九州で大規模データセンター開発に参画 日鉄興和不動産

日鉄興和不動産は、アジア・パシフィック・ランド・(ジャパン)・リミテッドが推進する九州エリアのデータセンターハブ構築プロジェクトに参画した。多様化する産業用不動産ニーズに対応する中で、同社がデータセンター開発に取り組むのは初めてとなる。
計画は、福岡県北九州市および糸島市で複数のデータセンターを整備する構想で、今回の第1号案件として北九州市若松区ひびきの北で「VOLTAプロジェクト」を進める。約6haの敷地を確保し、120MW級の開発を計画する。稼働開始は2029年を予定している。
同社は物流施設「LOGIFRONT」を中心に産業用不動産を展開してきたが、研究施設や工場などにも領域を拡大している。今回の取り組みは、デジタル化加速に伴うデータ処理・保存需要の増大に対応するもので、地域未来投資促進法の活用や産学官連携によるデジタル人材確保も視野に、次世代のデジタルインフラ基盤構築を目指す。
九州北部は、九州域内の電力料金が日本国内で最も低く、再生可能エネルギー供給源にも恵まれるほか、国内ファイバー網との強力なアクセスや韓国・釜山などへの海底ケーブル網を通じた直接接続環境を備え、東京・大阪圏に次ぐ国内第3のデータセンターハブ候補と位置づけられている。国内のデータセンターサービス市場は2022年時点で約2兆円、2027年には約4兆円規模への拡大が見込まれており、生成AIやクラウド利用の増加により高密度・高電力型施設への需要が強まっている。こうした市場環境も、同社が新アセットであるデータセンター開発に参画する背景となっている。
物件概要
名称:VOLTAプロジェクト
事業主:アジア・パシフィック・ランド(ジャパン)・リミテッド
所在地:福岡県北九州市若松区ひびきの北
竣工予定:2029年(稼働予定)
DC規模:120MW
面積:敷地面積 約6ha