台東区のオフィス事情5つを解説!特徴や探し方もあわせてご紹介

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 台東区ってどんなところ?
  2. 台東区のオフィス事情5つ
  3. 台東区の特徴5つ
  4. 台東区にあるオフィスの探し方
  5. 台東区のオフィス事情を把握しよう

台東区ってどんなところ?

台東区は「東北の玄関」と呼ばれる上野や、今も時代の風情を感じる、浅草、谷中、蔵前など情緒あふれる観光地や名所が集まるエリアです。


中でも上野駅周辺はJR山手線や私鉄各路線、および新幹線も利用できるターミナル駅があり、地方との行き来や、普段の営業回りにも大変便利なエリアと言えます。


出典:台東区の特色・面積・人口・地場産業
参照:https://www.tokyo-cci.or.jp/taito/feature/

台東区のオフィス賃料相場

台東区のオフィス賃料相場について、募集の件数が多い50~100坪クラスでエリアごとに比較してみます。


上野・御徒町エリアはオフィス相場が高く、平均坪単価は約21,000円、東上野・台東エリアになるとぐんと下がり、坪単価は約16,000円、浅草・蔵前エリアにおいては、さらに下がり、坪単価は約14,000円です。


アクセスも良く、オフィスビルが立ち並ぶ上野近隣は相場が高く、観光色の強い浅草は比較的お手頃物件が多くなります。

台東区のオフィス空室率

台東区のオフィス空室率は約4.3%です。一番空室率の低い渋谷が約1.9%、お隣の千代田区が約3%と、他の人気エリアに比べると空室率は高めの傾向です。


台東区内でのオフィスマーケットは、二極化しており、上野周辺と浅草周辺に集中しています。


上野周辺は、オフィスビルが立ち並ぶ秋葉原と隣り合わせであることに加え、新幹線の乗り入れや各路線へのアクセスの良さから、企業のニーズが増加傾向にあります。


一方、浅草周辺エリアでは、インバウンド市場の増加から、商店街では活気を取り戻し、新たな需要の発掘場所としての注目度が高まっています。

台東区のオフィス事情5つ

台東区の中でも、アクセスが良い上野周辺でオフィスを持ちたい場合に、近年注目されているのがレンタル・シェアオフィスという方法です。


ここから、レンタル・シェアオフィスについてのオフィス事情を5つご紹介します。

1:レンタル・シェアオフィスは上野周辺に集中している

レンタル・シェアオフィスは、主に上野周辺に集中しています。一般のオフィスと違い、レンタル・シェアオフィスの利用者は、利便性を求めていることが多いからです。例えば、起業したての個人事業主の場合は、初期費用を抑えつつ人気エリアに営業拠点を置くことができます。


また、最近人気のサラリーマンや主婦の副業として活用する際には、駅周辺にオフィスがあることで、会社帰りや隙間時間に利用でき、大変便利です。


上野はビジネスとしてだけではなく、上野恩賜公園の緑豊かな環境や、美術館や博物館などの文化施設にもふれることができ、景観が素晴らしいところも人気の理由です。

2:個室は基本完備しているところがほとんどである

シェアオフィスは個室人気が高まり、今では標準で個室完備するところがほとんどです。主な理由は3つです。


一つ目はセキュリティ性が高いことです。壁に囲まれているため、大切なデータが入った機密情報の扱いもストレスなく行うことができます。


また、二つ目は、月極め契約をすることで、24時間365日いつでも利用可能になるということです。


最後にサテライトオフィスとして活用できるということです。オフィス装備が全て整っているため、賃貸でオフィスを借りるよりも初期の設備投資を抑えることができます。


また、重たい書類や在庫品、パソコンなどを都度持ち込む必要がなくなり、より手軽に利用できます。

3:バーチャルオフィス機能を持ったところもある

バーチャルオフィスとは、仮想事務所のことで、実際の事務所ではなく、住所だけを借りることを言います。毎月の高額な家賃を払うことなく、都心の一等地の住所を利用できることから、人気が高まっています。


住所を借りることで、郵便物の受け取りや、FAX・固定電話の利用、法人登記が可能になります。場所ではなく、「住所」というステータスを手に入れることができるのです。


さらに、自宅の住所が客先に知られることを防ぐ効果や、外注でアルバイトの求人を行う際の信用面でも役立ちます。


ただし、その住所で過去に詐欺などの犯罪で逮捕者が出ている、などの事件が起きた場所でないかは、必ずチェックするようにしましょう。

4:価格は広さや利用人数によって異なっている

シェアオフィスの価格は、一般的に、広さと利用人数が増えるごとに上がっていきます。シェアオフィスごとに価格設定は異なりますが、同じ1人用でも、広さが選べるオフィスもあります。その場合は、人数ではなく、広さが広くなるほど、価格が上がっていきます。


また、利用人数が2人以上の場合、人数に応じて価格が上がりますが、どれくらいの割合で価格が上がるのかはオフィスによって差があります。


何人で、どのくらいの広さが必要なのか、実際に持ち込む備品や予算を考慮し、見学してから決めることが大切です。

5:初期費用をかけずに法人オフィスが持てる

一般的に都内で事務所を借りる場合、敷金はもちろん、仲介手数料、家賃、水光熱費など、ランニングコストがかかります。さらに事務所の家具やOA機器、回線工事など、諸費用が発生し、事業主の手間や負担も大きくなります。


シェアオフィスなら、多額な初期費用は不要な上、オフィスチェアやオフィス家具など全て揃った状態で、即事務所として稼働できます。さらに、駐車場付きやドリンク無料サービス、コピー機やWi-Fi設備、冷蔵庫などもすでに装備されているところもあり、大変便利です。


