企業のリモートワーク活用例27選|導入する時のポイントもあわせてご紹介!

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. リモートワークとは?
  2. 企業がリモートワークを導入する動機5つ
  3. 企業のリモートワーク活用例27選
  4. 企業がリモートワークを導入する時のポイント4つ
  5. 企業のリモートワーク活用例を参考にしよう!

リモートワークとは?

近年、よく耳にするようになったリモートワークという言葉があります。


リモートワークとは、従業員がオフィスなどへ出社せずに、自宅などの離れた場所で業務することを意味しています。


現在ではインターネットが発達したことにより、メールでのやりとりや、パソコンを使用して画面上で会議などが行えるようになったため、オフィスにいなくても円滑に業務できるようになりました。


そのため急速に導入の取り組みを進める企業が増えています。全くオフィスに出社しないフルリモート(完全リモートワーク)という新しい働き方も広がってきています。

企業がリモートワークを導入する動機5つ

オフィスに出社しないリモートワークを導入する企業が増えているのは、なぜでしょうか?


それは、リモートワークには、通常通り出勤する場合には得られない、いくつかのメリットがあるからです。

1:感染症の拡大を防ぐため

出勤せずに自宅で作業するということは、満員電車に乗る必要がなくなります。そのため、他人と接触する機会が大幅に減少し、感染症にかかる確率を下げられます。


更に、オフィスに出社せず同僚との接触が減ることで、クラスターの発生を抑えられるという利点もあります。


つまりリモートワークを導入することで、移動と業務中どちらのタイミングでも感染症の拡大を防げるといわれています。

2:導入するツールが整っているため

現在はリモートワークに適した様々なツールが、各企業から提供されています。


様々な企業がビデオ会議ツールを開発しており、出席者の顔を見ながら通話ができたり、画面共有機能によって資料を見せながら会議を行えます。


また、ビデオ通話機能の他にチャット機能と掲示板機能などを備えているものもあり、文字によるコミュニケーションで、より細かいやりとりなども簡単に行えます。


リアルタイムで円滑にやりとりが行えるツールが充実してきていることで、リモートワークを導入する企業数が伸びています。

3:人材の不足を減らすため

リモートワークという柔軟な働き方を認めて求人することで、その企業への就職を希望する人数が増えて、結果的に人材不足を解消できるというメリットもあります。


自宅で仕事ができるということは、従業員にとっては移動時間の節約になり、自由時間が増えるというメリットがあります。そのため、求職者にとってはリモートワークは魅力的に映り、企業の求人に応募しやすくなるのです。

4:オフィスにかかるコストを減すため

オフィスに出社しない、または出社する人数が減少することは、オフィスにかかるコストを抑えることに繋がります。


企業は広いオフィスを用意する必要がなくなり、必要最低限の備品を用意するだけで業務できます。

5:政府が推進しているため

政府は現在、新型コロナウイルスの感染予防のため、企業に対してリモートワークの推進をしています。


具体的には、出勤者の割合を7割減少させることを目標に掲げ、企業への協力を要請しています。


そして感染拡大の他にも、柔軟な働き方を導入することで様々な人材が活躍できる環境を作れることなどを筆頭に、リモートワークのメリットを企業に周知する活動しています。


出典:テレワークの推進|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/

企業のリモートワーク活用例27選

リモートワークには様々な形があり、色々なツールや働き方などを導入することで、より成果を出したり、コストを圧縮できます。


目的や設備面を考慮しながら、企業がリモートワークを活用するにはどうすれば良いかを考えていきます。

1:カレンダー共有を活用している場合

Googleカレンダーなどのツールではチームカレンダーという、カレンダーを共有する機能があります。


この機能を利用することで、会議の日程などは勿論、誰が出社しているのか、といったことまで確認できます。チーム全体の予定を一覧で見られ、簡単に業務に必要な情報を共有できるのが大きなメリットです。

