みなとみらいの歴史的建造物をホテルに転換、日本郵船
日本郵船とPlan・Do・Seeは、1936年竣工の歴史的建造物「横浜郵船ビル」をホテルへ転換する工事に着手した。2025年5月7日に着工し、2026年秋の竣工後、Plan・Do・Seeが宿泊・レストラン・バンケットを備えたホテルとして運営を担う予定である。
横浜郵船ビルは、16本のコリント式列柱が並ぶ重厚な外観が特徴で、横浜港の発展を支えたシンボリックな建物であるが、みなとみらい線「馬車道」駅から徒歩3分と交通利便性にも優れる。今回のプロジェクトでは外観を保存しつつ内部をホテルへ転換し、周辺で進行中の再開発と一体となってエリアの賑わい創出を図る。隣接区画では、同じく日本郵船と三菱地所、鹿島建設が「(仮称)横浜市中区海岸通計画(A-1地区)」 の開発を進め(2027年竣工予定)、延べ2万坪を超えるオフィス・飲食店舗・展示場の供給が予定されており、エリア一帯の価値向上が見込まれている。
周辺のみなとみらい~関内エリアでは、ハイエンドホテルの集中投資と歴史的建物の再活用が同時進行している。2023年9月には339室の「ヒルトン横浜」が音楽アリーナ隣接地で開業し、MICE・エンタメ需要を獲得した。今後も2026年3月に水族館併設の「フォーシーズンズホテル横浜」、同年春に旧横浜市庁舎を転用する「OMO7横浜 by 星野リゾート」、2027年には272室規模の「コンラッド横浜」が続く見通しであり、国際ブランドが一挙に集積する構図だ。
既存ストックのリポジショニングとしては、横浜ランドマークタワー内の横浜ロイヤルパークホテルが2025年3月をもって休業し、マリオットの「ラグジュアリーコレクション」ブランドとして2028年に再開業する。
横浜みなとみらい~関内エリアは、上記再開発やリニューアルを受け、街全体が高付加価値の滞在都市へシフトする流れが鮮明になった。今後は大型アリーナや国際展示場との連動によるMICE需要、インバウンドの増勢が市場を下支えし、差別化されたラグジュアリー/ブティック両軸の供給拡大が続く見込みである。
施設概要
名称:横浜郵船ビル
所在地:神奈川県横浜市中区海岸通三丁目9番1号
最寄駅:みなとみらい線 馬車道駅 徒歩3分
建物規模:地上4階
敷地面積:5,507.14㎡
事業主:日本郵船株式会社
ホテル運営者:株式会社Plan・Do・See
施工者:岩田地崎建設株式会社
着工:2025年5月7日
竣工:2026年秋