また、事前に予約することで、会議室も利用できます。その場合、他社と共有の際は、ゴミをきちんと片づけるなど、ルールを守って利用することが大切です。

台東区の特徴5つ

台東区には、二大繁華街として有名な上野・浅草をはじめ、谷中銀座やアメ横といった、魅力あふれる観光地が点在しています。また、古くから地元の経済を支えてきた地場産業も大きな役割を果たしています。


文化と経済が融合し発展してきた台東区ならではの特徴について、5つご紹介します。

1:年間観光客数が多い街である

台東区の外国人観光客は凄まじい推移で伸びています。例えば、平成30年度の年間観光客は5,583万人、平成28年度と比べると、10.3%増で、そのうちの外国人観光客の数は953万人で、14.8%増加です。


消費額で見ると、国内観光客に比べ海外観光客の方が、ホテルやお土産にたくさんお金をかけているのが特徴です。


出典:平成30年度 台東区観光統計・マーケティング調査|台東区公式サイト
参照:https://www.city.taito.lg.jp/bunka_kanko/anzentaisaku/keikaku/tyousatoukei/marketing/20190618.html

2:新幹線の乗り入れ本数が多くアクセスしやすい

上野駅は「北の玄関口」と呼ばれ、東北・北海道、山形、秋田、北陸、上越と東北方面へ5つの路線が乗り入れています。


特に、東北・北海道新幹線(宇都宮・郡山・福島・仙台・盛岡・新青森・新函館北斗方面)の乗り入れ本数が多く、ビジネスマンの利用を想定し、平日の朝と夕方のラッシュの時間帯には7~8本の乗り入れがあります。また、土日は終日本数を増やして運行しています。


都内はもちろん、関東近郊、横浜、千葉、埼玉と各方面への在来線や私鉄も乗り入れがあるため、大変アクセスしやすいです。

3:ショッピング施設が多く買い物に便利

台東区では、上野、浅草駅を中心に多彩なショッピングモールがあるため、買い物には困りません。


上野では、老舗「松坂屋上野店」を筆頭に、絶品グルメのレストランが豊富な「アトレ上野」、欲しいものが何でも揃う「上野マルイ」、駅ナカショッピングを楽しめる「エキュート上野」など、各ターゲットにフィットしたショッピングが楽しめます。


浅草周辺は、スカイツリーが望める露天風呂付きショッピングモール「浅草ROX」をはじめ、ノスタルジックな時計台がシンボルマークの「エキミセ」や、周辺下町の絶品和洋のスイーツが勢ぞろいの「松屋浅草」など、観光客が喜ぶショッピングモールが豊富です。

4:台東区観光振興計画を策定している

台東区では、2021年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、区民生活向上を第一に、持続的な観光客発展を目的とする「台東区観光振興計画」を策定し、6年に渡り実施してきました。


これは、オリンピック観光客を一時的な増加で終わらせず、観光の「質」を高めることで、「また訪れたい」と思ってもらえるよう、区民と一体となり観光業をつくり上げるための計画です。


言い換えると、一番に区民の生活向上を考えた上で、文芸の素晴らしさに光を当て、観光の魅力を相互に感じ取ることで、台東区全体を盛り上げるためのプロジェクトです。


出典:台東区観光振興計画
参照:https://www.city.taito.lg.jp/bunka_kanko/anzentaisaku/keikaku/newvision/TourismPromotionPlan.html#cmsE17B6

5:地場産業が充実している

台東区では、以下4つの地場産業が盛んで、産業が観光にも密接に関係しています。


日本を代表する宝飾専門店街「御徒町のジュエリータウン」や食の専門店がひしめき合う「かっぱ橋道具街」は世界でもめずらしい料理道具がたくさんあり、散歩しているだけでも楽しむことができます。


また、浅草通りにある仏壇関連の問屋街では、約50店舗の仏壇の専門店が立ち並んでいます。


近年再び注目をあびているのが、ホテル・旅館業です。昔から「東北の玄関」として栄えた上野の歴史に、新たにインバウンド需要も加わり、風情ある街並みに宿泊することを目的とする観光客が増えています。

台東区にあるオフィスの探し方

台東区にあるオフィスの探し方として大切なことは、台東区の特性と業種のマッチングを十分考慮するということです。台東区は丸の内や大手町のようなオフィス街のイメージはあまりないため、業種によっては観光地にビジネスを立ち上げることが、マッチしない場合があります。


来客の往来があるかどうか、ビジネスと地域特性がマッチするのか、その地域にオフィス移転することで、取引先との関係性や業務効率、営業スタイルは合うかなど、さまざまな角度から検討しましょう。


オフィスの空室物件の検索には、オフィスに特化した検索サイトや地場の不動産会社のサイトなど多数あります。サイトごとに掲載されている情報が異なりますので、さまざまなサイトで希望条件を入れ、まずは検索してみましょう。

台東区のオフィス事情を把握しよう

これから事業を展開していくにあたり、オフィスの立地はとても重要になります。


台東区は街並みに風情があり、下町情緒あふれる観光名所でありながら、実はアクセスも良く、便利なのに相場は低めと、オフィス街としては穴場的スポットと言えます。


だからこそ、台東区の地域特性とオフィス事情を十分理解した上で、さまざまなサイトから情報収集をし、実際のオフィス選定は不動産業者とよく相談して決めましょう。


また、台東区のオフィス事情を把握するための外せないポイントとして、地場の不動産業者をいくつか尋ねるのも、おすすめです。ネットにはない地域独自の情報を収集できます。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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