自社ビルを所有するメリットはある?メリット・デメリットそれぞれを解説

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 自社ビルとは?
  2. 自社ビルを所有するメリット5つ
  3. 自社ビルを所有するデメリット4つ
  4. 自社ビルの保有と会社成長に関係ある?
  5. 企業の働き方に合わせて自社ビルを検討しよう

自社ビルとは?

自社ビルとは企業自らが所有しているビルのことで、企業の費用で取得しています。自社ビルの取得方法には、土地を購入してビルを建設する方法と、中古のビルを購入して自社ビルにする方法とがあり、自社ビルは企業の費用で購入したものなので、自社の資産となります。


それに対して、ビルオーナーが所有しているビルを、毎月賃貸料を支払って借りるのものが賃貸ビルです。

自社ビルと賃貸ビルそれぞれの企業入居の現状

国内・外資系企業を対象として事業用総合不動産サービス事業を行っているシービーアールイー株式会社によると、東京23区内の上場企業1,720社のうち自社ビルを所有している企業は2013年の時点で26%(450社)です。


その際の調査で、自社ビルを持っている企業の割合が高い業種は食料品、機械・電気機器、建設であることがわかっています。自社ビルを所持している割合が低いのは、情報通信、サービス、金融です。

自社ビルを所有するメリット5つ

自社ビルを所有することには、企業の信頼性が高まるなどのメリットがあります。


業種などによってもメリットが生かせるかどうかが変わってくるので、まずは自社ビルを所有するメリットを確認して、自社ビルを所有するか判断する材料にしたいところです。そこで、自社ビルを所有する主なメリットを5つ、見ていきましょう。

1:長い目で見て費用が抑えられる

自社ビルを所有する場合、初期費用が高くつくので費用がかかるイメージがありますが、長い目で見ると費用が抑えられます。賃貸ビルの場合、毎月賃貸料を支払う必要があります。


会社はずっと存続していくものなので、長期的に賃貸料を支払うことを考えると、初期費用をかけてでも自社ビルを持った方が費用を抑えられるでしょう。


賃貸ビルの場合、賃料の値上げ交渉が行われる場合もありますが、自社ビルならその心配もありません。

2:ビルそのものが資産になる

自社ビルを持っていると、ビルそのものが資産になるというメリットもあります。金融機関から融資を受けたい場合、自社ビルを担保として不動産担保融資が受けられる可能性もあるでしょう。


また、資金繰りが苦しくなった場合、自社ビルの売却によって資金調達する方法も残されます。いざというときに備えて、自社ビルを持っておくと安心感があります。

3:企業の信頼性が高く見られる

自社ビルを所有していると、企業の信頼性が高まります。自社ビルを所有しているということは、ビルを所有できるだけの資産を持っている証明になります。


信頼性が高まればビジネス上の取引相手からの信用も得やすくなりますし、金融機関からの融資も受けやすくなるメリットもあるでしょう。自社ビルを所有していると、ビジネス面でも有利です。

4:従業員の帰属意識が高まる

自社ビルを所有していると、従業員の帰属意識が高めるメリットもあります。自社ビルは自由に設計できるので、社内にカフェや託児所を置くなど、ニーズに応じた施設を設けることも可能です。


利用しやすい自社ビルがあると、従業員の帰属意識が高まります。その分仕事も進みやすくなりますし、新たな人材の確保の際にも有利に働くメリットも期待可能です。

5:レイアウトのアレンジが自由にできる

自社ビルなら、レイアウトのアレンジが自由です。賃貸ビルは借りているものなのでさまざまな制限がありますが、自社ビルなら企業の状況やニーズに合わせてレイアウトや福利厚生施設の設置・看板の設置など、自由にアレンジできます。


レイアウトの自由なアレンジは、働きやすく快適な職場づくりに役立つでしょう。託児所や仮眠室の設置などもできるので、社員のやる気を高め、仕事の効率を上げる効果も期待できます。

自社ビルを所有するデメリット4つ

自社ビルを所有することには、初期費用が高くつくなどのデメリットも伴います。デメリットも知っていると、自分の企業が自社ビルを所有するべきなのか、判断の基準にしやすくなります。


そこで、自社ビルを所有する4つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

1:移転が難しい

自社ビルを所有していると、簡単に移転することができません。建設したり購入したりしてから手放すと資金面でかなり大きな損失が出る可能性もあるので、注意が必要です。立地条件が良い場所に建っていれば別ですが、売却や賃貸物件への転用が難しくなるケースもあります。


移転が難しいと事業内容や顧客などの変化への対応がしづらくなる場合もあるので、移転する機会がありそうな業種であれば、慎重に考えた方が安心です。

2:初期費用がかかる

自社ビルの建設には、初期費用がかかります。土地探しから始めてビルを建設する場合は、土地代や建設費用も必要です。中古のビルを購入するにしても、まとまった費用がかかります。


ローンを組んだ場合、ローンの金利も毎月必要なので、その点も考慮する必要があるでしょう。また、業績が悪くなったら返済できない場合もあります。固定資産税や維持費も含めて、支払える見通しが立つかを考えてから自社ビルの取得を検討しましょう。

3:管理や修繕に手間がかかる

自社ビルは、管理や修繕をすべて自社で行わなければいけないので、手間がかかります。賃貸ビルなら必要な維持や管理はビルオーナーがやってくれますが、自社ビルなら自分でするしかありません。


ビルの維持や警備など、意識すべき点はさまざまです。これらの管理をすべてする必要があることも、知っておきましょう。

4:完成までに時間を要する

中古のビルを購入するのではなく自社ビルを建設する場合は、完成までに時間を要します。土地探しから始めて建設が終わるまで待っていると、かなりの時間がかかるでしょう。


従業員の数が急激に増えている職場などでは、ビルの建設が終わるまでに働く場所を確保しなければいけない可能性もあります。従業員が問題なく働けるように、対策も考えながら自社ビルの建設計画を立てましょう。

自社ビルの保有と会社成長に関係ある?

自社ビルの保有にはメリットもデメリットもあるので、企業によって向き・不向きがあります。


企業によっては自社ビルを建てて信頼を得た方が事業が上手くいく場合もありますし、事業環境の変化に応じて賃貸オフィスを利用し移転できるようにしておくと、メリットが大きいケースもあります。


自社ビルの保有と会社成長には直接的な関係はなく、企業の状況に合わせて選択することが必要です。

企業の働き方に合わせて自社ビルを検討しよう

自社ビルは、所有すれば会社が成長するものではなく、企業の業務内容や状況によって建てるべきかどうか考える必要があるものです。自社ビルには信頼性が高まったり長期的な費用が抑えられたりなどのメリットがある一方で、移転しにくいなどのデメリットもあります。


自社ビルのメリットとデメリットを知った上で、企業の働き方に合わせて自社ビルを建てるか検討しましょう。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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