2:グループウェアを活用する場合

グループウェアとは、スケジュール・メール・掲示板・ファイル共有機能・会議予約機能などの機能を持った、情報共有ツールのことです。


全体で情報を一括に共有できたり、個人間での連絡も行えたりと、情報の共有が特に大切なリモートワークには必要不可欠といってもいいのがグループウェアです。

3:スマホを活用する場合

ビデオ会議はリモートワークには欠かせませんが、パソコンにカメラが付属されていない場合もあります。


パソコンにカメラが付属されていない時は、スマホのカメラを使用すれば会議に出席できます。


また。チャットツールなどのアプリをインストールして、スマホでやりとりしつつ作業はパソコンでする、という使い方もできます。

4:iPadを活用する場合

iPadでも今ではパソコンとほとんど変わらず業務できるようになっています。Excelなどが利用できるようになり、マウスも接続でき、グループウェアのアプリも充実しています。


そしてApple Pencilを使用することで、簡単にメモを取ったり、書き込んだり、図の作成も行えるのがiPadの大きな特徴です。

5:リモートワークで雑談を取り入れた場合

リモートワークでは同僚や上司とのコミュニケーションが減ってしまうというデメリットがありますが、雑談の時間を設けることでコミュニケーション不足を解消できます。


業務から離れたカジュアルな内容の雑談をしてお互いのことを知ることは、業務中のコミュニケーションを円滑にし、業務の能率を上げる効果があるとされています。


ビデオ通話機能で顔を見ながら話すのも良いですし、カメラをオフにして音声だけで通話しても良いでしょう。また、掲示板機能を利用して写真などを見せ合うという方法もあります。

6:使われていない小学校を活用する場合

自宅での作業が難しかったり、集中力が続かない場合はコワーキングスペースなどを活用してリモートワークを行います。そのため現在は、コワーキングスペースの需要が急速に高まっているという状況です。


そこで、一部の企業では休校により使われていない小学校の教室をコワーキングスペースとして提供する取り組みが行われています。


広々とした空間をオフィス風に設備も含めて整備したスペースは居心地も良く、集中しやすい作りになっています。通常のコワーキングスペースと違い立地が都心部に偏っていないのも特徴です。

7:スキルの高い人材の確保を目的とした場合

同じ条件で求人を出した場合に、「リモートワーク可能」という条件があれば求職者は当然そちらを選びたくなります。出社する必要がない、というのは求職者にとっては大きな魅力となるからです。


よりスキルの高い人材確保に努めるのならば、リモートワークを認めていることを強調することが大切です。

8:通勤が難しい人材を活用する場合

働く意欲はあるのに自宅を空けられず、出社して働けないという人材を手に入れることができるのも、リモートワークの大きな魅力の一つです。


子育てや介護で出社は難しいけれど、専門スキルを持っているという人材は数多くいます。「リモートワーク可能」という条件で求人を出すことで、そういった人々を大きな戦力として使えるようになります。

9:福利厚生として活用する場合

従業員の通勤の負担軽減という観点から、福利厚生としてのリモートワークという考え方もあります。


満員電車での通勤は従業員にとっては肉体的・精神的に大きな負担です。そのため「自宅で仕事して良い」ということは、従業員のモチベーションアップに繋がります。

10:ハイパーフレックスタイムを導入する場合

ハイパーフレックスタイムには、フレックスタイムとは違いコアタイムが存在しません。そして月間の決められた労働時間を満たせば、いつ仕事しても大丈夫というのが大きな特徴です。そのため週休3日にするなど、とても自由な働き方ができるのが従業員にとっては魅力です。


オフィスに出勤する必要がないリモートワークは、ハイパーフレックスタイムを導入しやすい環境が整っています。


ただし、グループウェアなどを使用してリアルタイムに従業員同士の情報を共有し、出社時間が異なっていても仕事に支障がないようにする工夫が必要になります。

11:子育て環境を整える場合

子育て中で通勤が難しい人材も、リモートワークでは活用できます。


通勤が必要ないので時間的余裕も確保しやすく、子供を見ながら仕事をすることもできます。


その結果、子育て中だけれどもスキルを持っている人材を確保できる他、元々働いていて妊娠・出産した後の従業員の離職を避けられるというメリットがあります。

12:他社の業務も並行して行えるようにした場合

リモートワークで副業を認めた場合、高いスキルを持った人材が求人に応募してくる可能性が高くなります。


スキルを活かして多くの仕事をこなせる求職者にとって、時間を効率的に使えることが大きなメリットになるからです。


またそれ以外にも、従業員はより自由に自分の生活環境に合わせて働けるようになるため、モチベーションが上がりやすくなります。

13:人事とシステムを連携させる場合

人事とシステムを連携させることで、従業員がいつ働いているのか、出社していなくても管理できるようになります。


就業時間・パソコンの稼働時間・作業内容などを管理できるシステムを提供している企業もあります。そういったシステムを導入することで、リモートワーク中でも従業員の業績を評価することが可能になります。

