米国カリフォルニア州に現地法人を設立、近鉄不動産

近鉄不動産は2025年7月日、米国カリフォルニア州トーランス市に現地法人「Kintetsu Real Estate Company of America」を設立した。同社は米国市場を、ホテルや物流など既存事業で培ったノウハウを活かせる重点エリアと位置づけ、今回の法人を通じて不動産の開発・保有・運営・売買を一体的に担う体制を構築する。近鉄グループは「長期ビジョン2035」および「中期経営計画2028」でグローバル事業の深化・拡大を掲げており、現地法人はその運営主体として位置づけられる。

同社は2020年4月に米国不動産ファンドへ初出資して以降、米国4件に参画し、全米を対象とするコアファンド「TA Realty Core Property Fund」、西海岸を主対象とする賃貸住宅・物流ファンド「U.S. VALUE-ADD REAL ESTATE FUND VII」、シアトル郊外で開発中の大規模賃貸住宅「Quarterra Village」、全米のシニア住宅を対象とする「MRE Open End Fund」へ出資している。

近鉄不動産は2024年に海外事業を担当する新部署を設立し、事業推進体制を強化している。今後は米国および豪州を軸に、賃貸住宅、物流施設、シニア住宅など多様なアセットタイプへの投資を進め、現地法人をハブとしてグローバルポートフォリオの拡充を図る考えだ。