電話工事業者の選び方4つ|依頼する前に準備すべきことや注意点を紹介

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 電話工事が必要になるタイミングとは?
  2. 電話工事にかかる必要な費用3つ
  3. 電話工事を依頼する前に準備すべきこと4つ
  4. 電話工事業者の選び方4つ
  5. 電話工事の注意点3つ
  6. 電話工事の流れを理解してスムーズに工事を進めよう

電話工事が必要になるタイミングとは?

オフィスにおいて電話工事が必要になるのは、主にオフィスを新設や移設するときです。新しいオフィスで電話を使用したい場合、まずは電話工事をしないと電話番号を使うことができません。


また、電話回線を増設したり、複雑になった配線を整理したり、回線の種類を変えたいときなどにも工事を行う必要があります。

電話工事にかかる必要な費用3つ

電話工事にかかる費用にはさまざまなものがあります。


そのうち、「基本工事費」「配線工事費」「交換機工事費」の3つについては、電話工事を行う際に支払わなければならない費用と決まっています。これらは、電話工事にはなくてはならない作業にかかる費用だからです。

基本工事費

基本工事費は、電話機を通話できる状態にするために必要な設定や接続作業にかかる費用のことです。


この費用は回線数によらず一定ですが、工事の内容によっては料金が加算される場合があります。

配線工事費

配線工事費は、電話回線に電話機や交換機などを接続するために必要な配線を、屋内に設置するためにかかる費用のことです。


配線工事費は1配線ごとに費用がかかりますが、建物内にすでに配線がある場合、それを利用することで工事費を安くすることもできます。

交換機工事費

交換機工事費は、電話回線を相互接続するために必要な交換機を設置するための費用です。


通常、交換機はNTT内に設置してありますが、オフィスでの電話工事の場合、それとは別にオフィス内に構内交換機という装置を設置する必要があるため、そのぶんの工事費もかかります。

電話工事を依頼する前に準備すべきこと4つ

実際に電話工事に入る前に、自分で準備をしておかなければならないことが4つあります。順番に「回線を選ぶ」「電話機を買い揃える」「工事の日程を決めておく」「NTTへ工事の依頼をする」となるので、工事前に忘れずに確認しておきましょう。

電話工事前に準備すべきこと1:回線を選ぶ

電話工事を行う際には、事前に電話回線の工事を行う必要があります。回線には大別してアナログ・デジタル・ひかり・IP電話の4種類があるため、環境に応じた回線を選びましょう。


ここでは、それぞれの回線の特徴を簡単に説明するので、回線選びの参考にして下さい。


アナログ回線は黒電話の時代からある、一般的な電話回線です。どこでも設置でき、停電などの災害に強いのですが、回線数が多いと割高になります。


デジタル回線は、デジタル信号でデータの送受信を行う電話回線です。1本で2~23回線同時に利用でき、盗聴にも強いですが災害時に通話できないことがあります。


ひかり回線は、光ファイバーケーブルを利用した回線のことで、月額料金の安さと通信の高品質さを兼ね備えた回線ですが、災害に弱い面もあります。


IP電話は、インターネット回線を利用した電話のことで、「050」で始まる電話番号は全てIP電話です。距離によって電話料金が変わらないのが大きなメリットですが、110や119といった緊急電話が使用できないなどのデメリットもあります。

電話工事前に準備すべきこと2:電話機を買い揃える

電話工事の前には、電話機も必要な分だけ買い揃えておきましょう。オフィス用の電話機の場合、機種によって増設できる数が変わってくるので、将来のことも考えて購入する機種や数を考える必要があります。


また、電話機だけでなく、主装置・構内交換機・ユニットなどの機器も必要になる場合があるので確認しておきましょう。

電話工事前に準備すべきこと3:工事日程を決めておく

電話回線と電話機の準備ができたら、次は工事の日程を決めましょう。


工事の実施日は、電話工事業者に工事の依頼をする日から数えて1か月程度先に設定するのがベストです。工事の実施日直前に依頼の連絡をしても、手続きに時間がかかったり、業者側の日程に余裕がなかったりなどの理由で、工事の実施を延期せざるをえなくなることがあります。

電話工事前に準備すべきこと4:NTTへ工事の依頼をする

以上のことが済んだら、NTTへ工事の依頼をします。局番なしの「116」に電話をかけるかNTTのサイトの申し込みページで、名前(会社名)や住所、工事の希望日など必要な事項を伝えましょう。