14:早期からリモートワークを活用している場合

早期からリモートワークを活用していた場合、ノウハウが蓄積されてより効率の良い業務が可能になります。


現場が本当に必要とするシステムとは何か、またリモートワークのデメリットをどう補っていくかなどが経験からわかっているため、そのデメリットを補うための対策ができている場合が多くなります。


更に、ペーパーレスなどの効率化も進んでいるため、業務の能率自体がアップしていることもあります。

15:ワークライフバランスの実現のために活用する場合

リモートワークを導入することで、通勤にかかる時間を全て従業員が自由に使えるようになり、結果的にワークライフバランスの向上実現に繋がります。


例えば片道1時間かけて通勤していた場合、リモートワークになると、1日に2時間の自由時間が手に入ります。その分で趣味や家事、運動などの活動する時間が増えて、従業員の健康を保ち、更にモチベーションをアップできます。

16:従業員が活躍できることを目標に活用する場合

従業員が働きやすい環境を企業が作り、1人1人の要望に応えていくことで、オフィスに出社する以上に従業員が活躍できるようになる場合もあります。


リモートワークでは1人で業務に当たるため、各々のペースで仕事に集中できます。コミュニケーションが減少するというデメリットがある一方で、きちんと環境を整えればオフィス以上の能率で仕事できるのもリモートワークのメリットです。

17:リモートワーク事業の運営も行っている場合

自社がリモートワーク事業の運営も行っている場合は、リモートワークの能率の良さを企業にアピールするためにもリモートワークを導入して、成果を出していく必要があります。


リモートワークのメリットをアピールするだけでなく、デメリットを補う方法を実際の経験から蓄積し、企業に共有していくことが業績アップに繋がります。

18:生産性の向上のため活用する場合

リモートワークでは、自宅などリラックスできる環境で仕事に集中できるため、生産性が向上するというメリットがあります。


オフィスでは無駄なやりとりや会議などが生産性を下げる場合がありますが、リモートワークにはそれがありません。


ただし、コミュニケーションが減少することにより能率が下がる場合もあります。そのため、企業がオンラインでのコミュニケーションツールを導入し、コミュニケーションを円滑に行える環境を整えることで、デメリットを防げます。

19:ライフスタイルを尊重するために活用する場合

様々な環境で働く人々のライフスタイルを尊重するために、リモートワークを導入する場合もあります。


病気で通勤が難しい人や、介護・子育て中の人、満員電車が苦手な人、自分の時間を大切にしたい人なども、リモートワークでならば自分らしく働けます。


企業にとっては人材確保や能率アップに繋がるため、従業員と企業双方にプラスになります。

20:女性が働きやすくなるために活用する場合

女性には、妊娠・出産という大きなターニングポイントがあります。妊娠中は体調が悪い中で仕事しなければならず、出産後は子供を育てながらの仕事になります。


リモートワークによって、自宅で仕事ができるようになれば、妊娠中や出産後の仕事もしやすくなり、仕事を辞めなければならない要因を取り除けます。


また、家事との両立もしやすくなるため、リモートワークはワークライフバランスの向上に寄与すると言えるでしょう。

21:オフィスに集まる必要がない場合

オフィスに集まることによるメリットは、コミュニケーションがしやすいといったことが挙げられます。しかし、仕事ではグループウェアなどを用いれば資料の共有も可能であり、対面である必要はなくなります。


