バーチャルオフィスとは?選ぶ際の注意点やメリット、デメリットを紹介

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 現実に実在しないオフィス?!バーチャルオフィスとは?
  2. バーチャルオフィスのメリット
  3. バーチャルオフィスのデメリット
  4. バーチャルオフィス選択時の注意点
  5. おわりに

近年、シェアオフィスをはじめとしてオフィスのあり方の多様化が進んでいます。これは副業や起業など人々の働き方の変化に大きく影響を受けた結果であると考えることができます。今回のコラムではその中でも一際ユニークな存在である、「バーチャルオフィス」について解説していきます。

現実に実在しないオフィス?!バーチャルオフィスとは?

バーチャルオフィスについて

バーチャルオフィスとは、その名前の通り仮想の事務所のことでその事務所で事業を行うことはありません。バーチャルオフィスの最大の存在意義は住所を貸し出すことにあります。

ビジネスを行う際には、荷物の受け取り、他企業や行政に仕事の拠点を示すなどの目的で、法人か個人事業主かを問わず、住所を持つことが重要になります。しかし、昨今はクラウドサービスをはじめとするネットワーク環境が整備されているため、人々は働く場所を選ばなくなってきています。

また、起業後まもなく事務所を借りる資金の余裕がない場合、スモールビジネスやフリーランスで業務上特定の事務所を必要としないなどの場合も珍しくはないでしょう。バーチャルオフィスを利用すればこれらの問題を一挙に解決することができます。

住所だけでない!バーチャルオフィスが提供するサービス

バーチャルオフィスには単に住所を貸してもらえるサービスという以外にもサービスを提供している場合があります。ただしバーチャルオフィスによって対応しているサービスには違いがあるため注意が必要です。以下にいくつか代表的な例をあげます。

1. 電話番号・FAX番号が利用できる

ビジネスを行う上で電話番号は必須と言って良いほど重要な役割を持ちます。特に固定電話の電話番号を持っているとビジネスの相手に良い印象を与えることができます。

2. 郵便物の受け取りを行ってくれる

何かしら事業を始めれば、郵便物でのやり取りは日常的に必要になってきます。もしバーチャルオフィスに届いた郵便物を都度引き取らなければならないとすると非常に不便ですが、こういった郵便物を受け取りたい場所に転送してくれるサービスを提供しているバーチャルオフィスもあります。 3. バーチャルオフィスで会議室が借りられる

会社に求められる機能の中で重要なものとして会議室の存在があります。オンラインの会議がメインで会議室が必要ない場合もありますが、対面の会議の必要性がなくなるわけではありません。その点で会議室を持たない法人や個人事業主にとっては非常に便利なサービスと言えるでしょう。 4. その他の付随サービス

バーチャルオフィスによっては、顧問税理士と契約できるサービス、法人登記の代行サービスやその他の士業に必要な手続きを委託できるサービスを提供している場合もあるようです。バーチャルオフィスを利用する法人や個人事業主にとって煩雑な手続きを外注して事業に集中できることは非常に助かりますよね。

バーチャルオフィスのメリット

信頼性が高いエリアに事業拠点の住所が登記できる

多くのバーチャルオフィスは都心の一等地の住所を借りることができます。もちろん単に住所を借りるということも重要なことですが、一等地に拠点を構えているというだけで、他の会社や取引先をはじめとして社会的信用度を格段にあげることができます。事業規模が小さい場合や資金不足で良い立地にオフィスを構えることができない場合、バーチャルオフィスを利用することで優位にビジネスを進められることが予想できます。

初期費用を削減できる

事務所を借りるには多くの初期費用がかかります。

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今回はオフィスの移転について大まかな流れから各フェーズの具体的業務の洗い出し、コスト感やスケジュール、各種申請になどについて特に繁雑な部分については掘り下げる形で複数回にわたって解説していきます。

初期費用だけで1年分の賃料がかかることも珍しくはありません。比較的初期費用が低額なシェアオフィスという選択肢もありますが、バーチャルオフィスの場合、初期費用として必要なものは入会金と保証金程度で場所を必要としない事業主にとっては非常に低価格で済ませることが可能です。

必要なサービスを最小限のコストで利用できる

前述した様々なサービスも全ては必要ないと思う方もいるかもしれません。バーチャルオフィスなら必要なオプションを必要な分だけ費用を払って利用することができます。自宅オフィスのみでは不可能な会議室や受付などを必要に応じて実質的に利用することができるようになります。

プライバシーの保護ができる

業種や規模によってはそもそもオフィス自体必要ない場合がありますが、自宅や特定の個人情報に関わる住所で法人登記することはプライバシーの観点で得策とは言えません。また契約によっては登記が認められない事もあります。そのような場合にもバーチャルオフィスであれば問題なく登記できますし、安全に事業を行うことができます。

バーチャルオフィスのデメリット

誰でも簡単に利用できるわけではない

バーチャルオフィスはその性質上、住所の利用のされ方は運営側がつぶさに把握することは難しく、犯罪に利用されてしまう危険性がつきまといます。そのため審査も必然的に厳しくなる傾向にあるようです。

バーチャルオフィスでは開業認可が降りない業種がある

弁護士、司法書士や税理士などの一部士業や宅地建物取引業など一部の業種はバーチャルオフィスでの開業認可が降りないことがあります。執務スペースが求められたり、その他バーチャルオフィスでは用意できない設備が必要とされる業種での開業は事前に確認し、利用を避けるのが無難と言えます。

住所が重複する可能性がある

同じ住所を複数の会社が使用するため、住所で検索された際に他社が表示される可能性があります。顧客が不審に思うことがあるかもしれないので事前に伝えておく方がいいかもしれません。

バーチャルオフィス選択時の注意点

バーチャルオフィス事業者の経営状況を確認する

経営状況が悪い事業者であれば当然倒産の危険がつきまといます。仮に利用開始後にすぐ倒産した場合、改めて法人登記用の住所の移転先を探さなければならず、時間と費用の面で非常に大きな損失になり得ると言えるでしょう。経営状況を知ることは簡単ではありませんが、口コミや事業の経歴や実績からある程度判断した上で利用を検討することが賢明です。

ビルの名前と住所の詳細について調べる

ビル名が常識的に信頼感を与えるものであるかどうかは重要です。また、頻繁に名前を変えるようなビルであるとパンフレットやwebページなど修正が必要な媒体が出てきてしまうため注意が必要です。さらにその住所が過去に犯罪に使われていたり、何かしら悪影響を及ぼすものでないかどうかは事前に調べる必要があります。

付随サービスが自身のニーズに合っているか確認する

前述しましたが、バーチャルオフィスの事業主によって提供しているサービスには違いがあります。サービス内容はもちろんのことながら、金額や利用方法も含めて自身の希望と合致するサービスを提供しているか否かを比較検討するべきでしょう。

しっかりとした審査を行う事業者であるかどうか把握する

前述の犯罪に利用された住所かどうかという話に関連しますが、事業者の審査が緩い場合、反社会的な組織や犯罪目的の事業者に利用されている可能性が考えられます。しっかりとした審査を行わない事業者は避けるようにしましょう。

おわりに

起業家や個人事業主にとってバーチャルオフィスという選択肢は非常に便利なものであることがお分りいただけましたでしょうか。その反面で利用にあたりしっかりと比較考量することは重要です。

この記事が自分自身のビジネスに最も適したオフィス形態を選ぶヒントになれば幸いです。他のオフィス形態に関する記事もご覧ください!

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監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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