オフィスの受付デザインを重要視するべき理由とは?デザインを決めるポイント6つ

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. オフィスの受付デザインを重要視するべき理由3つ
  2. オフィスの受付デザインを決めるポイント6つ
  3. 【エリア別】オフィスの受付周辺をデザインするコツ
  4. オフィスの受付をデザインするときの注意点
  5. オフィスの受付をデザインして企業のイメージを伝えよう

オフィスの受付デザインを重要視するべき理由3つ

オフィスに必ず必要なのは、「受付」です。来訪者が必ず通る場所のため、オフィスデザインを考える上で特に力を入れて考えなければならないと言っても過言ではありません。


では、なぜオフィスデザインを考える上で「受付」に特に力を入れるべきなのか、またデザインを考える上での重要ポイントをこの記事で解説していきます。


まず、「受付」のデザインを重要視するべき理由を3つ解説していきます。

1:「企業の顔」の役割があるため

まず1つ目は、受付には「企業の顔」の役割があるということです。


オフィスの受付は、来訪者が必ず訪れる場所のため第一印象がとても重要となってきます。受付は、企業イメージやコンセプトを一目で伝える「企業の顔」という大きな役割を持っています。


シンプルに無人でインターホンや電話機があるだけの受付のデザインもいいかもしれませんが、どのような企業であるかというイメージを伝えるためにも、工夫することが大切です。

2:来訪者にとって第一印象として残るため

2つ目は、来訪者にとって第一印象として残るためです。


上で述べたように、第一印象はとても重要なので、来訪者にどのような印象を残せるかというのが大切です。


受付に会社の雰囲気を出すために、会社のイメージカラーやイラスト、視覚的にインパクトを与えるようなデザイン、おしゃれなデザインにするなど工夫することで、印象に残るような受付になります。

3:新しい価値を生み出す場にもなる

3つ目は、新しい価値を生み出す場にもなるということです。


近年では、受付をただ受付としてデザインするのではなく、受付という概念を捨て、オープン空間にするという企業が増えてきており、小さなカフェを設置したり、セミナーなども開いたりすることができるホールタイプの受付をデザインしています。


自社以外の人とも気軽にコミュニケーションが取れるなど、今までの企業形態や働き方にとらわれないようなデザインをすることによって、新しい価値を生み出すこともできる空間になります。

オフィスの受付デザインを決めるポイント6つ

受付はオフィスの顔ということを上で述べましたが、では受付のデザインを決める上でどのようなことがポイントになってくるのでしょうか。


今回は6つのデザインを決めるポイントについて解説していきます。

1:効果的に企業イメージを表現する

まず1つ目は、企業イメージを効果的に表現するということです。


受付は企業イメージを印象付けやすい場所です。そのため、企業カラーや企業概念、企業理念などの看板を掲げたり、企業がどのように成長していきたいのか、映像で流したりすることも一つの方法です。

2:良質なコミュニケーションが取れるかを考える

2つ目は、良質なコミュニケーションが取れるかどうかを考えるということです。


社内や自社以外の人たちとのコミュニケーションは、企業を作っていく上ではとても大切です。ただコミュニケーションを取ることだけを考えるのではなく、どれだけ良質なコミュニケーションを取ることができるのか、ということが重要です。


リラックスした空間で、生産性のあるコミュニケーションを産むことができるということは、社員のモチベーションを上げることなどにも繋がってきます。

3:ホスピタリティ性を考慮する

3つ目は、ホスピタリティ性を考慮するということです。


ホスピタリティを重視するため、初めて自社を訪れた人でも分かりやすいようなデザインにすることが大切です。無人の受付の場合は案内板を分かりやすくするなどの工夫が重要です。


また、来訪者が受付でリラックスできるようなデザインにすることも配慮しなければいけません。

4:複合的な機能を備え付ける

4つ目は、複合的な機能を備え付けるということです。


受付としてだけではなく、カフェやオープン空間にすることでちょっとしたミーティングも行うことができる機能があることも、受付をデザインする上では大きなポイントになってきます。

