投資用マンション事業者「グリップ」の全株式を取得 京急不動産
京急不動産は2025年11月21日、株式会社グリップの全株式を取得し、同社をグループ化する。グリップは横浜・川崎を拠点に投資用マンションの開発から管理までワンストップで展開する事業者で、京急グループが掲げる「長期保有前提の賃貸事業から資産回転型事業への転換」戦略に合致すると判断した。
グリップは2009年の設立以来、横浜・川崎エリアを中心に投資用新築マンション「Le'a」、投資用リノベーションマンション「G.Gallery」を展開してきた。これまでに74棟2,465戸を販売し、直近の管理戸数は1,987戸、入居率は98%を超える。2025年5月期の売上高は約7,689百万円。投資用マンションの開発、設計、投資コンサルティング、販売、仲介、賃貸管理、建物管理をワンストップで提供している。
京急不動産は、グループの中期経営計画で川崎・横浜エリアのまちづくりを推進し、不動産事業を「交通事業に並ぶ第2の利益の柱」とする方針を掲げている。今回の買収により、グリップの事業エリアである横浜・川崎で投資用マンション所有の若年層顧客に対し、京急グループの分譲住宅「PRIME」シリーズといった実需住宅を提案するほか、グリップのノウハウを活用して販売を促進する。グリップ側も京急グループの資金力を背景に土地仕入れを強化し、事業基盤の拡大を図る。なお、株式譲渡後も両社の屋号やブランド名は変更しない。
都心部の分譲住宅価格高騰を背景に、資産価値・リセールバリューを重視する傾向が強まっており、駅近のコンパクトマンションは投資目的での購入が増加している。物価上昇が継続する中での「貯蓄から投資」への意識変化や、若年層を中心とした将来の年金不安も投資用マンション需要を後押ししている。
会社概要
商号:株式会社グリップ
所在地:神奈川県横浜市西区高島2-7-1 ファーストプレイス横浜2F
設立:2009年6月15日
事業内容:不動産の売買・賃貸・仲介・管理ほか
売上高:7,689百万円(2024年6月1日~2025年5月31日)
販売実績:74棟2,465戸
管理戸数:1,987戸