名古屋で「T-PLUS名駅」を着工、東京建物
東京建物は2025年5月、名古屋駅南側で中規模オフィスビル「T-PLUS名駅」の新築工事に着手した。T-PLUSシリーズの東海初進出案件で、東京建物にとっては2009年竣工の名古屋プライムセントラルタワー以来16年ぶりとなる同社の名古屋市内開発である。竣工は2027年2月を予定し、延床面積約1,980坪の12階建てを計画している。
「T-PLUS」は東京建物が全国主要都市で展開するブランドで、22年竣工の日本橋小伝馬町を皮切りに仙台・札幌など地方都市へ拡大してきた。既存4物件の延床は約8,145坪で、本件を加えるとシリーズ累計はおよそ1万100坪となる。
本物件はJR・新幹線「名古屋」駅徒歩8分、地下街出入口から徒歩2分に位置し、近鉄・名鉄など五路線が利用可能な広域交通結節点に近接する。1フロア約141坪を最大4分割でき、シリーズ初の家具付きセットアップ区画の導入。テナントは内装費負担を抑え短期入居も選択でき、ハイブリッドワーク拠点やプロジェクトルームとしての需要を想定している。また、リニア中央新幹線開業を控える名古屋圏で企業のESG・働き方改革ニーズにも対応する。
名古屋駅周辺エリアでは、長谷工コーポレーションが延床約5,073坪の「(仮称)名駅南二丁目オフィス」を25年4月に着工予定、名鉄グループは延床約157,290坪のツインタワー再開発を27年度に着工し、33年度に第1期竣工を計画しており、名駅周辺では大型供給が相次ぐ見込みだ。中規模で分割対応可能な本物件はこれら大型計画の狭間で地場企業や支店開設需要を囲い込み、需給が引き締まる局面での早期リーシングを狙う。
完成後は同社ビル営業推進部がリーシングとプロパティマネジメントを担う。ポストコロナで再成長する名古屋オフィスマーケットにおいて、T-PLUS名駅はメインオフィスとサテライトを結ぶハブ拠点として位置づけられるだろう。
物件概要
物件名称:T-PLUS名駅
事業主:東京建物株式会社
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅南一丁目1815他(地番)
最寄駅:JR・東海道新幹線「名古屋」駅徒歩8分、地下街出入口徒歩2分
竣工年月:2027年2月(予定)
規模:地上12階
面積:延床面積 約1,980坪