5:変化に対応できるデザインにすることも重要

5つ目は、変化に対応できるデザインにすることも重要ということです。


変化に対応できるというのは、時代や自社のイメージに沿ったデザインに変更しやすいようにするということです。展示物を時期ごとに変えるなど、工夫することが大切です。


みなとみらいのエントランスのように季節ごとに変わるデザインなどで、来客者に印象づけるということも方法の一つです。

6:きれいな展示ができる家具を選定する

6つ目は、きれいな展示ができる家具を選定するということです。


デザインを考える上で、企業カラーを元に、統一感のある家具を選ぶことが大切です。エントランスで、自社と商品のイメージを結びつけるということも考慮した上で、どのような家具を設置するのかということを考えなければいけません。


観葉植物や花などの装飾品を置くということも、受付の雰囲気を柔らかくしてくれます。

【エリア別】オフィスの受付周辺をデザインするコツ

ここまでは、どのようなポイントがデザインを決めるポイントになるのか、また、なぜ受付のデザインが重要なのかということについて解説してきました。


では、ここからは受付周辺をデザインするときのコツについて解説していきます。 今回は、エリア別に紹介していきます。

エントランススペースをデザインするコツ

はじめに、エントランススペースをデザインするコツを紹介します。


エントランスはお客様を出迎える場所であり、その後、会議室または応接間に案内することになるので、エントランスと会議室または応接室が動線で結ばれるようにするとスムーズに案内できます。


オフィス内で、立ち入ってはいけない部屋などは、外部の人がその部屋の前を経由しなくてもいいように考慮することも大切です。

展示機能を付ける

エントランスをデザインする際に、展示機能をつけるということも企業にとって重要です。


展示機能をつけることによって、企業を訪問した人に対して、企業イメージを訴求することができたり、自社の製品やサービスを紹介できたりするからです。


また、この展示機能をつけることでマーケティング効果も生まれ、企業のイメージアップを狙ったプレゼンテーションをすることもできます。


タブレットなどを展示物の横に設置し、その展示物の歴史または、概念がわかるというシステムにするということも効果的です。

グラフィックを利用する

グラフィックを利用するということも、エントランスのデザインを考える際に、効果的に取り入れることができるものです。


グラフィックは、比較的に簡単にデザインに採用しやすく、また安価に抑えることができます。また、エントランスのサイズにあまり関係なく取り入れることができ、インパクトを与える視覚的効果は大きいです。


企業のイメージに沿った写真をグラフィックデザインに取り入れるということもできます。

カウンターをデザインするコツ4つ

次にエントランスのカウンターをデザインするコツを紹介します。


カウンターは、来訪者がきた際には、オフィスの中でも必ず訪れる場所です。カウンターには様々な種類がありますが、オフィスの受付の場合、受付台の高さが高いものは簡単な手続きを、低いカウンターの場合は座った状態で書類などを記入してもらう役割があります。


そのため、用途にあった適切なカウンターをデザインしなければいけません。

1:カウンターは斜めや横で受けるようにデザインする

有人カウンターの場合は、入り口に対し、カウンターの位置は斜めにデザインするか、入り口の横にデザインするのがオススメです。


入り口の目の前にカウンターを設置してしまうと、来訪者が圧迫されているように感じてしまいます。一方、入り口の斜めや横で受けるデザインにすると柔らかい雰囲気が作れます。カウンターの位置は考慮してデザインしなければいけません。


また、都内にあるオークラプレステージタワーや、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズなどのカウンターは入り口から離れた場所にデザインされています。

2:筆記スペースを作る

来訪者が受付で手続きをするときのために、筆記スペースを作ります。


筆記スペースを作る際には、上でも解説したように、カウンターの高さを考えてデザインします。簡単な手続きをするときには高いカウンター、長い間商談などをするときには低いカウンターにします。


