
大和ハウスは2025年3月、大阪市西区阿波座のオフィスビル「明治ビル」を取得した。売主は株式会社アルフレード(東京都・世田谷区)。同社は取得から半年足らずでの売却となった。大和ハウスとしては関西圏での中規模ビル取得を通じた収益不動産ポートフォリオの強化と見られ、阿波座エリアにおける収益資産戦略の一環と位置づけられる。
対象物件は、Osaka Metro中央線・千日前線「阿波座」駅徒歩6分/御堂筋線・四つ橋線・中央線「本町」駅徒歩5分、阿波座交差点からほど近いビジネス街に立地する6階建の鉄筋コンクリート造、1970年4月に竣工。1フロアあたり約46坪のフロアプレートを持ち、総延床面積は約278坪。旧耐震である本件は、買い手のダイワハウスにより建替えが実施される可能性が高い。
大阪市内のオフィスビル市況は、御堂筋沿線を中心に大型ビルの供給が進む一方で、準中心部に位置する築古中小ビルは空室率の高さや老朽化による競争力低下が課題となっている。特に、竣工1980年以前で延床面積1,000坪未満の物件に限定した場合、コロナ禍前に1%未満であった同セグメントの空室率は過去3年間4%後半から5%前半で推移しており、現状改善の兆しは見えていない(「estie マーケット調査」を元に編集部にて調査)。これらの状況に目を付けたサンフロンティア不動産は、東京で培ったリプランニング事業の実績を活かして大阪エリアへの拡大を進めており、築古ビルのリポジショニングを行っている。
大和ハウスは住宅・物流施設の開発に加え、都市部における既存建物の取得・再生による再供給や賃貸収益事業にも力を入れており、本件はその流れを汲む戦略的取得と見られる。特に築年数の経過したビルを中心に、建替えや共用部のアップグレード、ICT対応の導入を通じた競争力向上を図っており、同社の今後の再開発やリノベーション動向が注目される。
物件概要
物件名称:明治ビル
買主:大和ハウス工業株式会社
売主:株式会社アルフレード
取引価格:非公表
所在地:大阪府大阪市西区阿波座2丁目2-24
最寄駅:Osaka Metro中央線・千日前線「阿波座」駅 徒歩6分/御堂筋線・四つ橋線・中央線「本町」駅 徒歩5分
竣工年月:1970年4月
規模:地上6階建
面積:延床面積 約278坪