会議などを含めたコミュニケーション用のツールを導入することでオフィスに集まる必要性はなくなり、リモートワークを導入することが可能になります。

22:遠隔地での雇用創出のための場合

都心に企業は集中しており、地方の人材を有効に使えていないという実情があります。


しかし、リモートワークを導入することで、どこにいても仕事ができるようになり、地方の人材の雇用を創出できます。


事情があって地元から出られない優秀な人材を確保できることは、企業にとってもメリットになります。

23:労働時間の幅を選択するために活用する場合

オフィスを使用しないリモートワークでは、労働時間に幅を持たせやすいという特徴があります。


通院などの事情があり通常の時間帯では勤務が難しいという人材なども、労働時間を自由に設定することで働きやすくなります。

24:残業時間解消のため活用する場合

オフィス出勤の大きなデメリットとして、残業時間が増えるという点があります。それは、自分の仕事が終わっていても、周囲が仕事中では帰りにくいという理由からです。


リモートワークでは、同僚や上司の姿が目に見えないため、定時で仕事を終えても引け目を感じにくいという面があります。


自分のペースで仕事を終えられるリモートワークでは無駄な残業を減らせられ、企業にとってもメリットがあります。

25:リモートワークの運用を確立した場合

必要なツールを導入して制度も作り、リモートワークの運用を確立できた場合には、通常の出勤のデメリットを排除した効率の良い業務環境を作れます。


まずオフィスは最小限の規模で良いため、費用が抑えられます。そして、しっかりと必要なコミュニケーションも取れるようになっていれば、作業能率が下がることなく通常通り業務できるようになっています。


従業員は通勤時間がなくなっているため、モチベーションも上がった状態で仕事ができます。

26:週一で活用する場合

毎日ではなく、週一だけリモートワークするといった形態もあります。オフィス出社する時に情報共有する、コミュニケーションに重点を置いたやり方です。


従業員にとっては、週に1回のリモートワークの際には時間の自由が効きやすいため、週五で出勤するよりもモチベーション向上に効果があるとされており、能率が上がりやすいというメリットがあります。

27:ダイバーシティ推進のため活用する場合

「ダイバーシティ」とは「多様性」のことです。多様な人々がそれぞれに合った働き方をすることができる環境を整えることが、ダイバーシティ推進に繋がります。


リモートワークによる働き方の自由化は、性別などの多様性を認め、様々な人々が活躍する場を提供することになります。


通常の出勤が困難な人々のために、自由な場所で勤務できる環境を整えることで、ダイバーシティを推進できます。

企業がリモートワークを導入する時のポイント4つ

企業がリモートワークを導入する前に、先に確認しておかなければならないことが4点あります。


導入する前に確実に準備しておくことで、離職者を出してしまったり、能率がダウンするなどの失敗を避けるようにしましょう。

1:ICT環境を整える

ICTとは「Information and Communication Technology」の略で「情報通信技術」のことです。


インターネットやパソコンなどリモートワークには欠かすことのできない存在であり、企業がしっかりと環境を整えていく必要があります。


ただし、パソコンだけを用意すれば良いというわけではなく、グループウェアなどの情報共有ツールの導入も必要になります。他にも、情報漏洩などを防いで安全に仕事するために、セキュリティ対策も必須となります。

2:目的を意識する

何のためにリモートワークを導入するのかをしっかりと意識する必要があります。


感染予防のため・人材確保のため・経費削減のためなど、様々な目的が考えられますが、目的に合った運用することで成果が出やすくなります。


反対に、しっかりとした目的意識がない場合には、どんなものが必要になるのかわからないなど、リモートワークの開始時点からつまずく可能性があります。

3:就業規則を整える

リモートワークはオフィスでの業務とは環境が全く異なっているため、リモートワークに合った新しい就業規則が必要となります。


まず代表的なのが就業場所についてです。情報漏洩防止の観点から、カフェなどの人目がある場所での仕事を禁止している企業が多くあります。


そして、労働時間を明示することも大切です。リモートワークではプライベートと業務時間の区別が曖昧になりやすいため、残業などについてもより厳密に規則を設定する必要があります。

4:導入の効果を評価する

リモートワークを導入した効果を評価することで、より能率を上げるための対策できます。


オフィスの費用は抑えられたのか、残業を減らせたのか、社員の定着率は上がったのか、生産性はどうなっているかなど、様々な観点から評価すると問題点がよく見えるようになります。

企業のリモートワーク活用例を参考にしよう!

現在、多くの企業がリモートワークを導入しています。それぞれの会社が独自に工夫を凝らして能率を上げるために努力しており、その活用例をメディアやインターネットで確認できます。


多くの社員がフルリモートを達成している企業もあり、ハイパーフレックスタイムを導入して多様な働き方を推進している企業もあります。


様々な企業の事例の中から、自社の環境・目的と似ている事例を探し、参考にするようにしましょう。


導入した方が良いツールや、どんな就業規則を設けるべきかなどを決めるヒントになります。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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