筆記スペースをデザインする際には、筆記ツールも必ず用意しなければいけません。

3:手荷物の置き場所を作る

また、手荷物の置き場所を作ります。


遠方から来た来訪者や、多くの荷物を持ってきた来訪者に対して、その荷物を預かり、ゆっくりと過ごしてもらうために、受付カウンターの後ろなどに荷物の置き場所を作ります。荷物置きの場所があれば安心して預けることができるので、作るようにしましょう。

4:無人受付の場合は受付端末を設置する

最後に、無人受付をデザインする場合には、受付端末を設置するのがコツです。


無人受付の場合、受付端末、受付電話を設置するとスムーズに来客に対応することができます。他にもipadのような電子タッチパネルは多くの機能が搭載されているので、タッチパネルで問題を解決することもできます。


タッチパネルの横に受付電話を設置することで、内線に繋がり、直接通話することもできます。


東京スクエアガーデンや、大名古屋ビルヂング、銀座シックスなどは無人受付を搭載しています。

待合スペースをデザインするコツ4つ

待合スペースをデザインする際のコツを4つ紹介していきます。


待合スペースは、来訪者を案内するまでのスペースです。そして、待合スペースだけではなく、ロビー空間としても利用できるようにデザインするとより多くの機能を果たすことができます。


待合スペースも、企業イメージなど、情報を与えるデザインにするということも重要になってきます。

1:受付から自然に案内できるようにする

1つ目は、受付から自然に案内できるようにデザインするということです。


受付と待合スペースをパーテーションなどで区切ってしまうと、わざわざ呼びに行かなければいけないという手間や、圧迫感があります。そのため、受付と待合スペースは区切るということはせずに、自然に受付から案内できる場所にデザインすることが大切です。

2:受付と相対していない配置にする

2つ目は、受付と相対していない位置に配置するということです。


待合スペースを相対的な位置に配置してしまうと、来訪者に余計な緊張を与えてしまうことがあります。なので、デザインを考える際には、来訪者がゆっくりでき、緊張しないような空間をデザインするということが重要です。

3:区画するときは敷物を利用する

3つ目は、区画するときには敷物を利用するということです。


来訪者に待合スペースで待ってもらう場合、待合スペースの椅子などの下に敷物を引くことで、緩やかに区画することができます。


そうすることで、来訪者に余計な緊張を与えることなく、待合スペースをデザインできます。

4:待合近くにデジタルサイネージを設置する

4つ目は、待合スペースの近くにデジタルサイネージを設置するということです。


デジタルサイネージというのは、電子広告板とも呼ばれていて、紙の代わりの新しい情報伝達媒体として近年利用されています。


このデジタルサイネージを設置することで、企業の新しい情報を常に流すことができたり、最新ニュースを見られたりするので、来訪者を飽きさせません。


他にも、海外からの来訪者にも企業の良さが伝わるよう、英語での企業紹介や企業からのメッセージなどがあるとより企業のイメージアップにつながります。

オフィスの受付をデザインするときの注意点

これまでオフィスデザインを考える上で、会社の顔にもなる受付をどのようにデザインすることが大切かということについて解説してきましたが、デザインする上で注意しなければいけない点もあります。


まず、セキュリティをきちんとするということです。これまでデザインにこだわることが重要と解説してきましたが、それだけでなくセキュリティを怠らず、防犯カメラなどを導入してきちんと安心できる空間作りをしましょう。

オフィスの受付をデザインして企業のイメージを伝えよう

オフィスの受付は、色を変えるということだけでも雰囲気がガラッと変わります。白に統一するだけで、洗練された雰囲気を演出することもできます。


企業をよく知らない相手にも、自社のコンセプトやどんな商品を提供しているのか一目でわかるような受付デザインをしましょう。また、受付だけでなくオフィス全体を企業イメージのデザインにするということも大切です。


新卒の大学生が就職の面接に来た際など、ここの会社に就職したいと思えるような若者にも伝わるデザインや、企業で働いている社員が今日もまた頑張ろうと思えるようなデザインにすることも心がけるといいデザインになるでしょう。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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