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東急不動産HD、新中期計画2030を発表 ー 再生エネルギーなど新アセット領域で利益成長を見込む

東急不動産ホールディングス(東急不動産HD)は2025年5月、2030年度を最終年度とする新たな中期経営計画「Mid-Term Management Plan 2030」を公表した。

この計画では2030年度に営業利益2,200億円以上、当期純利益1,200億円以上を目指す数値目標を掲げている。また株主還元方針も見直され、配当性向を毎期35%以上に高める方針が示された。

前中期経営計画では、掲げていた2025年度の営業利益1,200億円・当期純利益650億円という目標を2年前倒しで達成しており、東急不動産HDは計画以上のペースで業績を拡大した。実際、2024年3月期(前期)には売上高1兆1,503億円、営業利益1,408億円と過去最高を更新し、堅調な不動産売買マーケットやインバウンド需要の回復を捉えて収益力を高めた。とりわけマンション分譲や不動産仲介事業が好調で、ホテルセクターも需要増で利益拡大に寄与するなど、総合不動産グループとしての強みを発揮した。こうした実績について同社は「稼ぐ力と効率性の向上」が一定の成果を上げたと自己評価しており、次期計画ではさらに効率性と耐久性を高めつつ利益成長を追求するとしている。

一方、新中計では、各事業セグメントに対して積極的な資本投下を行う方針であるものの、特に同社が「戦略投資事業」と位置付けた「再生可能エネルギー」、「インダストリー」、「投資運用」、「海外」の4領域での利益成長期待が大きい。中でも「再生可能エネルギー」事業は2025年度の営業利益として50億円を見込むが、本中計期間に5,300億円を投じて2030年では300億まで伸ばす計画であり、これは同社の住宅事業を上回る水準である。それに対して、オフィス・商業施設・住宅事業などいわゆる伝統アセットで構成される都市開発事業セグメントは、2024年度から2030年度まで利益成長に貢献しない計画だ。

各セグメント別の2030年度営業利益目標と、2024年度実績比での年平均成長率(CAGR)は以下のとおり。

セグメント/営業利益(億円)

2024年度 実績

2030年度 目標

CAGR(年率

都市開発事業(オフィス・商業・住宅など)

705

705

± 0.0%

戦略投資事業(物流・海外・再生可能エネルギーなど)

52

595

+ 50.1%

管理運営事業

250

370

+ 6.8%

不動産流通事業

508

680

+ 5.0%

全社・消去

△ 108

△ 150

合計

1,408

2,200

+ 7.7%

以上のように、新中期経営計画2030は、前計画で培った収益基盤を一段と強化しつつ、重点分野への資源投入によって不動産グループ全体の利益成長を加速させる内容となっている。

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