九電工が本社をONE FUKUOKA BLDG.へ移転
九電工は2025年5月19日、南区・那の川の自社ビルから天神の大型複合施設「ONE FUKUOKA BLDG.」へ本社機能を移し、900名程度が稼働を開始した。天神駅直結という交通優位性に加え、制震構造やBCP設備を備える最新ビルへの入居により、災害対応力と採用競争力の同時強化を狙う。
移転先である「ONE FUKUOKA BLDG.」は、西日本鉄道を事業主として2024年12月に竣工した地上19階建ての新築ビルで、最新の耐震・制震構造や環境に配慮した設備を備えている。同ビルは、地下鉄「天神」駅や天神地下街に直結しており、優れたアクセスが特徴である。九電工は次世代の人材確保や企業ブランドの強化を目的に、天神エリアへの拠点集約を進めている。新オフィスでは、従業員が自立性・積極性を育み、新たな事業領域にチャレンジできる場として、フリーアドレス制が導入されている。また、部門間の垣根を撤廃した開放的なレイアウトや、社員間の交流を促進するリフレッシュエリア、ライブラリーコーナーなども設置されており、業務効率やコミュニケーションの向上が期待されている。
福岡・天神は、大規模再開発計画「天神ビッグバン」により、次世代型のオフィスビルや高級ホテルが次々と誕生しており、国内外の企業の集積が進む地域だ。天神エリア(天神駅徒歩10分圏)では天神ビッグバンに伴う再開発でハイグレードビルの供給が進み、全グレードの賃料はコロナ前比で約4%程度上昇する一方、旧耐震ビルの空室が増える二極化が顕著だ(「estie オフィスリサーチ」を元に編集部にて調査)。 天神ビッグバンの供給ラッシュが一巡した後、賃料上昇の勢いは続くのか、それとも旧耐震ビルの滞留在庫が価格調整圧力となるのか、市場は分水嶺に差しかかっている。
移転概要
移転時期:2025年5月19日
移転元:福岡県福岡市南区那の川1-23-35
移転先:ONE FUKUOKA BLDG.(福岡県福岡市中央区天神1-11-1)
移転先物件概要
竣工:2024年12月27日
規模:地上19階・地下4階
面積:延床面積 約44,467坪、基準階貸室面積 約1,414 坪
基準階仕様:天井高3,000mm、OAフロア100 mm
床荷重:500 kg/㎡(ヘビーデューティーゾーン 1,000 kg/㎡)
空調:高効率熱源+ゾーン別個別 VAV方式