地方のヘルスケア施設3物件を売却、大和証券リビング投資法人
大和証券リビング投資法人は2025年4月、保有するヘルスケア施設3物件の信託受益権を総額3,460百万円で売却する売買契約を締結した。譲渡先は国内事業会社1社だが非開示。決済・引渡しはいずれも5月30日を予定しており、売却益は約540百万円となる見込みだ。
売却対象は福岡県北九州市の「さわやか海響館」、新潟市の「さわやか日の出館」、札幌市の「シルバーハイツ羊ヶ丘3番館」の3棟。いずれも入居率100％が継続しており、同法人は帳簿価額および鑑定評価額を上回る価格提示を受けたことで投資主価値向上に資すると判断した。売却後、取得価格ベースのポートフォリオに占めるヘルスケア比率は27.6％から27.0％へ低下するが、同リートは住宅を中心とした資産入替で安定収益の確保を図る方針である。
物件はいずれも築20年前後で、地方中核都市に立地する介護・高齢者向け住宅である。北九州・若松区のさわやか海響館は延床約2,700㎡、海沿いの住宅地に位置し、2003年竣工。新潟市中央区のさわやか日の出館は2007年竣工で港湾エリアの再開発区域に近接する。札幌市豊平区のシルバーハイツ羊ヶ丘３番館は延床約7,270㎡と3物件中最大規模で、周辺には医療機関や住宅団地が集積する。これら施設は地域密着型の介護オペレーター1社がそれぞれ単独テナントとして入居し、安定稼働が続いている。
大和証券リビング投資法人にとって本件は、物件入替による含み益実現と資本リサイクルを同時に図る施策である。地方ヘルスケア資産の売却で得た資金は、首都圏住宅や新規開発物件への再投資、自己投資口の取得などを検討するとみられる。一方、買主は人口高齢化が進む地方都市で介護・住宅一体型施設を拡充し、長期安定運営を図る狙いがあると推測される。
物件概要
物件名称：さわやか海響館
買主：非開示（国内事業会社）
取引価格：1,030百万円
所在地：福岡県北九州市若松区浜町一丁目11-13
最寄駅：JR筑豊本線 若松駅 徒歩13分
竣工年月：2003年10月
面積：賃貸面積2,694.42㎡
物件名称：さわやか日の出館
買主：非開示（国内事業会社）
取引価格：970百万円
所在地：新潟県新潟市中央区日の出二丁目2-33
最寄駅：JR上越新幹線 新潟駅 車で約5分
竣工年月：2007年7月
面積：賃貸面積2,674.37㎡
物件名称：シルバーハイツ羊ヶ丘3番館
買主：非開示（国内事業会社）
取引価格：1,460百万円
所在地：北海道札幌市豊平区月寒東四条十五丁目4-38
最寄駅：地下鉄東西線 南郷18丁目駅 徒歩15分
竣工年月：2003年4月
面積：賃貸面積7,267.56㎡