関西エリアの宿泊需要が堅調 星野リゾートREIT
星野リゾート・リート投資法人は2025年11月5日、9月度の運用実績を公表した。ポートフォリオ全体の売上高は前年同月の4,915百万円から5,448百万円へ10.8%増。客室稼働率は80.7%(+5.5pt)、平均客室単価(ADR)は21,200円台、1室あたり収益(RevPAR)は17,000円台と前年を約1割上回った。
星野リゾートが自社で運営する物件の売上はわずかに減少した一方、同社以外が運営する都市型ホテル群の好調が全体の増収をけん引した。星野リゾート運営物件の売上高は2,602百万円(前年同月比4.4%減)で、稼働率は79%台前半にとどまった。温泉地や観光地を中心とする構成のため、天候や災害による需要変動の影響を受けやすい。特に九州地方の「界」ブランドでは、地震や豪雨の影響で予約回復が遅れた。
一方で、首都圏や関西圏で展開する「the b」「ANAクラウンプラザ」などの都市型ホテルでは、観光・ビジネス両面の需要拡大を背景に稼働率が81%台まで上昇。万博関連需要の高まりも追い風となり、外部運営物件がポートフォリオ全体を押し上げた。
estie J-REITデータによると、星野リゾートREITが2021〜2025年に取得した宿泊関連資産(12件)の平均想定キャップレートは、2021年時点で約5.0%、2023年にかけて5.1%台まで上昇したのち、2025年には4.7%前後へと低下した。期間を通じてみると、宿泊アセットの利回りはおおむね5%前後で安定的に推移している(estie J-REITデータを基に編集部にて調査)。
ポートフォリオ全体
稼働率:80.7%(前年同月比+5.5pt)
ADR(平均客室単価):約21,200円(+3.2%)
RevPAR(販売可能客室当たり収益):約17,100円(+10.9%)
売上高:5,448百万円(+10.8%)
星野リゾート運営物件
稼働率:79.1%(前年同月比−2.4pt)
ADR(平均客室単価):約51,900円(−0.6%)
RevPAR(販売可能客室当たり収益):約41,100円(−3.6%)
売上高:2,602百万円(−4.4%)
星野リゾート以外運営物件
稼働率:81.1%(前年同月比+7.5pt)
ADR(平均客室単価):約14,200円(+16.6%)
RevPAR(販売可能客室当たり収益):約11,500円(+28.4%)
売上高:2,846百万円(+29.8%)