「坪」「平米」とは|「畳」も合わせた計算方法4つなど紹介

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 「坪」や「平米」とは
  2. 「坪」「平米」「畳」の計算方法4つ
  3. オフィスに必要な「坪」「平米」「畳」の主な目安とは
  4. 地域ごとの「坪」「平米」「畳」の違い5選
  5. 坪単価とは
  6. 「坪」や「平米」を理解しておきましょう

「坪」や「平米」とは

不動産取引の際によく使われる、「坪(つぼ)」や「平米(へいべい)」という言葉に苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか。どちらも面積をあらわす単位ですが、説明の時などに一緒に使われると混乱しがちです。


簡単に説明すると、「坪とは、昔使われていた尺貫法(しゃっかんほう)を用いた面積の単位」、「平米とは、現在使われているメートル法を用いた面積の単位」ということになります。


尺貫法は読んで字のごとく、尺(長さ)と貫(重さ)を基本の単位とする日本古来の計測、計量方法です。


一方、「平米」は「㎡」とも表記され、小学校の時に習った「平方メートル」と全く同じ意味になります。

一般的な目安について

1坪は一辺が1間(いっけん)の正方形の面積になります。「1間」も尺貫法における長さの単位で、約1.82mをあらわします。したがって、「1坪=1間×1間≒1.82m×1.82m≒3.31㎡」となります。


1平米は一辺が1mの正方形の面積のことなので、「1平米=1m×1m=1㎡」となります。


「1坪」「1平米」が大体どのくらいの大きさかをイメージするためには、日本人に馴染みの深い「畳」を用いると分かりやすいでしょう。一般的な畳の大きさは1.82m×0.91mなので、畳を2枚並べると1.82m×1.82mとなり「1坪」とほぼ同じ大きさになります。


また畳の幅は0.91mなので、畳半分は1平米より少し小さく、1平米は畳半分より少し大きくなります。


「1坪は畳2枚分」「1平米は畳半分より少し大きい」と覚えておきましょう。


(なお、ここでは小数点以下第3位を四捨五入しています。)

それ以外の目安「畳」について

畳は「畳(じょう)」という単位としても用いられます。


ちなみに、最近では和室より洋室の方が増えてきたので、紛らわしさをなくすために「帖(じょう)」という漢字が同じ意味で使われることがあります。


平成23年11月に、DK(ダイニングキッチン)とLDK(リビングダイニングキッチン)の広さの基準が不動産公正取引協議会連合会で定められました。


居室(寝室)が1部屋の場合、「DKと表示するには4.5畳以上が必要である」、「LDKと表示するには8畳以上が必要である」という基準が示されたのですが、その中で「1畳当たりの広さは、1.62㎡以上をいう」と明記されています。

「坪」「平米」「畳」の計算方法4つ

「平米から坪に換算」、「畳から坪に換算」などというと一見難しそうですが、実際に使うのは「かけ算」と「割り算」のみなので、比較的簡単に数値を求めることができます。


また、「1坪=2畳=3.31㎡」さえ頭に入っていれば全てに対応できます。


(厳密には「1坪≒2畳≒3 .31㎡」ですが、便宜上「=」を使用しています。)

「坪」「平米」「畳」の計算方法1:平米から坪を求める場合

「1坪=2畳=3.31㎡」から坪と平米を取り出すと、「1坪=3.31㎡」になります。したがって、「1㎡=1坪÷3.31≒0.3021坪」と求められます。


これでも充分なのですが、より正確な値を求める場合にはもう少し細かい計算が必要になります。


「1坪=1間×1間」、「1間=6尺」、「1尺=10/33m」ということを踏まえて計算すると、「1坪=6尺×6尺=6×(10/33)×6×(10/33)㎡=400/121㎡」となります。両辺に「121/400」をかけると、「1㎡=121/400坪=0.3025坪」という式が出てきます。


