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米テキサス物流ポートフォリオを取得、ブラックストーン - 新規供給抑制下の中で積極投資継続

米ブラックストーン(NYSE: BX)は4月10日、米不動産投資開発大手クロウ・ホールディングスが開発した物流施設ポートフォリオの95%の持分を、7億1,800万ドル(約1,020億円、1ドル=142円換算)で取得することで合意した。買収は同社のコアプラスファンドを通じて行われ、残る5%の持分はクロウ・ホールディングスおよびそのパートナーが保有する。

今回の取得対象は、テキサス州ダラスおよびヒューストンに立地するクラスA物流施設25棟、総延床面積約600万平方フィート(約55万m²)から成る。いずれも新規供給が限定的な主要サブマーケットに位置しており、供給抑制環境下での安定的な収益獲得が期待される。

同社のアクイジション責任者デビッド・レヴィ氏は、「現在の市況下においても、当社は確信を持てる分野への投資を継続している。特に物流は、空室率の低位安定と新規供給の減少により、引き続き強気の投資テーマだ」と述べる。 ブラックストーンは、北米で900億ドル超、グローバルでは約1,700億ドルの物流資産を運用しており、世界最大規模の物流アセットオーナーの一角を占めるが、今回の大型取引も、同社の豊富な資本力と、選別的な投資戦略に基づいている。

日本の物流施設市場では、足元で供給過多感が強まり、投資家各社が新規取得に慎重な姿勢を強めている。実際に首都圏では、過去5年で新規需要を上回る新規開発が続き、空室率は急激な上昇傾向にあった。

他方、米国の物流施設市場では、2022年のピークに比べて足元の新規着工件数が80%以上減少しており、需給バランスが既にタイト化してきていることから、一部のグローバル投資家は引き続き積極的な買い姿勢を維持している。 日本でも建築費高騰も相まって将来新規供給は過去5年を下回る水準になることが見込まれていることから、物流施設に対する投資機運が一時的に停滞する中であっても、中長期で需要の成長が見込める立地と高品質アセットに対する資本の流入が続く可能性を示している。

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