米国のWood Partnersと業務提携 伊藤忠商事
伊藤忠商事は、米国で賃貸住宅開発事業を行うWood Partnersの持分19.5%を取得し、資本業務提携契約を締結した。米国の賃貸住宅分野において、建材供給から開発・運用まで一連で事業展開する体制の構築を目指す取り組みである。
Wood Partnersは1998年創業の賃貸住宅デベロッパーで、2025年現在、全米17拠点で事業を展開する。賃貸住宅着工戸数ランキングで全米第3位とされ、累計開発戸数は約9.2万戸、累計投資額は約200億ドルに達する。既に米国投資家を中心に多数のパートナーを有しており、伊藤忠は日系投資家とのネットワークを活用し、同社案件への出資機会拡大を図る。
伊藤忠グループは国内で分譲・賃貸住宅の開発に加え、住宅特化型J-REITを運用するなど開発・管理・運用分野で実績を有する。米国では2014年の事業再開以降、賃貸住宅分野を中心に投資を継続してきた。本提携を海外不動産戦略の中核事業と位置づけ、日系投資家と共同で今後5年間で10億ドルを目標にWood Partnersの開発プロジェクトへ投資する計画である。あわせて北米建材事業(北米約100拠点・売上規模約22億ドル)との連携により、開発案件への資材供給を通じたシナジーの最大化を図る。
米国の住宅市場は慢性的な住宅不足にあり、今後10年間で約1,230万世帯の増加が予測される。住宅ローン金利の上昇で持ち家取得の負担が高まる一方、賃貸住宅需要は堅調に推移しており、マルチファミリーは中長期的に有望な投資対象とみられる。今回の提携は、こうした市場環境を踏まえ、世界最大の不動産市場でデベロッパー事業と投資ビジネスの両面から収益基盤を拡充する動きといえる。
会社概要
会社名:Wood Partners
本社所在地:ジョージア州アトランタ(米国)
設立:1998年
事業内容:賃貸住宅(マルチファミリー)の開発・施工・運用
事業拠点:全米17拠点
累計開発戸数:約9.2万戸
累計投資額:約200億ドル
特徴:賃貸住宅着工戸数ランキング全米第3位
提携内容:伊藤忠商事による持分19.5%取得および資本業務提携