この「0.3025」という割り切れる数字が、建築、不動産業界では一般的になっています。


「1坪=2畳=3.31㎡」から求めてもいいですし、余裕のある方は「1㎡=0.3025坪」を覚えておきましょう。


例えば、100㎡の土地は「100×0.3025=30.25坪」となります。

「坪」「平米」「畳」の計算方法2:畳から坪を求める場合

畳から坪を求める場合は簡単で、「1坪=2畳」から「1畳=1坪÷2=0.5坪」となります。


例えば、10畳の部屋は、「10×0.5=5坪」となります。


「1畳=0.5坪」を覚えておくと、すぐに答えを導き出すことができます。

「坪」「平米」「畳」の計算方法3:坪から平米を求める場合

坪から平米を求める式は、「1坪=3.31㎡」になります。


例えば、10坪の土地は「10×3.31=33.1㎡」となります。


ちなみに尺貫法は、土地と建物の計量に限り昭和41年3月31日まで特例として使用が認められていましたが、昭和41年4月1日以降はメートル法に切り替わりました。


しかし建築、不動産業界においては、現在でも「坪」や「尺」などの単位がメートル法とともに使われています。

「坪」「平米」「畳」の計算方法4:畳から平米を求める場合

「1坪=2畳=3.31㎡」から畳と平米を取り出すと、「2畳=3.31㎡」になります。したがって、「1畳=3.31㎡÷2=1.655㎡」が導き出されます。


例えば、10畳の部屋は、「10×1.655=16.55㎡」となります。


簡単に答えを出したい方は、「1畳=1.655㎡」を暗記しておきましょう。

オフィスに必要な「坪」「平米」「畳」の主な目安とは

厚生労働省が職場での労働者の安全と健康を守るために定めた「労働安全衛生規則」の中に、「気積(きせき)」に関する条文があります。


気積は室内での空気の容積のことをあらわし、この条文の中では職場を平面ではなく空間で捉えています。


「天井が高い場合などは4m以上を計算に入れない」、「設備の占める容積を除く」といった条件の元で、労働者1人あたり10㎥以上の空間が必要であるとされています。


では、平面で見た時には労働者1人あたりどれくらいの面積が必要なのでしょうか。

1人=2坪を基準にする

社団法人ニューオフィス推進協議会(NOPA)が策定した基準に、「ニューオフィスミニマム」というものがあります。これはオフィスにおいて最低限満たすべき基準を定めたもので、22項目あります。


その中の1つに、「一人当り執務スペース 6㎡程度」という項目があります。


先ほどの計算式で計算すると「6㎡×0.3025=1.815坪」となり、最低限1.815坪、目安として1人あたり2坪ぐらいを基準にするといいことが分かります。

ネット面積を注視する

オフィスを賃貸する際に「ネット面積」、「グロス面積」という言葉をよく聞きますが、その違いは何なのでしょうか。


ネット面積は「オフィスとして実際に使える部分だけの面積」のことをあらわし、グロス面積は「ネット面積にトイレ、給湯室、廊下、エレベーターホールなどを足した面積」のことをあらわします。


当然グロス面積の方が数字は大きくなります。


表記されている面積がどちらであるか明記されていないこともあるので、契約の際には注意が必要です。


また、上で述べた「従業員1人当たり2坪の面積を基準にする」場合は、グロス面積ではなくネット面積で計算するようにしましょう。

地域ごとの「坪」「平米」「畳」の違い5選

県をまたいで引っ越しをした時などに「同じ6畳でも広さが違う」と感じたことはないでしょうか。実は畳の面積は地方によって異なるのです。


その理由の1つとして、基準になる1間の寸法の違いが挙げられます。


織田信長の時代には1間=6尺5寸、豊臣秀吉の時代には1間=6尺3寸、江戸時代には1間=6尺と徐々に小さくなっていきました。


またもう1つの大きな理由として、建築法の違いが挙げられます。


関西では畳の大きさを元に部屋の大きさを決めた畳割り(たたみわり)が一般的でしたが、江戸では柱と柱の間におさまるように畳の大きさを決めた柱割り(はしらわり)が採用されるようになりました。柱割りで使う畳の方が、柱の太さの分だけ小さくなります。