申し込みの際には、公的機関が発行する身分証明書(法人の場合は登記簿謄本など)が必要になるので、準備しておいてください。

電話工事業者の選び方4つ

電話工事を取り扱う業者は数多く存在しますが、価格もサービスも、工事の腕もさまざまです。工事に失敗しないためには、多くの工事業者の中から信頼できる業者を選ぶ必要があります。


ここでは、業者を選ぶときに注意したいポイントを4つに分けて紹介しますので、実際に工事を依頼するときの参考にしてみて下さい。

電話工事業者の選び方1:NTT・代理店のどちらか

電話工事を依頼する業者を選ぶ際には、まずNTTに依頼するか、代理店である電話工事会社に依頼するかを選ぶ必要があります。


どちらかと言えば、費用面やサービスの面でお得な代理店に依頼するのがおすすめです。ただし、代理店の中には不審な業者もいるので、本当にNTTの正規代理店なのかはよく確認しておきましょう。


費用は高くつきますが、悪徳業者に引っかかるリスクをなくすためにNTTに直接依頼するという選択肢もあります。この場合、工事に複数の業者が関わらないため、トラブル発生時に原因を特定しやすいというメリットもあります。

電話工事業者の選び方2:見積書で工事内容・費用を比較

電話工事を依頼する業者を決める際は、いきなり1つの業者に決めるより、まず複数の候補を選んで、各業者から見積書を出してもらい、それを見比べて決めるのがおすすめです。


複数の業者の見積書を見比べることで、本当に必要な工事は何なのか、その費用はどのくらいの額が妥当なのかを知ることができます。もし、他業者と比べて異常に項目が多かったり金額が高かったりした部分がある場合は、その理由を聞いてみるのも良いでしょう。

電話工事業者の選び方3:丁寧に説明してくれるかどうか

見積書を出してもらう時、工事の内容について説明されることが多くあります。この時、わかりやすい言葉で、詳しく丁寧に説明してくれているかをチェックしましょう。


わかりにくい専門用語を並べ立てて説明した気になっている業者は、あまり顧客のことを考えているとは言えません。


こちらが理解できないままに不要な工事をどんどん追加していこうとする業者すらいるので、説明が分かりづらい業者は避けた方が無難です。

電話工事業者の選び方4:工事後のアフターフォローの有無

工事後に予想外の障害が起きることも、なくはありません。万一の時のために、各業者の工事後のアフターフォローの有無や内容も確認しておきましょう。


業者によって、アフターフォローの内容や価格は違ってきます。一定期間内なら無償で対応してくれる業者も多いので、そういった業者から選ぶという方法もおすすめです。

電話工事の注意点3つ

業者が決まったら、いよいよ電話工事です。工事そのものは業者が行いますが、後々トラブルにならないためにこちらに出来ることはまだあります。ここでは、工事前や工事中に抑えておくべきポイントを3つ紹介します。

電話工事の注意点1:工事業者に丸投げしない

工事が行われるときには業者に丸投げはせず、工事が完了し、電話が正常に使えるかの確認が終わるまで立ち会うようにしてください。


電話工事の場合、工事後に業者が帰ってからミスが発覚するということがよくあり、工事後にトラブルが発生した場合、その修正に追加料金が発生することもあります。


工事に立ち会っていれば、工事中のミスや契約外の作業に気づきやすく、気づいたときにはその場で対応してもらえます。

電話工事の注意点2:別途費用がかかる工事内容の確認

業者にもよりますが、工事に使う機器や材料の一部に別途費用がかかる場合もあります。機器や材料が必要になる理由や価格などは事前に確認しておきましょう。


できれば、工事前に下見をしてもらい、追加で必要になりそうな機器や材料をあらかじめ確認してもらうのがおすすめです。

電話工事の注意点3:電話とインターネットは同日に工事する

新たなオフィスには、電話回線のほかにインターネット回線も設置することになるでしょうが、それぞれの開通工事は、できるだけ同じ日に行うのがベストです。


特に電話配線の多いオフィスでは、電話配線とインターネットの配線が絡まり合ってめちゃくちゃになってしまうこともあります。電話工事とインターネット工事を同じ日に行えば、あらかじめお互いの配線が絡まないように工事することが可能です。

電話工事の流れを理解してスムーズに工事を進めよう

今回は電話工事前の準備から工事業者の選び方、そして実際の工事まで、それぞれの場面で注意すべき点を紹介しました。どれも難しいことではないので、できるだけ実践しておきましょう。


電話工事そのものは基本的に業者に一任する形になりますが、工事をスムーズに進めるためには、こちらも工事までの流れやある程度の内容を把握し、できるだけ正確に要望を伝えることが重要です。トラブルにも素早く対応できるので、余計な費用もかかりにくくなります。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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