底地4物件を共同ファンドに譲渡、売却益17億円を還元 産業ファンド投資法人
産業ファンド投資法人は2025年12月4日、保有する底地4物件を地主株式会社との共同底地ファンドへ譲渡することを決定した。譲渡予定価格は総額約113億円で、売却益約17億円を計上する見込み。同投資法人は本底地ファンドへの匿名組合出資(出資割合7.0%)も実行し、中期的な配当収入と将来の優先交渉権を確保する。
譲渡対象は「IIF泉大津e-shopロジスティクスセンター(底地)」など4物件で、いずれも長期固定賃料の借地契約(平均残存期間19.8年)による底地資産である。譲渡先の「地主・KJRM合同会社」は、同投資法人のブリッジファンドが保有するタンクターミナル底地6物件も取得予定で、ファンド全体の裏付資産は10物件・取得価格約317億円となる。
同投資法人は資産入替によるインフレ耐性強化を進めており、長期固定賃料の底地を売却し、アップサイドポテンシャルを有する物件取得に資金を活用する。地主株式会社は東証プライム上場の底地特化企業で、2025年11月には三菱HCキャピタルリアルティと規模1,000億円を目指す「地主ファンド」の組成協定を締結(関連記事:底地特化型ファンド組成で協定締結 地主株式会社)。底地特化型私募リートの運用やリース会社とのブリッジスキームに加え、今回のJ-REITとの共同ファンドにより、底地の受け皿機能を多層的に拡充している。
売却益約17億円は2026年7月期および2027年1月期に全額還元予定。匿名組合からの想定利益配当利回りは7.0%で、2033年2月までの契約期間中、中期的な収益享受が見込まれる。
取引概要
譲渡決定日:2025年12月4日
譲渡先:地主・KJRM合同会社
譲渡予定価格(合計):11,372百万円
帳簿価額(合計):9,503百万円
譲渡益(見込み):約17億円
譲渡日(予定):第1回 2026年3月17日/第2回 2026年10月30日
IIF泉大津e-shopロジスティクスセンター(底地)
譲渡予定価格:4,730百万円
鑑定評価額:4,730百万円
所在地:大阪府泉大津市なぎさ町8番1号
IIF飯能マニュファクチュアリングセンター(底地)
譲渡予定価格:3,130百万円
鑑定評価額:3,130百万円
所在地:埼玉県飯能市茜台3丁目8番他
IIF東松山ガスタンクメンテナンスセンター(底地)
譲渡予定価格:832百万円
鑑定評価額:832百万円
所在地:埼玉県東松山市新郷75番1
IIF神戸西ロジスティクスセンター(底地)
譲渡予定価格:2,680百万円
鑑定評価額:2,680百万円
所在地:兵庫県神戸市西区見津が丘四丁目10番4