導入事例

プロロジスが挑む、データドリブンな物流戦略の深化

世界20か国で約6,000棟、総面積約1.2億平方メートルの物流施設を展開するプロロジスは、日本国内においても先進的な物流不動産のリーディングカンパニーとして知られています。同社は、リーシング・開発・投資判断における意思決定の高度化を目的に、「estie 物流リサーチ」を導入しました。網羅的で最新の市場データにアクセスできるようになったことで、競合施設の分布や賃料傾向、需給バランスを的確に把握し、市場環境を可視化したうえで、よりスピーディで精度の高い意思決定を実現しています。

この度、「estie 物流リサーチ」の導入前にプロロジスが抱えていた課題や導入理由、導入効果、そして物流業界全体を見据えた今後のDXへの展望について、プロロジスのご担当者様にインタビューしました。

物流業界ならびにプロロジスが抱えている、データ活用の課題とは?

物流業界では、「物流2024年問題」に象徴されるドライバー不足や配送の小口化、人手の確保難といった課題が顕在化しています。加えて、急増するEC需要に対応すべく、より柔軟で高機能な物流拠点の整備が求められていますが、物流施設の開発や投資において前提となる客観的なデータ整備が、業界全体で十分とはいえないのが現状です。

例えば、競合施設の分布や賃料水準、需給バランスといった情報は重要な意思決定に直結するにも関わらず、公的情報や業界全体で共有できる基盤データが乏しく、各社が独自に情報収集を行っています。こうした背景のもと、網羅性と最新性を兼ね備えた外部データをどう活用するかが、開発・リーシング戦略の高度化に向けた重要なテーマとなっています。

「estie 物流リサーチ」の導入を決定した理由とは?

「estie 物流リサーチ」の導入を検討するにあたり、私たちがまず注目したのは「常に更新された高精度なデータベース」にアクセスできるという点でした。情報の網羅性と最新性の両面で、従来を大きく上回る効果が期待できると判断しました。

加えて、操作方法が直感的で扱いやすく、現場担当者にとってもストレスなく使える設計になっていたことも決め手の一つです。

さらに、提案資料の作成やアタックリストの構築においても、外部データの活用余地が広がっていました。「estie 物流リサーチ」は、物件検索や賃料分布の可視化といった分析機能だけでなく、ターゲットとなるエリアや企業群の洗い出しといったマーケティング的な活用にも対応しており、汎用性の高いツールだと感じました。

今後、プロロジスはDXにどう取り組むか?

物流施設に求められる役割は、単なる保管・配送の場から、「物流全体の生産性を支えるハブ」へと進化しています。プロロジスは、こうした変化に対応するため、定量的な根拠に基づいた意思決定と、業界横断でのデータ基盤の整備が重要であると考えています。

今後は、行政や企業、業界団体と連携しながら、物流業界全体のデジタル化とデータの整備・共有を推進していくことが大切だと感じています。

また、AIやシミュレーション技術の活用も視野に入れながら、顧客との共創による開発プロセスの高度化にも取り組みたいと考えています。「estie 物流リサーチ」の導入もその一環であり、現場の判断力や提案力を強化すると同時に、業界全体のデータ活用のあり方を一歩前進させる契機になることを期待しています。