ここでは、代表的な畳の大きさを5つ紹介いたします。

地域ごとの「坪」「平米」「畳」の違い1:関東地方の場合

関東地方で使われる畳は「江戸間(えどま)」と呼ばれ、そのサイズは「2尺9寸(0.88m)×5尺8寸(1.76m)」になります。


長さが5尺8寸であることから「五八間(ごはちま)」とも呼ばれ、1畳の面積は1.5488㎡になります。


関東間(かんとうま)、田舎間(いなかま)という別称もあります。

地域ごとの「坪」「平米」「畳」の違い2:関西地方の場合

関西地方で使われる畳は「京間(きょうま)」と呼ばれ、そのサイズは「3尺1寸5分(0.955m)×6尺3寸(1.91m)」になります。


1畳の面積は1.82405㎡となり、5つの畳の中では面積が一番大きいものとなります。


本間(ほんま)、関西間(かんさいま)・本間間(ほんけんま)と呼ばれることもあります。

地域ごとの「坪」「平米」「畳」の違い3:中京地方や東北地方の場合

中京地方や東北地方で使われる畳は「中京間(ちゅうきょうま)」と呼ばれ、そのサイズは「3尺(0.91m)×6尺(1.82m)」になります。


幅が3尺、長さが6尺であることから「三六間(さぶろくま)」とも呼ばれ、1畳の面積は1.6562㎡になります。

地域ごとの「坪」「平米」「畳」の違い4:中国地方の場合

中国地方で使われる畳は「六一間(ろくいちま)」と呼ばれ、そのサイズは「3尺5分(0.925m)×6尺1寸(1.85m)」になります。


1畳の面積は1.71125㎡になります。

地域ごとの「坪」「平米」「畳」の違い5:団地間の場合

地域に関係なく、多くの団地で使われる畳は「団地間」と呼ばれ、そのサイズは「2尺8寸(0.85m)×5尺6寸(1.7m)」になります。


「五六間(ごろくま)」とも呼ばれており、1畳の面積は1.445㎡です。


5つの畳の中では一番面積が小さく、その理由は高度経済成長期の人口増加と関係しています。


また、団地間以外の4つの畳の面積を比べると京間>六一間>中京間>江戸間となり、東に行くほど小さくなっていることが分かります。

坪単価とは

「坪」を使った言葉に坪単価というものがあります。「1坪あたりの建築費」のことをあらわし、計算式は「坪単価=建物の本体価格÷延床面積」が一般的になります。


例えば、2000万円の建築費の家を延床面積40坪の土地に建てる場合、坪単価は「2000万円÷40坪=50万円」となり、坪単価は50万円ということになります。


マイホームを建てる際にこの坪単価を目安にする方が多いのですが、気をつけなければならないことが2つあります。


1つは、ハウスメーカーや工務店によっては「延床面積」のところを「施工床面積」で計算している、ということです。


「施工床面積」には本来「延床面積」には含まれないベランダや、玄関の外にある庇(ひさし)部分などが含まれるので、数字的には「延床面積」より大きくなります。当然、分母の値が大きくなるので、坪単価は下がって見えます。


もう1つは、「建物の本体価格」には屋外設備にかかる費用や税金などの諸経費は含まれないということです。したがって、坪単価から計算した総工費よりも実際には高くなってしまうことがあります。

「坪」や「平米」を理解しておきましょう

以上、「坪・平米・畳」の違いや換算時の計算方法などを説明してきましたが、おわかりいただけましたでしょうか。


計算方法については、「1坪=2畳=3.31㎡」をしっかりと覚えておけば困ることはないでしょう。

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監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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