静銀新宿ビルを売却、静岡銀行
静岡銀行は2025年3月、東京都新宿区のオフィスビル「静銀新宿ビル」の全持分を第一リアルターへ売却した。取引価格は非公表だ。
本件は、地方銀行による保有不動産の選択と集中の一環であり、築年数が55年を超える本ビルにおいて発生する設備更新等のタイミングで資本効率向上を図った可能性が高い。
対象地は東京メトロ「新宿三丁目」駅が近接し、新宿駅東口にも徒歩圏である。靖国通りに面する商業集積地で歩行者通行量が多く、オフィス・店舗双方のテナント需要を取り込める立地だ。建物は1969年竣工、地上6階建であり。延床面積約986坪、基準階面積は約142坪となっている。従来は同行が新宿支店および「新宿ローンセンター」を構えていたが、建物老朽化に伴い2024年7月に「新宿アイランド・ウイング」へ移転を行い、現在は退去済みだ。
第一リアルターは取得後、耐震補強やレイアウト自由度を高める内装改修を実施する可能性が高い。インバウンド需要回復と再開発の進展が周辺オフィス・リテール需要を下支えしており、バリューアップ後に周辺築浅ビルとの競争力格差が縮小するかが鍵を握る。同社はマンションおよびホテル開発、不動産投資コンサルティングを主力とするが、直近1年間ではホテル用地22件・中古ビル15棟を取得するなど、築古物件の再生とインバウンド向けホテル開発を軸に積極投資を続けている。
物件概要
物件名称:静銀新宿ビル
買主:第一リアルター株式会社
売主:株式会社静岡銀行
取引価格:非公表
所在地:東京都新宿区新宿2丁目19-12
最寄駅:東京メトロ丸ノ内線・副都心線/都営新宿線「新宿三丁目」駅 徒歩2分
竣工年月:1969年11月
規模:地上6階・地下1階
面積:延床面積 約986 坪、基準階 約142 坪